ドリームハラスメント | 寿建設 社長ブログ

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新聞記事で「ドリームハラスメント」という言葉を初めて知った。

「夢を持て」という価値観を押し付けるハラスメント(嫌がらせ)なのだそうだ。

まだ手にとってはいないがまさにそのタイトルの本が2020年に出て話題になったようで、その副題が『「夢」で若者を追い詰める大人たち』とある。

 

振り返ってみると私も子供の頃から「夢に向かってあきらめずにがんばって叶える人生こそすばらしい」というような考えを、教科書で、メディアで、ヒット曲の歌詞で、とずっと習ってきたように思う。

自分自身はそのことに対し否定的な考えを特に持ったことはないが、今はそうした考え方が若い人を苦しめているようだ。

何でもかんでもハラスメント化することには疑問を持っているのだが、この価値観はいかにも正しそうなので否定するのが難しく実は大きな問題をはらんでいるように私も思った。

 

高度経済成長期やバブル経済時代を知っている世代には大きな夢を持つことが相応しかったかもしれないが、この20年くらいはずっと景気が低迷し東日本大震災以降は大規模な自然災害が続発しさらにはこのコロナ禍、と若い世代はむしろ堅実に生きていくことを強いられてきたのだ、という話を聞いたことがある。

だから現実的ではない大きな夢を持つことが理想ではなくても全然おかしくはないと思う。

人口も経済もどんどん増大していた時代とは考え方は変わっていくのだろう。

 

かの渋沢栄一さんは「夢七訓」として有名なこんな言葉を残している。

 

夢なき者は理想なし

理想なき者は信念なし

信念なき者は計画なし

計画なき者は実行なし

実行なき者は成果なし

成果なき者は幸福なし

ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず

 

いい言葉だと思うが、これぞ「ドリームハラスメント」なのだろうか。