僕に力を23 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。

明日から関東なのでまた不定期になるかもです…
すぐ帰ってくるんだけども…















コンコンコン。



あ、翔くん!!


お風呂上がりの翔くんが入るなり僕の姿を見て、「どうした?」と心配そうに声をかけてくれる。


《…助けて。》


「どうした?!どこか痛いのか?!それとも…っ」


駆け寄って顔を覗き込んでくれるから、指を指して訴える。


《これ……。病気なのかなぁ》


翔くんは僕のズボンを見て、あぁーーー……と気まずそうに視線を逸らす。


何?やっぱり病気??


僕…『入院』して翔くんと離れ離れになっちゃうの…?


「あー…の、さ…えーっとな…」


言いづらそうにしてる…


ちゃんと説明した方がいいのかな?


貴方のことを考えてたら突然こうなった、と手話で伝える。


多分、食べ物とかの毒じゃないと思う。


死ぬなら死神が予告しに来るはずだし、今日は庭の美味しい野菜しか食べてない!


翔くんは目を見開いて、ごくりと唾を飲み込んだ。



「…サトシは…俺のこと…」



言いかけて翔くんは思い詰めた顔になる。


翔くんのこと……何?


たまになるこの顔…


翔くんの抱えてる過去は何?


何があなたをこんなに苦しめてるの…?


「…何でもない。これはね…男はたまになるものなんだよ。手、貸して。」


下の衣服をとり、翔くんが僕の手に手を合わせる。


あ、、『触った』。


方向は違うけど手を繋いでるような感じで、ドキッとする。


その掌越しに人参を掴む。


「…こうやって…」


《…っ》


な、何…これっ…!


ゆっくりと皮膚を擦 られると、カァッと身体の中が沸騰しているような感覚。


ずくん、ずくん、と人参に全部の神経が集まるような。


脚の力が抜ける。


なのにお尻に力が入る。


怖い、だけどこの先が欲しい。


離して、そう思うのに振り解けない。


矛盾してるのに、止まらない。


もっと、もっと…


《はぁっ、はっ…ぅ、あ…っ》


きもち、いい。



──キスしたい。



よく分からないけど、そう思った。


多分…本能的な、モノ。


何考えてるんだ僕は。


そんなのダメだよ。


今は人間だけど僕は死神で


翔くんは優しい人間で


住む世界も何もかも違うのに


口を当てるなんて、夫婦や恋人がするようなことを求めてはいけない。


その行為にどんな意味があるのかなんて知らないけれど。


ぐ ぷ、と速まる翔くんの手から何かが漏れる。


ねちゃりと翔くんに包まれた手が汚れる。


これ、トイレ、行かなくていいの?!


怖い、怖いよ!


翔くん、翔くん、翔くん…!


《や、あ、も、なんか変なの…っ翔くん……っやめてぇ…っ》


いくら頭を振っても「大丈夫だから」と手を止めてもらえない。


《あ、もう、ダメ……っ!なんか出る…っ》



チカチカ。


砂嵐の映像がテレビに映るような。


ビリビリと体中に電気が走るような。


脳裏を掠める、何か。


目のずっと奥で光る、二つの影。


ぶくぶくと泡みたいなものが視界を遮って。


ドクン、ドクン、ドクン、血が粟立つ。



ああ、何か、何か大切なことを僕は。


一番大事な何かを。



多分


忘れてる…………。



びゅくっ、と人参から生温かい白いのが飛び出して。


ビクンって身体が跳ねて、じわ~…っと何かが広がっていく。


人参は萎んで、いつものやつに戻る。


何、これ……。


くたり、と翔くんにもたれかかる。


「…気持ちよかった?」


バクバクと煩い心臓を無視して、頷いた。


《すごく、すごく気持ちよかったです…》


翔くんには見えない角度で呟いた。


ぎゅっと抱き締められて、目から汗が…


いや、初めての『涙』が零れ落ちた。



次の日から、一緒に合わせて人参を擦るようになって。


そうすることで、更にチカチカは強くなった。


口をくっつけたい、ともどんどん思うようになった。


気持ちいいし、一緒に出来るのは単純に嬉しいし、


だけどどこか胸の奥がきゅっと締め付けられる。


これは…何なんだろう。



そして


有り得ないのに、どうしてこんなに懐かしい気持ちになるんだろう。


何かを思い出しそうになる。


深い深いところにある、暗闇の中の何か。


キラリと暗闇の中で光るのは…一体何?


鈍く光る、大事な物の欠片──。



…どうかしてる。


死神の僕に、思い出す記憶なんてあるわけないのに。






対応する話はコチラ
今は5話のサトシ視点をやってます
全然進んでないな…( ̄▽ ̄;)