子どもと麻雀 | ことのは学舎通信 ---朝霞台の小さな国語教室から---

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考える力・伝える力を育てる国語教室 ことのは学舎 の教室から、授業の様子、日々考えたこと、感じたことなどをつづっていきます。読んで下さる保護者の方に、お子様の国語力向上の助けとなる情報をご提供できたらと思っております。

 8日の朝日小学生新聞1面の記事は、麻雀であった。

 最近、子どもたちの間で、頭脳スポーツとして麻雀がはやっているという。

 

 わたしは、子どもにやらせたい頭脳スポーツの第1位は将棋だと考えている。

 ことのは学舎では将棋教室を開講しているが、麻雀教室はやっていない。

 しかし、麻雀には将棋にない面白さがある。

 

 将棋にない麻雀の最大の魅力は、「運」の要素が大きいことである。

 

 将棋においてに左右されるのは、先手後手を決める振り駒だけである。

 上級者になると一手の重みが大きいため、先手がやや有利になる。

 藤井聡太7冠は、先手の方が後手より2割ほど勝率が高い。

 それだけ一手の価値が高く、無駄な手がないのである。

 下手な人の将棋は、無駄な手が多いので、先後の優劣はほとんどない。

 したがって、の勝敗への影響はほとんどない。

 将棋はの要素が極めて小さいゲームである。

 

 麻雀は、8割がである。

 どの牌を引いてくるかは、神のみぞ知る、なのである。

 プレイヤーができることは、もっとも勝つ確率が高くなる打ち方(待ち方)をするだけである。

 の要素が大きいから、麻雀においては弱い人が強い人に勝つこともよくある。

 将棋では、弱い人がハンデなしで強い人に勝つことは極めて難しい。

 麻雀が強い人は、を味方につけている。

 

 麻雀には、「降りる」という打ち方がある。

 自分自身の上がりを放棄して、振り込まないように打つのである。

 自分が上がらなくても、上位の人が他の人に振り込んで点を落とし、逆転勝ちすることがあるのである。

 将棋に「降りる」はない。

 どんなに形勢が不利であっても、最後まで勝ちを目指して指すしかない。

 降りるのは投了のとき、すなわち、負けるときだけである。

 麻雀が強い人は、「降り方」を知っている。

 

 麻雀で勝つためには、運を味方に付けること降りるべきときに降りること、この二つの能力が必要である。

 この二つは、世の中で生きていくためにも必要な能力である。

 しかも将棋では学べない。

 人生の役に立つのは、将棋よりも麻雀かもしれない。

 

 ことのは学舎では、夏休み期間の子どもたちの遊びをいろいろと用意している。

 将棋オセロ立体四目並べ英語ウノトリンカ(数式を作るゲーム)、アルゴ(数字を推理するゲーム)、クラフト図鑑(動物や恐竜のペーパークラフト)などである。

 遊びを通じて子どもたちが学べることは多い。

 麻雀も取り入れてみたいが、人数や音対策などのハードルがあって難しい。

 いつか麻雀大会などもやってみたいと考えている。