重要文化財
雲龍図屏風
北野天満宮
この龍はオリジナリティーに溢れています。
角は下向きに生え、顎はシャクレ気味。
大迫力ですが、全く恐ろしくありません。
存在感がハンパなく、龍神様がここにいらっしゃるようです。
友松さんの頭の中には、龍神様の姿がはっきり見えていたんでしょうね。
屏風は縦が180cm 横は360cm。
一双だと7m以上の大画面です。
素晴らしい迫力。
作品保護のためでしょうか、効果をあげるためでしょうか
この展示室は、とっても暗いんです。
江戸時代は現代のように室内は明るくありません。
海北友松が生きていた頃は、こんな風に見たのかもしれませんね。
彼の創り上げた雲龍の世界に入り込む感じです。
重要文化財
雲龍図(部分)
建仁寺
建仁寺が慶長4年(1599)に再建された時に
大方丈の障壁画として海北友松が描いた52面の内の
玄関に近い礼の間に描かれた雲龍図。
縦も横も2m近く、4面の襖に分かれて描いており
繋げると 幅は8m!。
しかもこれは左側の半分。
右には横が少し小さい
(と言っても133mm×4面→5、3m!)
画面に雲龍が描かれます。
トータルで横は13m以上の超大作です。
ここで、ハガキの画像をお見せして
この作品の凄さが伝わるわけがないんです!
わかるとしたら、
この向かって左の角の上のラインの描き方をご覧ください。
凄い勢いでシューっと一気に引かれていますでしょう。
ハガキ画像は途中で切れていますが、ずーっと長いんです。
京博の広い空間を存分に使った素晴らしい展示。
月下渓流図屏風
ネルソン・アトキンズ美術館蔵
海北友松最晩年の作品。
60年ぶりの里帰りだそうです。
作品の説明には、
「60才代の激しさは感じられず、淡麗かつ瀟洒な作品」と書かれていましたが、
私には、とても激しい画に感じられました。
他の瀟湘八景などの作品にもよく現れているのですが、
友松さんは、宋時代の玉澗という絵師の画法を
自分のモノにしています。
僅かなほとばしる筆で、自然の雄大な力を表す筆法です。
ね、最小限の筆に激しいエネルギーを感じるるでしょう?
友松さんの行き着いた、画の到達点。
静けさの中に、生命の激しいエネルギーが美しく描き出されます。
2階の展示室で、偶然に
最も敬愛する古美術商のT,Y氏にお会いしました。
氏によると、今回の特別展は
京博の学芸部長の山本秀男先生のご退官記念の特別展なのだとか。
どうりで、年に何度か京博さんにお伺いしますが
1階から3階迄の(仏像展示ホール以外の)
全ての展示室が、一人の作品で埋め尽くされる大規模展示は初めてです。
山本先生は今回の展示作品目録に、
海北友松の人生と作品についての解説を非常に詳細にお書きになられています。
緻密な研究と審美眼によった素晴らしい文章です。
「画のもつ力、そしてそれを手掛けた絵師の力がこれほど強く感じられる例は少ないのではないだろうか。」
という、山本先生の文章は
海北友松の作品を的確に表しています。
小林秀雄先生はその講演の中で
「美はわかるものではなく、感じるもの」
とおっしゃっています。
この海北友松展にいらっしゃれば
海北友松さんの創り上げた美を感じていただけることでしょう。
ここでしか味わえない素晴らしい体験です。
展示替えがあります。
前期/4月30日迄
後期/5月2日〜21日迄
10月3日(火)〜11月26日(日)
特別展覧会国宝
楽しみですね。
骨董水妖
白井澄子
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