娘の勉強机の前の壁に、「明日やろうはバカ野郎!」という標語が張られていた。
試験勉強をついダラダラと先延ばしにしてしまう自分への戒めとして張ったものであろう。
すごい言葉である。
言っていることは単純で、今日やるべきことは今日やりなさい、ということである。
昔から、「今日できることを明日に伸ばすな」とか、英語で「Never put off till tomorrow what you can do today. 」ということわざがあるが、「明日やろうはバカ野郎!」のインパクトには遠く及ばない。
出典は2007年にフジテレビで放送されたドラマのセリフらしい。
最近YouTube上で人気のグループが歌詞に採り入れたりしており、ちょっとはやっているらしい。知らなかった!
数あることわざの中で、これほど説得力と実用性の高いものはないのではないか。
わたしの生活には、毎日、このことわざを使うべき場面がある。
今日やるべき仕事を明日にまわし、それが積み重なってめんどうになってやらずじまいになったり、翌日に別の用事ができて時間がとれなくなったりすることが、日常茶飯事である。
いつも、昨日のうちにやっておけばよかった、と後悔するのだが、一向に改善される気配がない。
バカ野郎である。
昨日の夜、確定申告の書類を仕上げた。
本当は明日の日曜日にやるつもりだったのだが、娘と遊びに出かけることになり、急遽予定を繰り上げたのである。
提出期限は15日(金)であり、これでもギリギリである。
去年の申告書の控えを見てみたら、去年は締め切り最終日の15日に提出している。
当日熱を出したり、事故に遭ったり、大雪が降ったりしたらどうするつもりだったのか。
我ながら、その怠惰さに呆れる。
ただ、いつも3月15日の税務署の提出窓口には長蛇の列ができているから、仲間も多いようだ。
どうしてもっと早くにやらないのか。
いつでもできると思うから、明日に回してしまうのである。
「明日やろうはバカ野郎!」である。
肝に銘じておかなければならない。
わたしの仕事机の前にも張っておこうかしら。
そうはいうものの、「明日できることは今日やるな」ということわざもある。
こちらも、正しい気がする。
今日読みたい本があり、今日やりたくない仕事がある場合、どちらを優先すべきか。
先のことはわからない。今夜大地震が来て命を落とすかもしれない。
今日が人生最後の一日だと思ったら、確定申告の書類など書いている場合ではない。
確定申告は明日に回して、読みかけの面白い本を読んで過ごしたほうがよい。
人生は短いのだ。
しかし、実際には今夜大地震は来ず、確定申告の提出期限は訪れ、直前に泣きながら書くことになるのである。
やっぱり、「明日やろうはバカ野郎!」である。