大阪の藤田美術館が、
建て替えのために一旦閉館なさると知って
慌てて行ってきました。
藤田男爵は幕末から明治の動乱期に、鉱山や電力など日本近代化の事業で一代で財を成し
海外に流出されそうになった、大名や名家旧蔵の歴史的美術品を日本に留めるために
私財を投じて古美術品を収集をされた方です。
昭和29年、男爵家の蔵と収蔵庫に照明を引き、床に絨毯を敷いて
陳列ケースを作って美術館になさったそうです。
なので、冷暖房設備がありません。
今までは、春と秋の気候の良い時期だけ開館されていました。
私の伺った日は夏日でとても暑かった。
蔵の窓から爽やかな風が吹き込んで
良い気持ちです。
国宝や重要文化財が
手作り感のある木枠の引き戸式のガラスケースに陳列される、蔵の中そのままの空間に
自然の風が吹き込む
不思議で素晴らしい空間です。
現代の一般的な美術館は
温度湿度が完璧に管理されていますね。
窓が開いているなんてあり得ません。
展示室に風が入ってくるなんて奇跡みたい!
建て替えの前に伺えてよかった♪
蔵特有の小さな窓が見えますね。
国宝《曜変天目茶碗》など
数多くの名品中の名品をご所蔵ですが
私が一番見たかったのは
平安時代のお経の箱。
その上、お経に書かれた物語が描かれた作品はこの箱だけだと思います。
まだ蒔絵技術が日本に入ったばかりの時代。
金粉も銀粉も不揃いな形です。
仏様に伏して参拝する僧やウロつく犬
木々に雨が降る姿
龍や怪魚の見え隠れする海面からそびえる神々しい山など
興味深い場面が描かれています。
この箱が藤田男爵のご所蔵になったいきさつを
松田権六さん(塗り物で最初に人間国宝になられた方)が、ある冊子にお書きになられています。
小説みたいなその物語は後半で。
骨董水妖
白井澄子
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