【御譲位記念】ゴシッククラウンの種類その1 | コイン収集 ~趣味のコレクションブログ~

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アンティークコインを中心に日本の近代貨幣や記念コイン、金貨銀貨など、
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平成30年私達は今、約200年ぶりとなる"譲位"と言う天皇の代変わりが執り行われる歴史的な前年の年に生きています。この特別な時間、歴史に刻まれるであろう特別な時代を生きるにあたり、今年の出来事は後世振り返ってみてやはり特別な年であったと多くの人が感じ入る事となるのであろうと思うのです。平成30年、日本のコイン界も既にそのような特別な様相を呈しておりまして、よくよく冷静に考えると出てくるはずの無い超絶レアコイン達があっさりオークションに湧いて出てきている印象があります。こんな大豊作な年は珍しい、やはり今この瞬間はとてつもないんじゃないかとそのような思いから、コインに関しましてこの時代にいちコレクターとしてコイン収集している歓びを噛み締めると共にわたくしごときではありますが今年熱く注目した日本コイン界の大事件をまだちょっと早いですが私的目線から少しずつまとめていこうと思い至りました。お付き合い頂ければ幸いです。

平成30年10月の現時点でやはり今年最大の事件として注目したのが、なんと言ってもゴシッククラウン銀貨の手変り品の数々がオークションに出現した事を挙げたいと思います。しかも鑑定済み品の出品ともなればこれは日本コイン界初出品物ばかりになりますね。個人的にも今年漸くゴチクラとの縁が結ばれまして今まで以上に熱くゴチクラの動向には注視しておりました。そんな年に様々なゴシッククラウンの超絶レア品が多数登場した事は驚愕の至りであったわけでして、激震が走った次第です。存在すら知らなかった初めて見る種類ばかりで、これはまとめておかなきゃいけない。

以下にそんなゴチクラの種類について私が把握している限りまとめた情報を掲載します。

 

【ゴシッククラウンの大まかな種類】

エクセルの手作りで申し訳ありませんがゴチクラの種類を図にしますと大体こんなイメージです。種類が多すぎてゴチャゴチャしますね。分かり難くてすみません。

解説しますと青円が1847年のゴチクラ、その中に赤円のプレーンエッジがあり更にその中に金打ちや純銀打ち、様々バリエーションがあるイメージです。青円アンデシモの中にも様々レア品が含まれ、今年そのほとんどがオークションで競られました。そして右下の緑円が1853年のゴチクラとなります。

もしかしたら世の中にはもっとバリエーションがあるのかもしれませんが発見次第随時更新していきたいと思います。

続いて図にまとめた手変わり品についての詳細です。

 

【基本情報】

発行国名:大英帝国

銀品位:0.925

重さ:28.28g

直径:38mm

発行年:1847年(弘化4年)発行枚数:8,000枚

発行年:1853年(嘉永6年)発行枚数:不明~460枚?

 

単年発行の記念コイン形式で製造された銀貨ですが1853年にも発行されておりまして合計2年銘存在します。

特に日本のコインコレクターはゴシッククラウンが大好きでレア品のほとんどが日本にあり、一説にはかつてゴチクラ現存数の3割が日本にあるとまで言われておりました。バブル崩壊後の不景気によってその後流出したとの見方が一般的ですが、ただ近年のオークション実績を見ておりますと個人的に今現在かつて日本にあった以上の枚数を既に取り戻しているようにも思えます。ここ数年の主要オークション実績をまとめましたがスラブ化した物だけで75枚ものゴシッククラウンが日本で競り落とされていました。この人気ぶりはやはり凄いです。

 

【1847年銘アンデシモ(Undecimo on Edge)】

ゴチクラと言えばまず基本が47年のアンデシモバージョンです。これが一番枚数が多くゴチクラと言えばこれ、オークションに出現するのも基本このタイプです。アンデシモバージョンの特徴はコインのエッジにギザの代わりに文字が書かれていまして、またアメリカやフランスのコインのように裏面が上下ひっくり返って刻印されております。このように裏面の天地が逆転しているコインの事を"コイン仕様"と業界では呼ばれています。肖像面と紋章面に他の手変り品と特段違いは無く、普通にアンデシモのゴチクラでも勿論名品中の名品であり、余すところ無くその魅力を味わえますのでこちらを狙うのが常套手段でしょう。近年では鑑定会社のグレード分けもバラエティーに富み、状態のよい超ハイグレード品は500万円を優に越えていきますのでブッたまげます。ゴシッククラウン収集はヤバイです。

アンデシモの最高鑑定品はここまでの価値になりました。

さて、そしてそんな中に普通とちょっと違う特別バージョンが存在しておりまして、図にまとめたように発見されている数は結構豊富です。これは8,000枚のプルーフを造るのに極印が多数必要な為からくる若干の仕様変更と王からそれぞれ貴族に贈呈する物なので誰宛かで意識的に特別バージョンを造った事によるものでした。記録に残っていないその種類を発見する事は後世の私達収集家を歓喜させ無限に楽しませ続ける作用を発揮し、それ故にゴチクラはゴチクラなのです。

 

【1847年銘プレーンエッジ(Plain Edge)】

8,000枚の内ごく僅かにプレーンエッジバージョンがあります。プレーンエッジとはコインのエッジにギザも文字もないプレーンな状態のコインをそう呼びます。ゴチクラのプレーンエッジは裏面の上下が表面と同じ方向で刻印されていて、このようなコインの事を"メダル仕様"のコインと呼びます。

正確な枚数は記録が残っていない為不明ですがオークション実績などを見ますとアンデシモよりプレーンエッジの方が出現機会が少なく一般的にレアコインと認識されています。

またアメリカの鑑定会社の鑑定実績を参考にしますと大体の割合が見えてくるでしょう。

PCGSの鑑定枚数の内アンデシモが368枚、プレーンエッジが60枚。

NGCの鑑定枚数の内アンデシモが339枚、プレーンエッジが60枚。

合計鑑定枚数の約15%がプレーンエッジとなっています。レアなコインほど鑑定会社に提出されやすい傾向を考慮しますと約1割程度がプレーンエッジと推察できますが、いずれにしろアンデシモより圧倒的に稀少な事は確かなようです。

プレーンエッジのハイグレードも凄い事になってきました。

以上、この2種類で大抵終わりです。ここさえ押さえればゴシッククラウン収集に乗り出せるでしょう。

だが世界は広い!次回からはまず入手不可能と考えなければならない在り得ないほどレアなゴシッククラウンを列挙します。

長くなりますので2回に分けて投稿いたします。~つづく~

【御譲位記念】ゴシッククラウンの種類その2