今月の始めに知人に勧められて買った本、「直す現場」。
小説などと違って一気に読むような本ではないので、計42の「直す現場」の紹介文を1日2、3づつ読んで読み終えた。
先に書いた通り、とっても面白かった。それこそ一気に読んでしまいそうになったが、一つ一つの仕事内容をしっかり噛みしめようと思って他の本と並行して少しづつ読み進めたのだ。
改めて、どんな仕事においても「直す」作業は非常に重要だということを知った。
つい「おまけ的」に考えてしまい、とりあえず安く済めばそれでいいと思いがちだが、いかに丁寧に原因を探し、しっかりと直すことが重要なのかがよく分かる。
本で紹介されている「直す」作業をしている方々を著者は「直し人」と表記しているが、ほとんどの直し人さんが早めに、そして安く応急的ではなくお金が多少かかっても根本的に直すべきというようなことを語っている。
そしてそこには対象によってさまざまな技術やテクニックがあり、そのあたりがこの本の何より面白いのところだ。
たとえば衣服のメンテナンスともいえるクリーニング店主さんの一文。
大型ドライクリーニング機など各種機械が並ぶ向こうには明るい庭があった。物干しロープがたくさん張られている。
「ここで天日で干すべき洗濯物もあるんです。太陽で乾かしたものは柔らかく仕上がるし、生地をいためない。しかし、こういう天日の物干しをもっている洗濯屋は今は多くありません」
こんなふうにそれぞれの「直す現場」ではいろんな技が使われているのだ。
直す「工事」に関わっている人間として、共感できることが多かった。
自分たちの仕事を知ってもらおうとするだけでなく、他の職種を知ろうとすることも結果自分たちのやっている仕事の意義を振り返りになるのであることが分かった。
※私としては珍しく付箋をたくさん貼って読んだ。
前回も書いたが、これから公共工事は本格的に「直す」時代に入っていく。そこに関わる方に広く読んでいただき、「直す」ということの本質を理解いただきたいとつくづく思った。
やはり答えは現場にある。