今日の小学生の授業で、「ねこの皿」(『10分で読める大わらい落語』所収)を読んだ。
こんな話である。
古物商の男が茶店で一休みしていると、店先でねこがえさを食べていた。見るとその皿は高麗の梅鉢という、三百両の価値がある名品であった。
男は皿を手に入れようと考え、ねこ好きのふりをして、主人に、ねこを三両で買いたい、と交渉した。主人が承知したので、ついでにこの皿ももらっていく、と言うと、三百両の値打ちのある高麗の梅鉢だから譲れないという。
しかたなく男は三両払い、ねこだけ連れて帰ることにした。男が、どうしてそんな高価な皿でねこにえさを食べさせているのか、と聞くと、主人が答えた。
「この皿でえさを食べさせていると、ときどきねこが三両で売れるんです。」
ことのは学舎では、子どもたちにいろいろな文章を読ませ、要約を書かせている。
要約は、国語力の向上にもっとも有益な方法である。
落語は、子どもたちに国語力をつけさせるための教材に適している。
登場人物が少なく、話の展開もわかりやすい。
要約は簡単そうだが、できごとのつながりがわかるようにうまくまとめるためには、正確な理解が必要である。
オチの面白さが伝わらなければ、要約として失格である。
この「ねこの皿」では、古物商の男が高麗の梅鉢を手に入れるために、どうやって主人をだまそうとしたか、さらに、実はだまされたのは古物商の男の方であった、というオチをわかりやすくまとめられるか、理解力と表現力が問われる。
授業では、4つの場面に分けてそれぞれ100字以内でまとめる、という指示を与えて要約を書かせている。
問題集や模擬テストなどよりはるかに、正確に読解力、思考力、表現力を知ることができる。
お子さんの国語力に不安のある方は、ぜひ試してみて下さい。