僕に力を5 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。

2話先?からはやっと過去パートかな?
ここは少しだけえろもーど。ちょっぴりね。
あと私、昨日エリカという名前になりたすぎて悶え転びました。←















使用していない客室なんてものは数個あった。


それでも俺はサトシを同じベッドで寝かせた。


生活の『当たり前』が何もわからないサトシが不安だから。


そう周りには言い訳した。


俺はただ


サトシに対して独占欲を抱いていただけだったのだけど。


大袈裟だけど、1秒も離れず常に一緒に居たかった。


記憶を取り戻した時、どこかへ行ってしまうのではないかと不安を抱いていたから。


それくらい俺は、サトシという存在に縋っていた。



丁度一週間が経ったある日。


風呂に1人で入れるようになったサトシを先に風呂に入れ(本当は一緒に入りたかったが雅紀や家政婦の目があって断念…)、


雅紀の次に入った俺はいつものようにドアを3回ノックして部屋に入った。


すると本を読んで待っていることの多い智が、困った顔で何もせずベッドに座っていた。


「どうした?」


寝転んでもいないことを不審に思い尋ねる。


《…助けて。》


涙目のサトシと手話に驚き、慌てて駆け寄る。


「どうした?!どこか痛いのか?!それとも…っ」


何か、思い出したのか。


その一言が怖くて言えずに飲み込む。


《これ……。》


指し示す先の布団を捲ると、サトシの股 間 が膨らんでいる。


うるっとした目で見上げられ、《病気なのかなぁ》と聞かれて目眩がした。


そうだよな、そりゃな…。


生理現象だからな。


あるよな、普通。


「あー…の、さ…えーっとな…」


なんて説明すりゃいいんだ…


迷っていると、サトシが手話で伝えてくる。


「えーと、俺…考え…え?俺のこと考えてたの?」


サトシは純粋にこくりと頷く。


《貴方のことを考えてたら、突然こうなりました。》


手話でそう告げつつ不安げに見つめるその瞳に、思わず勘違いしそうになる。


記憶を失っているとは言え…


男同士で、そんな簡単に恋愛感情になんてなるわけない。


…いや、でも…


流石にこれは勘違いしてもいいよな…?


「…サトシは…俺のこと…」


言いかけて、その先をぐっと飲み込んだ。


聞いてどうする?


万が一そうだったとして、俺は応えられるのか?


サトシは智じゃない。


俺は…智が好きだった。


大好きだった。


……勿論、今も。


だけど智はもう居なくて。


戻っても来なくて……。



《?》


続きを待つサトシの頭を、苦笑してぽんと撫でる。


「…何でもない。これはね…男はたまになるものなんだよ。手、貸して。」


下を脱がせて正面に座り、掌を包み込む。


重ねた掌でそれを握ると、サトシは小さく跳ねた。


「…こうやって…」


《…っ》


サトシがその感覚に身を攀じる。


…分かるよ。


初めての感覚。


人の手…っていうのが、妙にもどかしく、羞恥心を煽るんだ。


覚えてる。



俺は…智に教えてもらったから。



そのままゆっくりと上下に 掌ごと動かす。


はっ…、と小さな吐息がサトシの口から漏れる。


ぞくり。


自分の中心に響くその甘い声なき声。


涙目のサトシが、口を半開きにさせて眉を顰める。


ドクン、ドクン、俺の血液がそこへ集中する。



──キスしたい。



そう思った。


だけど、そんなことしてはいけない。


ぎゅっと唇を結ぶ。


サトシには恋人がいるかもしれない。


歳も同じくらいに見えるから、結婚している可能性だってある。


何一つわからないのだ。


本当のサトシの気持ちでさえ。



俺の手の動きと連動し、サトシの吐息 の感覚が短くなる。


硬度 と 大きさ を増したそれは既に 先走り の蜜 をトクリと垂らしている。


サトシは、涙を滲ませ頭を振った。


だけど俺は手を止めない。


迫り来る真っ白な何かが目の奥でチカチカしているような。


その表情は…俺のを刺激するのに十分な色気で。


《……ッ……!!!》


どぷ、と手の中で弾ける熱。


サトシはビク、ビク、と小さく震え、余韻の後そのまま脱力して俺にもたれかかった。


「…気持ちよかった?」


サトシは耳を真っ赤にして、胸の中でこくりと頷いた。


サトシの鼓動がバクバクと音を立てているのを、触れる肌下から感じる。


その姿を見て、ぎゅっと胸が締め付けられた。



…智も、俺に教えた時はこんな気持ちだったんだろうか。


そんなことを、本当の名も知らぬサトシを抱きしめながら思った。




それから毎晩、2度目からはお互いのものを一緒くたに擦りつけるようになった。


手を重ね、互いの掌をどちらともわからない蜜で汚す。


グチュグチュと 粘着質 な音が 部屋に響く。


「…ぅ、…ぁ………っ」


小さい声は俺だけ。


吐息は二人分。


二人だけの秘密。



あの時と……同じ。




サトシの唇に、触れたい。

その思いは無情にもどんどん膨れ上がる。



智は結局、俺にキスをしてくれなかった。


…いや、一度だけ。


智の唇は、俺のそれに触れた。


俺はその感触を──上書きしてしまって、良いのだろうか…。