50勝49敗 | 寿建設 社長ブログ

寿建設 社長ブログ

福島県福島市にある建設会社です。
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昨夜、会社設立50周年 の記念式典を開催した。


本来であればこれまでお世話になった大勢の方々を全員招待して開催すべきであるが、お世話になった方があまりにも多すぎて選ぶことが出来ず、悩みに悩んだ結果、社員とOBのみなさんと、ごくごく内輪での開催とした。
それでも100名の宴となった。


お越しいただいた方に3つの記念品をお渡しさせていただいた。
それを1つづつ紹介したい。


まずは、先代社長である、父・森崎俊紘(現監査役)の自伝である。

タイトルは「50勝49敗」。

発行にあたり、前段のまえがきにこう書いた。


平成28年3月17日、弊社は創立50周年を迎えた。


九州大分県に実家を構えながらも、大成建設の主要トンネル専門工事業者として全国の工事に参画し、昭和30年代後半に現在の東栗子トンネルの建設工事に参加したことで、福島県福島市に縁を持った祖父・森崎鼎が、父・森崎俊紘と共にさまざまな思いが交錯する中で決断し、「長生きできるよう」にという意味で「寿」と名付けた弊社が、半世紀という記念すべき通過点を超すことが出来たことは感無量である。


「トンネル屋」として大手ゼネコンの専門工事業者として出発した会社が、やがて地元で直接官庁工事を受注するようになり、設立50年目には国土交通省の工事成績優秀企業という地場の建設会社としてはもっとも高い評価を2年連続受けるまでに至るとは誰が予想したことであろうか。


この通過点で何をすべきか考えた。
その結果、さまざまな挑戦と失敗を経て一歩一歩成長して来た弊社の歴史を、次の50年に向けてきちんと引き継ぐことをもっとも大事にすべきという結論に達した。

本来は福島に留まるつもりのなかった祖父を説得して当社の設立をし、ここまで当社を育ててきた父・森崎俊紘(現監査役)にお願いし、これまでの歴史を包み隠さず書いていただくお願いをした。几帳面で、過去の手帳をすべて保管している父は、約2ヶ月で最初の原稿を書き切った。


現在の役員全員でまずは目を通したが、今まで聞いていたものの、系統立てていなかった当社の歴史が、実に「面白く」描かれていた。本人も記している通り、まさに猪突猛進の50年である。


ただし、だ。現在もお付き合いのある顧客企業や地元の会社さんとの、実直に筋を通すがためにいくらかの軋轢や事件(?)が一方的な主観で書かれていたり、また現在世の中からすると真意を誤解される可能性があったり首を傾げたくなるような出来事もあったり、という部分が気になる。
これらをすべて事実確認する必要があるのかとか、現在の価値観で読むと企業倫理に疑問を持たれてしまう可能性のある表現がなきにしもあらず、という危惧もあった。

しかし、事実を確認出来ない記述や、問題発言を削除してしまうと、今度は全然面白くない。


これでは50年に歴史を引き継ぐには、趣旨に反してしまう。そこで本書は、森崎俊紘が自分の生誕から寿建設50周年までを、やや危うい記憶を辿りつつ書いた「自伝」として発行することにした。

現役トライアスリートとして今も活動的な父であるが、齢七十三歳である。さすがにいろいろな記憶に霞がかかり、時系列の前後や、事実と異なることがあるかもしれない。
もしかすると「これは事実と違う」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれないが、趣意をご理解いただいてご了解をお願いしたい。


九州のトンネル屋が福島に居を構えて50年。その記念として、失敗と成功の数の差がわずか1勝という自伝を、楽しんでいただければ幸いです。


編集、校正にかなり時間を費やしたが、いい仕上がりとなったと自負している。
次の50年に向け会社の歴史をしっかり残せたこと、そしてその歴史で一緒にがんばっていただいたみなさんや、現役社員のみなさんの手に渡すことが出来たこと、大きな意義があったと思っている。