歩く土偶 | 寿建設 社長ブログ

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福島県福島市にある建設会社です。
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日々の仕事や取り組みの中での
エピソードや思うことを綴ります。

福島市では最近縄文関係のイベントが頻繁行われており、私もわずかながら関わっているので、時々顔を出させていただいている。

先日もトークイベントがあって足を運んだのだが、そこで大変に興味深い話を聞いた。

 

登壇した遺跡調査の専門家(知人)は、縄文時代に作られた直立した姿の土偶の中に、足底が平らなのにきちんと立たない土偶があることに疑問を持っていたそうだ。

粘土を焼く際に縮むことを考慮しても、そのゆがみは大きすぎるという印象があったという。

ある時、別の専門家の方とこんな言葉のやりとりで衝撃を覚えたそうだ。

 

「この土偶、ねじれてますよね。なぜなんでしょうね~。」

「歩いてるんじゃない?」

「えっ!?」

「西ノ前(山形県舟形町出土の国宝土偶)のも歩いていると思うよ」

「マジですか!?」

 

数千年前の縄文時代に暮らした人たちがいったいどんな考えを持っていたかは推測するしかないのだろうが、土偶が「歩いている姿を表現している」という見解はかなり意外だったそうだ。

こちらがトークの時のスライド。

 

そして同席していたもう一人の専門家(やはり知人)が、それを証明するような画像を作っていて見せてくれたのだ。

その土偶の写真を左右反転したものと、交互に見せる動画である。

 

 

確かに歩いている!

 

静止しているイメージの強い土偶が動きを表している、という説はとても意外性があってワクワクするし、動画を見たことで腑にも落ちた。

数千年前の人の気持ちが届いた気持ちにもなった。

 

今回のトークイベントの会場のあった、福島市の宮畑遺跡にある謎をテーマに自由な発想で小説を書いてもらうという企画をして、優秀な作品をまとめて本にしたことがある。

あの面白さを思い出した。

縄文4000年の謎に挑む | 寿建設 社長ブログ (ameblo.jp)