修行僧の涙目な日々

修行僧の涙目な日々

修行僧時代を振り返ってみるブログ。

今回は、役寮さん方による本講(ありがたいお話を聞く場)について。

場所は基本的に、会議室で行われます。なんらかの事情で会議室が使えない場合、応供台等を使うことも。

 

形式としては、学校の授業のような感じ。

役寮さんがホワイトボード(黒板)の前に陣取り、お話をしてくださいます。

 

内容は人によってさまざま。

お経の解説、典座(食事)に関するお話、宇宙の真理などなど・・・。

 

ぶっちゃけ、睡眠の足りてない修行僧(特に新到)にとってはかな~りきついです。

時折、落ちちゃう者もちらほらと。

 

まあ、役寮さん方もその辺に理解ある方が多いので、大抵そっとしておいてくださるわけですが。

夕食の片付けが終わると、晴れて自由時間・・・とはいきません。

 

たいてい6時頃から本講という、いわば授業のようなものが行われます。

内容は役寮さんによるありがたい講義や茶道・華道、書道(専門の先生が来られます)など。

ということは、夕飯片付けが終わったら、または、片付けと並行して、それらの準備をするわけです。

もちろん、それは新到の仕事。

 

会場はさまざま。

椅子・テーブルのある会議室を使うこともあれば、食事と同じ応供台のこともあり、本堂を使うこともあります。

茶道だったら、お茶菓子や抹茶・各種道具を準備し、書道であれば、墨や紙・筆などを準備しておきます。

 

一番準備が大変なのは、華道です。

お寺の各部屋の床は基本的に畳であるため、ブルーシートを何枚も敷いて、保護する必要があるのです。

ブルーシートを全面に敷くため、使用会場にあるもろもろの物体は、別の場所に移さなければなりません。

もちろん、お花を準備しておく必要があります。

 

こうして、やっとのことで準備ができたら、ほぼ休む間もなく、本講の時間となるわけです。

夕食が終わったら、例によって新到のみなさんでお片付け。

 

洗い物・簡単な掃除はもちろんのこと、翌日の朝食の準備もやっておきます。

 

朝食を食べる人の人数を数え、お粥に使うお米の量を調節。

米をとぎ、鍋にセットして、水も入れておきます。

また、たくあんのカットや梅干し・ごま塩も準備します。

 

それと同時に、食事会場のセッティングもしておきます。

テーブルを応量器バージョンの配置にしたり、導師席に座布団(場合によっては椅子)をセットしたりetc・・・。

 

やることは朝食・昼食の後片付けよりも多いです。

 

しかも、この後には夜の座禅や講義が待っているので、そちらの準備もしなければならないという・・・。

今回は、夕食応量器バージョンです。

基本的には、昼食の応量器使用時に準じたものとなります。

 

一番の違いは、使うの種類。

一番大きい器である頭鉢は使用せず、第一饙を一番左に置くこと。

そこにご飯をよそいます。悲しいことですが、器が小さくなるので、ご飯の量も大幅に減少することに・・・。

第二饙には味噌汁、第三饙にたくあん。

もちろん、通常の夕飯と同じく、プラスチック皿のおかずも有り。

 

食前・食後のお経は無し。

タクがカチッとなって、食べ始め&食べ終わり。

 

お椀が小さいので、浄人に当たると、盛り付けがなかなか大変です。

私はしょっちゅうこぼしてしまい、古参にめっちゃ怒られてました(涙)。

しかも、応量器使用時はほぼ例外なく、役寮さんも参加します。

通常の夕飯のなごやかムードは消え去り、ピリピリディナーショー・・・。

食事が始まった後は、昼食と基本的に同じ流れとなります。

 

役寮さんがいれば、その人が導師席に座って、その人のペースに合わせて食べます。

修行僧だけなら、原則一番上の古参和尚が導師に。

 

ただし、いたずらで下の者が導師にされてしまう場合もあります。

こうなると、まあ~いたずらラッシュとなります。

 

ご飯山盛り、おかず山盛り、あるいは逆に超小盛なんてことも。

場合によっては、パワハラ・いじめ案件となりかねないですね・・・。

 

とはいえ、朝昼と比べたら平和そのものと言えます。

途中、おかわりタイムを挟んで、食べ終わったらタクを鳴らして食事終了。

新到の皆さんが片付けをします。

 

ちなみに、食事メニューは調理担当の修行僧によって大きく異なります。

基本は、大豆たんぱくや豆腐などがメインなのですが、

不真面目な担当だと、冷凍フライドチキン・とんかつなどが出ることも・・・。

テキトーくんが担当のときは、千切りきゃべつ&ごま豆腐(失敗してお客さんに出せないモノ)なんてこともありました。