自己肯定感 ――朝日小学生新聞から―― | ことのは学舎通信 ---朝霞台の小さな国語教室から---

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 今日(5日)の朝日小学生新聞1面は、「自己肯定感ってなに?」という記事であった。

 心理カウンセラーの中島輝さんは、自己肯定感の中身を木に例えて、次のように6つに分けて説明している。

 

根 自尊感情(自分には価値がある)

幹 自己受容感(ありのままの自分を認める)

枝 自己効力感(自分にできると思える)

実 自己有用感(自分は人の役に立てる)

花 自己決定感(自分で決められる)

葉 自己信頼感(自分を信じられる)

 

 いずれも子どもたちに持っていてもらいたい、大切な感情である。

 特に「根」に当たる自尊感情自分には価値がある、という思いは、すべての子どもが無条件に持っていてよい感情である。

 これらの自己肯定感を育てるのは、大人の役割である。

 

 記事では自己肯定感を高める方法として、次のように書いている。

 

 自己肯定感はそうして、自分で高めていくことができます。中島さんのおすすめは鏡を使った方法。鏡の前で笑顔をつくり、親指を立てる「いいね!」やこぶしをにぎるポーズなどをします。そして自分に、「だいじょうぶ」「がんばっているね」といった声をかけるだけです。

 

 これはどうだろう。

 こうして鏡の前で自分を応援するだけで、本物の自己肯定感が育つだろうか。

 何か困難にぶつかったときに、簡単につぶれはしないだろうか。

 

 わたしは、自己肯定感を育てるためには、自分で考え自分で行動する経験を重ねるしかないように思う。

 自分の力で何かを成し遂げた経験が自信になり、自分は大丈夫だ、という気持ちが生まれる。

 自分で何かをしようとすれば、うまくいかないこともある。

 その、うまくいかないことを乗り越えたり、乗り越えられなかったり、という経験によって、自分に何ができて何が足りないかもわかってくるだあろう。

 自己肯定感とともに、自己否定感も生まれるだろう。

 

 世間では自己肯定感の大切さばかり言われるが、自己否定感も同じくらい大切である。

 子どもたちには、自分の足りないところ、間違っているところ、悪いところも知っている人になってほしい。

 つねに、自分に何が足りないか、自分は間違っていないか、顧みて欲しい。

 自分は正しい、自分は何でもできる、と思っている人間は危険である。

 

 自己肯定感自己否定感、両方持っていた方がよい。

 そのバランス、適量が難しいのだけれど。

 子どもに限った話ではない。

 わたし自身も、毎日自己肯定感自己否定感の間で揺れ動いている。

 子どもたちと一緒に、成長していかなければならない。