続・MIHOミュージアム【大徳寺龍光院・国宝窯変天目と破草鞋】 | 骨董水妖◇美術品は美術館で見るよりおうちで使う方がずっと楽しい!◇

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江戸時代の古伊万里、超絶技巧の時代蒔絵の重箱、美術館で見た有名な絵師の絵画など、ハイクラスの古美術品が、とってもリーズナブルに買えるお店です。


大徳寺龍光院(りょうこういん)は
黒田官兵衛の菩提を弔うために
息子の黒田長政公が造られたんだそうです。

開山は春屋宗園(しゅんおくそうえん)ですが、
すぐにお亡くなりになられたため
事実上の開山は
江月宗玩(こうげつそうがん)。
桃山時代のことです。

春屋宗園は禅宗の正統の高僧。
江月さんは、
当時日本一の大金持ちと言われた
界の豪商《天王寺屋》の次男ですが、
子どもの頃に、春屋さんの弟子になります。

その頃の民間人が教養を身につけるためには
お寺に入るのが一番。
お金持ちは、跡取り以外の子弟を
名高いお寺に入れたのだそうです。


江月さんのご実家《天王寺屋》は
海外貿易で財をなし
《唐物/からもの》と呼ばれた貴重な中国の品をたくさん持っていたんですね。

今回の展示の目玉
【国宝・窯変天目茶碗】もその一つです。

それらの、当時から超一級の宝物が
江月さん経由で龍光院のご所蔵となったんだそうです。

ところが、
大阪夏の陣・冬の陣で堺の街は焼け尽くされ
天王寺屋も無くなってしまいます。
当主だった江月さんのお兄さんは
その前に病気でお亡くなりになっていました。

江月さんが龍光院にお入りにならなかったら
全ての宝物は、後世に残らなかった。


江月さんは、
師の春屋さんが
「自分よりも凄い奴だ」
という程の才能と人間性を持ち

その上、大金持ちのプリンスとして育てられていたので
素晴らしい審美眼の持ち主でした。

当時の一流の文化人ととっても親しかったんです。
狩野探幽とか、松花堂昭乗さんとか
小堀遠州さんとも仲良しだったんですって。

今回の特別展では今まで非公開だった
探幽さんや松花堂さんの作品が拝見できます。

(画像はハガキから)

これは、松花堂さんの十六羅漢図の一幅。

他の誰も描かなかった程の大口を開け
腹の底から笑う羅漢。

圧倒されます。

(画像はハガキから)

モーレツに厳しい表情の羅漢さんの
坐禅を組んだ膝の上には
無垢な顔の雀が乗っています。
さらに良く見ると、
胸に掛かる僧衣から、二羽の雀が顔を覗かせています。

一見、デッサンも狂い
雑に描かれたように見える羅漢図ですが

見る者を釘付けにする猛烈な力を発しています。
松花堂さんは、羅漢達の精神を
墨だけで顕現させています。

普段よく目にする松花堂さんの作品は
シンプルな筆で瀟洒に描かれたモチーフが多いんですが、

こんなに強い画を描く人だったんだと
初めて知りました。

この作品は4/29(月・祝)までの展示です。

4/23(火)からは、大規模な展示替えで後期展示。まだまだ見たいお品いっぱい!です。

5/19(日)迄。

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骨董水妖
白井澄子
京都市東山区古門前通大和大路東入元町367-4杉山ビル3F
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