神道は日本の風土から生まれた日本固有の民族宗教です。
日本人は自然のいたるところに神を感じ、崇拝してきました。
しかし、自然崇拝は神道の一面であり、神道は自然の法則を重視
する宗教なのです。普段の何気ない動作や行動にも神道の影響
は色濃く残っています。
日常生活の上では、年中行事の初詣などが挙げられます。
日本人は神道を宗教儀礼というよりも、習俗や慣習の一つ
として考えています。
その土地に産まれると「氏神の氏子」となり、氏神とは、その土地
を守護している神のことで産土神ともいいます。その氏子となるた
めに、初宮参りをし、氏子の一員となる。こうした人生儀礼は、
神社を中心に行われています。神社は日本人の生涯にとって
不可欠な存在なのです。
人間が生活する上で欠かせない衣食は、「日本書紀」などに登場
する月読尊(つきよみのみこと)と保食神(うけもちのかみ)の神話
にその起源が求められます。また掃除のときのハタキは、神職が
穢れを祓う神事を行う際の大麻(おおぬさ)と共通するものがあり
ます。このように神道は日本人の生活の中に根強く生き続けて
います。