トイレ | 寿建設 社長ブログ

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福島県福島市にある建設会社です。
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向田邦子さんの「女の人差し指」(文春文庫)というエッセイ集を読む。



35年前の飛行機事故で51歳という若さでご逝去された向田さんのが幼少頃や、お仕事で活躍させていた頃の話なので、半世紀前後前の話である。


子供の頃の思い出を綴られた「香水」という題の文章に、「汲取屋」が登場する。
当時の日本のトイレはほとんどが汲み取り式で、定期的に「汲取屋」さんが収集に来たのである。
「汲取券」という記述があった。
この汲取券による制度が現在も残っている自治体もある。
http://www.city.ena.lg.jp/kurashi/support/environment/sinyou/shinyou/


半世紀を経て、日本のトイレ事情はすっかり変わった。
今や、入ると勝手にフタが開き、ノズルが出てきて洗ってくれて、立ち上がると自動で汚物を流す。
汚物はほぼ目に触れることなく下水道を通して去ってしまうのだ。


だからかつて一つ屋根の下で汚物と一緒に生活していた(こう書くとちょっと変だが)なんて、現代の若い方には信じられないのではないか。


私はトイレの文化に大変興味があって、トイレに関する本をたくさん持っている。
我が家のトイレにはそれらの本がずらりと並んでいる。




食べ物に関する本や情報はたくさんあってよく目にするが、同じだけとは言わないまでも、少しは出すことに関する情報にも目を通すべきだ、というのが持論。


トイレという人間社会にとって不可欠な設備に対し、時代や地域によってありとあらゆる知恵や考え方があって実に面白いのだ。