素敵な国の主権者 ――朝日歌壇から―― | ことのは学舎通信 ---朝霞台の小さな国語教室から---

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考える力・伝える力を育てる国語教室 ことのは学舎 の教室から、授業の様子、日々考えたこと、感じたことなどをつづっていきます。読んで下さる保護者の方に、お子様の国語力向上の助けとなる情報をご提供できたらと思っております。

 日曜日は、朝日歌壇である。

 今日はわたしの歌が選ばれていた。

 

海埋める裏金ためる兵器売る素敵な国の主権者ぞ我

                 (高野公彦氏選 第1席)

 

 朝日歌壇の入選歌は、投稿の約1か月後に掲載されるので、自分の作品であっても詠んだときの記憶が薄れ、客観的に向き合うことになる。

 今回の歌は、結句の「主権者ぞ我」を見て、あっそうか!と納得した。自分の歌なのに。

 辺野古の海を民意を聞かずに代執行によって埋め立て、パーティー券の売り上げはキックバックで懐に入れ、殺傷兵器の輸出を解禁し、政府はやりたい放題である。

 この国はどうなっているのか、と思うが、国の行方を決める主権者はわたしたち国民であり、わたしもそのひとりである。

 こんな政府を選んだのは、わたしたち国民である。

 わたしたち国民は、そして、そのひとりであるわたしは、一体何をしているのだろう。

 

 わたしは、自意識過剰である。

 わたしの力で国がよくなるはずはないのに、わたしが何とかしなければならない、と思ってしまう。

 ロシアやイスラエルの戦争を終わらせるにはどうしたらよいか、いつも考えている。

 わたしが考えたところで、終わらせられる力はないのに。

 

 こんな素敵な国の主権者のひとりとして、何もできない自分自身を詠んだのが、この歌である。

 ヘタな歌であり、わたしらしい歌である。

 

 それにしても、支持率16%でも内閣が政権を維持できるのはなぜだろう。

 主権者のせい?