身体が動くという喜び | 愚者の独り言

愚者の独り言

ブログの説明を入力します。

身体が動くということについての面白さを知ったのは、肥田式強健術などの著作のある高木一行氏のセミナーに参加したからだった。

 

1993年だったか94年だったかに、当時の知り合いと肥田式強健術の話をしていた時に、秘伝という雑誌を教えてもらい、高木氏がセミナーで肥田式強健術を教えているのを知って参加してみたのだった。

 

そこで高木氏に少しフォームを修正してもらったところ、外腹斜筋がバシッ~~という感じで張り、「え?そんな些細なことでここまで変わるのか?」と凄く驚いたのだった。

 

それまではフルコンタクト空手の経験はあったものの、単に数を繰り返すくらいのトレーニングしか知らなかったので、こういう領域のトレーニングがあるんだと感動していたと思う。

 

高木氏は肥田式強健術以外にも中国武術の一部や仙道の一部なども教えており、かなりの金額を突っ込んで習いに行っていた。

 

ただ、数年間通ったものの、セミナー形式で様々なものを習うというスタイルでは自分は何も身につかないということに気づき、雑誌秘伝に載っている武術家の一日体験等を申し込み、様々な道場を巡り歩いた。

 

その中でH先生がとても気に入り、そこから長らくお世話になることになった。

 

入門すると2本のビデオテープが渡され、道場は週一しかなく、そこでの時間は限られているから、そのビデオにある基本練習を家でやっていて欲しいと言われる。

 

ビデオに収録されていた基本練習は10種はなかったと思う。

見た目はとても単純な動作で、たんに腕をぶんぶんと回しているだけのものや、突きの動作を作るものや、簡単な肘打ちの練習だったりする。

 

その中で、腕回しがとても気に入り、腕回しをメインにそればっかりやっていたと思う。

 

なんで気に入ったのかというと、やり始めて三日、一週間、二週間、一か月、半年、一年、三年と割と短期間で微妙に動きというか体の感じが変わっていくのが面白くて、楽しかった。

 

ただ、他の運動は当時の私にはかなり辛いもので、何度も挑戦するが、あまり出来ず、逃げていた。

(非常にもったいないことをした)

 

とはいえ、下手の物好きでも続けていると、少しづつ体は動くようになってきて、楽しい日々を送っていた。

 

転職し、仕事内容が三交代制の工場勤務になった頃、道場にも月一しか通えなくなったとこと、とある突如襲った精神体験から武術を続ける意欲が消失し、この世界から遠ざかったいった。

 

今またクンダリーニヨガという形で体を動かすという喜びを味わっている。

 

昨日、次のブログに何を書こうかと考えていた時に一つ思い出したことがある。

 

あれは14,5回目の時だったかなと思うが、先生から定番の首を回すネック・ロールをやっていた時に、先生から首を左に傾いて回す時は胸が右に行く感じで、首を右に傾いて回す時は胸が左に行く感じというようなアドバイスをもらった。

(はっきりとした言葉は忘れてしまった)

 

アドバイスを聞いた時は、単に首を回すだけでなく、体全体で回すような感じかな?その方がええんやろな、とあまり気に留めることなく、あとで練習してみますと返事をした。

(結局、サットクリヤとビッグ7しかやらずに時間が過ぎて行く)

 

そして次のオンライン教室にてネック・ロールをやった時、ずるっと胸の辺りが首と反対の方向にずれていく感じで勝手に動き、

 

「うわ!勝手に動いた」という驚きと、

「うわ!勝手に動いた」という喜びが生じた。

 

ひょっとしたら私の顔は微妙に笑っていたかもしれない。

 

こういうことに興味もなく、価値も持っていないと、胸が動いたくらいでなんなん?と思われることだろうが、なぜか私はとても嬉しくて、楽しかった。

自分でもなぜこうも嬉しく、楽しいのかを説明する言葉は持ってないので、誰にも分ってもらえないだろうが、おじさんは楽しかった。

 

(言葉にはならないと書いたが、少し思い出すと、開放感もあったかもしれない)

 

先生によると、横隔膜の緊張が抜けていくと、そういう動きになるとおっしゃっていた。

 

そう、また横隔膜の緊張だ。

 

このヨガはサットクリヤを土台に進んで行くのかもしれない。

 

すべての道はサットクリヤから始まるだ。

 

妻も子供も持てず、万年平社員でも、楽しい人生がこのヨガの行の中にある。