以前いただいた東日本建設業保証さんのウチワにプリントされた浮世絵風の絵をよく見たら橋の絵であった。
右上に「諸国各橋奇覧」とある。
娘が「葛飾北斎の絵みたいだね」というので「そんな訳ないでしょ」と答え、すぐに検索すると、なんと本当に葛飾北斎であった。
有名な「富嶽三十六景」などのシリーズと同時期に同じ版元から出版された、各地の橋梁を主題としたシリーズで現存が確認されているのは11図だという。
その中の1つ「かめゐど天神たいこばし」。すごい構造だ。
こちらで作品を見ることが出来、レプリカ(?)を購入できる(他の会社さんもある)。
https://www.adachi-hanga.com/ukiyo-e/category/321
当時の橋にもいろいろな構造パターンがあることが分かって非常に興味深い。
絵としても大変魅力的なので全部ほしいくらいである。
それなりに各方面にアンテナを張り巡らせてきたつもりだが、これは初めて知った。
「富嶽三十六景」は好きで以前は図録も持っていたのにこちらの存在は気づかなかったのがなんだか悔しい。
トンネルは日本で本格的に建設が始まるのは明治以降なので
https://ameblo.jp/kotobuki5430511/entry-12622139233.html
このような絵はない。(一応検索してみたがなかった)
トンネルの絵で思い出すのは、福島と山形をむすんだ「栗子隧道」。
明治初期の建設を推進した初代山形県令となった三島通庸は、洋画家の高橋由一に依頼して描いてもらっていたのである。
この栗子隧道の絵
を含んだ「鑿道八景」
http://www.city.nasushiobara.lg.jp/44/001707.html
という作品群と、関連資料を収めた「高橋由一と三島通庸」という資料を私は持っている。
10年以上前に入手したのだが、今思えばかなり貴重である。
土木の仕事を「絵」という視点で集めてみるのも面白いかもしれない。