池大雅筆【初冬山水図】 | 骨董水妖◇美術品は美術館で見るよりおうちで使う方がずっと楽しい!◇

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江戸時代の古伊万里、超絶技巧の時代蒔絵の重箱、美術館で見た有名な絵師の絵画など、ハイクラスの古美術品が、とってもリーズナブルに買えるお店です。


本紙 39 ×69,5cm
軸装 144 ×85,4cm
紙本淡彩
明和六年(1769)

池大雅
享保8年(1723)~安永5年(1776)
諱/橆名・勤
字/貨成・公敏
号/大雅堂・三岳道者・霞樵 他
京都に生まれ活躍した、絵師で書家、文人。
当時、応挙・若冲に並ぶ人気アーティストです。

古物の市場には膨大な量の大雅さんの作品が出てきますが、
ほとんど偽物です。
人気のあるモノには偽物が作られることは
今も昔も変わらない。
大雅さんがどれほど人気があったかがわかりますね。


横長の画面の
ほぼ真ん中の近景に数本の木立。
重要文化財に指定されている
出光美術館ご所蔵の
「十二か月離合山水図屏風」に代表されるように

大雅さんの山水は、
丁寧なみずみずしい点描で
溢れんばかりに葉っぱを描く手法が有名です。

しかし、この作品は珍しく、
葉っぱ描かれない冬景色。

木々は、筆先が二つに割れた筆によって描かれ
カサカサしています。
でもよく見ると、
薄く代赭が注されています。
枝先を描く、黒々とした強い筆致とこの代赭によって
カサカサの冬木立でありながら
中に生命が満ちていることを感じます。


左端の樹から延びる枝は
遠景左の山につながり、
右端の樹は
右の山につながるライン。

近景と遠景の空間を感じつつ
楽しいリズム感♪


中景の水に浮かぶ陸地の家々の周りの木々は

たっぷりと水を含んで滲んだ筆により潤い、
縦横だけのシンプルな線で描かれ
画に安心感と優しさをもたらしています。

家々の屋根や大地にも
透明感のある代赭が掃かれています。

冬景色でありなから、温かさと潤いのある
大雅さんでなければ描けない
見ればみるほど素晴らしい山水!

この山水は、
浦上玉堂さんに通じていくように
私は思います。


「己丑初冬寫 霞樵橆名」
《弎岳道者》白文方印
《池橆名印》白文方印

款記より明和六年、大雅さん47歳。

先に挙げた
重要文化財「十二か月離合山水図屏風」(出光美術館蔵)は
この年に描かれた事がわかっています。

大雅さんのノッていた年なのかもしれませんね。


本紙にたくさんのシミ・折れがあり

款記の上部左には、紙の欠損を補修した跡がございます。
画像でご確認ください。
気になる点は、お気軽にお問合せくださいませ。

箱無し


¥500,000
消費税・送料別


骨董水妖
白井澄子
京都市東山区古門前通大和大路東入元町367-4杉山ビル3F
phone/075-541-5128
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