「姉妹企業」という関係を結んでいる新潟県胎内市の株式会社小野組さん
↓↓以下参照
https://blue.ap.teacup.com/kotobuki/204.html
とは、なにかと交流をさせていただいている。
その小野組の小野貴史社長が、このたび本を出版したのである。
いつも全国のみならず国境を越えてまでも動き回る小野社長がコロナ禍で行動を制限され、その間に執筆したと聞いていた本である。
購入したのとご本人から贈呈いただいたのと2冊が届いたので、早速片方を(当たり前だが)読んでみた。
ページをめくると、出だしの文で挑戦状を突き付けられた気分になった。
「社長の仕事」は、究極的に言うと、「目的・目標を定め共有し、その目的・目標に適う人事をおこない、業績の責任を取ること」に尽きます。
そして
「この稿を書いた動機は何ですか?社長」と出版社の方や社員に尋ねられた時、はたと気づいたのです。それは、社長として「この2点をちゃんと理解しマネジメントできているだろうか」という葛藤に対し、自問自答するために寄稿し始めたのだということを。
と続く。
いきなり衝撃をぶつけられ、「自分は全然出来てない!」という自覚を持って読み始めたところ、そのまま最後まで止まらずに読み切った。
私は社長という立場でこのブログを書いているが、どこか思い切った発言は控えているところがある。自分では絶対そうだと思っている考えや批判的意見も、このネット社会においてどこでどう歪んだ伝わり方をするかもしれないという不安(常に意識しているわけではないが)を持っているからだと思う。
この本における小野社長は、そういった遠慮、いや臆病な姿勢とは真逆ではっきりを意見を書いている。攻めているのだ。
たとえば冒頭で
私にとって看過できない問題は「働き方改革」です。これは一見、社員の労働環境改善につながるようですが、多くの問題を孕んでます。
と言い切っている。国の関係の工事を多数請けている会社の社長が、実は多くの経営者が感じているだろう国の施策に対する問題をはっきり指摘しているのだ。
この姿勢にまずは驚いた。すごいと思った。
そして日本という国における人や組織のあり方の経緯を紐解き、さまざまな視点から課題を見つめ直し、その中で自身の考えを定め行動する様子が思いのこもった文章で綴られている。もしかすると確固たる自信まではない部分もあるかもしれないが、それでもリーダーとして肝を据えているように感じた。
いろんな意見があると思うが、言うなれば「潔さ」を伴った小野社長の行動は、地方における企業のあり方の一つの「答え」になっていると思う。
どんな崇高な理念や考えも、そこに行動が伴わなければ何にもならないと私も思っているが、この本の小野社長のような「潔さ」が私に持ち得ていないと思った。まだまだ邪念だらけである。
初めてお会いした頃から、小野社長は会話の中で「志」という言葉をよく使われるのが印象的で本の中にも多数見られたが、その理由も読んでいく中でよく理解出来た気がする。そしてこの「志」があるからこその「潔さ」なのだとも思った。
建設業に限らず組織を動かしていくということについて、立場関係なく読んでほしいと思う本であった。
これからの未来を変えていくのは「手段」だけではなく、心の持ちようが大事だと確信できる。
いやーすごい。正直びっくりしました。
出版社(山崎エリナさんの写真集を出された会社です)の本書紹介サイトは以下。