一昨日、日曜日の日本経済新聞1面のトップ記事。
私自身が十分過ぎるほど認識している社会問題を大きく取り上げている。
記事の右のグラフにある通り、トンネルや橋、下水道などの土木構造物がどんどん老朽化していく。時間は戻らないので、これはひたすら進行していくばかりである。
あと10年もすると建設後50年を超えるものが6割以上にも達するのだ。
この問題が注目されるようになったのは、9人もの命が犠牲となった2012年の道笹子トンネル天井板落下事故である。
この事故を受けて社会資本整備審議会 道路分科会という組織より「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」を出され、そのタイトルはずばりこうだ。
最後の警告-今すぐ本格的なメンテナンスに舵を切れ
そして本文には痛烈にこう書かれている。
我々は再度、より厳しい言い方で申し上げたい。「今すぐ本格的なメンテナンスに舵を切らなければ、近い将来、橋梁の崩落など人命や社会システムに関わる致命的な事態を招くであろう」と。
※以下参照
https://www.mlit.go.jp/common/001036081.pdf
道路法改正により橋梁・トンネル等の道路施設の構造物を5年に一度点検することが定められ、措置すべき問題点は解決していくというサイクルが始まったところだが、実際施工側にいる身としてはまだスムーズに回っているとは思えない。
記事の中で大学教授が「施設が劣化するスピードと修繕が追いついていない。インフラメンテナンスが崩壊する可能性がある」と語っているが、現状から突き詰めて想像していくと決して安易な発言ではないと感じる。
人材確保や技術革新も含めて、社会問題としてより効果的な解決方法を進めていく必要があると考えている。
今回のこのトップ記事がそのきっかけになればと願う。