榊と言えば、現在はツバキ科の常緑樹を言いますが、古くは
常緑樹の総称として使われていました。常緑樹は冬でも枯れる
ことなく、常に青々とした葉が生い茂り、古来この樹木によせる
特別な信仰がありました。青々と茂る樹木は、生命力の象徴で
あり、また生気を宿すものとも考えられ、玉串として御神前に
お供えしたり、お祓いに使ったり様々な神事においても古くから
用いられてきました。
記紀神話の中でも真榊が重要な場面で登場し、重視されている
事がうかがえます。
一方、榊の植生していない地域では、同じツバキ科のヒサカキを
用いたり、杉や樫などを用いたりします。お正月の門松などにも
松が御神木として重視されます。
これらのことからも、家庭の神棚には、常に新鮮な榊をお飾り
するよう心掛けたいものです。