17年前 | 寿建設 社長ブログ

寿建設 社長ブログ

福島県福島市にある建設会社です。
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エピソードや思うことを綴ります。

過日、次男の誕生日であった。17歳だそうである。子供の年齢が積み重なるにつれ、自分もどんどん老いていく気持ちになる。

彼は私の身長を遥か超えて、すでに180センチある。

 

次男が誕生して二日目、夜に会合があってお酒飲んだのだ。

当時は今よりずっと量を飲んでいたので相当酔って、日付の変わる頃にタクシーで当時住んでいたアパートに戻った。長男は実家に預けており、家には誰もいない。

玄関を開けようとポケットを探ると鍵がない。記憶をたどると、車の鍵ごと社員に渡したままだったのを思い出した。

こんな時、普通は「どうしよう」と困るはずだが、その瞬間「いや~面白くなったぞ~」とワクワクしたのを今でもはっきり覚えている。

 

20代前半に長く放浪暮らしをしていたせいか、

旅のトラブルみたいな状態を面白がる習性があって、しかも酔いもあってなんだか嬉しくなっちゃうのだ(最近はそんなことはない)。

しかも仕事をするようになってすっかりそういう意外な旅とご無沙汰していたから、「プチ旅」を味わえる気になったのだと思う。

さーて、どうするか。このトラブルをどう面白い結果に導くか、かつて旅のプロ(?)であった私はにやにや深夜のアパートの玄関に立ったのであった。

 

まずは近くのコンビニに行き、暖かい飲み物を飲んで落ち着く。そして考える。

みんな寝静まった実家に行く・・・、だがこれはいかにもつまらない結論であり、最終手段。

一緒に飲んでいた友人に世話になる・・・、これも面白みはない。

そこで浮かぶのは・・・赤ん坊のいる病院!これだ!これしかない!

 

3キロくらいあったのだけど、旅人は当然歩いた。1月だったから寒かったことだろう。

そして出産したばかりの妻と赤ん坊が眠る病院にたどり着き、夜間入り口にあるインターフォンをピンポーン。

眠そうな声の当直女性が「どちらさま?」。

「森崎の父親ですが」というように名乗った後、「赤ちゃんに会いたくて来てしまいました・・・」。

 

当直女性はしょうがなく鍵を開けて下さり、私は妻の部屋に入りました。

妻に「キャッ!」と結構大きな声で驚かれたが、酒臭い私は無事部屋のソファで寝ることができたのである。

 

17年前の、思い返すとひどい話である。