歴史を語ってみる | ことぶき・ちゃちゃちゃ

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難治性てんかんドラベ症候群(乳児重症ミオクロニーてんかん)と闘う娘のことぶき。
顔だけで結婚を決めたイケメン(だった)B型の旦那さん。
私は普通の主婦です。
家族みんなで頑張っている闘病日記です。

今日は、今まで黙っていたことを記事にします。

いま、全国の病院で行われていますブコラム治験は

治験になるまでに、本当に色んなことがありました。

ブコラム承認のため署名活動の話を始めたとき

今のドラベ症候群患者家族会は、まだ存在していませんでした。

別の家族会に所属していた仲間で、この話が始まったのです。

メンバーみんなの気持ちは1つ。

『重積で苦しむドラベ症候群の子どもたちの命を守りたい』

ただそれだけの気持ちしかなかったのです。

同じ病気の親なら分かってくれる!

私たちはみんなそう信じて疑わず、ブコラムに向けてただひたすら走っていました。

未承認薬の承認要望って、1人の天才がいても出来ないことで

気持ちがバラバラだったら.1億人いても出来ない。

本当に難しくて、本当に大変なことで

でも、頭の良い人たちは持ってる力を出しきって

そうでない私も、必死で勉強したのは

ドラベ症候群の子どもたちを守りたい!という気持ちのみでした。

そしてやっと家族会でお願い出来る状態まで仕上げて

その時にはもう本当に、期限もギリギリの状況で急いでたこともあり

全く知らない人たちには何の話??と驚かせたかも知れないけど

ドラベ症候群の子どもの命を守るためだから、きっと分かってもらえる、と思っていました。

でも同じ病気でも違う気持ちの人がいることを、この時に知ります。

家族会で勝手に何してるんだ、と批判されました。

規約も何もない会だったこと。

役員は毎年交代の○○係状態だったこと。

充分な準備なしでは、告知すら出来なかったこと。

そして、このタイミングを逃すと、次のチャンスがあるかないか分からないこと。

ギリギリの状態で、ギリギリの状況の中、私たちも会員の方に必死に謝罪と説明をくりかえしました。

『わかりました、一緒にやりましょう』

と、おっしゃってくれる会員がほとんどでしたが

中にはよく思ってない方もいらっしゃったと思います。

ですが、皆さん『ドラベ症候群の子どもたちのために』我慢してくださってたと、今では思います。

影で悪口を言われていたことも、耳に入りますが

感情だけで子どもの命は守れませんので、それはスルー出来ました。

ところが、ブコラム活動を批判して、邪魔する方もいました。

ブコラム署名やめましたーー。皆さんも無理なさらずーー。と、会員に向けてのアピール。

各会員に署名なんてやめなよ、と連絡していたり

家族会からブコラムチームを退会させようとの動きもありました。

要望書提出直前には、家族会では要望書を出すのは反対。個人で出したらいかがですか、と

待ったをかけられました。

『子どもの命を守るためなら何をしても良いのか』とも言われました。

ブコラム活動は、ただ署名を集めるだけのような、生半可な活動ではなく

医療関係者や各団体の協力も欠かせないことで、仕事は次から次へと増えていました。

もちろん、かかったお金も万単位でみんな自腹です

当時妊娠中のメンバーもいたし

まだ小さいドラベ症候群の子どもを持つ親が、行っていました。

マイナスの気持ちを、思いっきりぶつけられ

心身ともに全員が疲れ、 仲間の中でも喧嘩がありました。

こんなことで、止まってる場合じゃない。

何度謝れば…どう説明すれば、分かってもらえるんだろう。

もしかして家族会の会員は、みんな同じ意見なの??

でも、そんな揉め事の中でも

ドラベ症候群の子どもがいるから当たり前のように

重積発作で入院、発熱で群発からの救急搬送、また発作、発作、そして発作。

いつどうなるか分からない子どもを前に、常に最善の方法を考えては対応して

家のこと、兄弟児のことを放ったらかして

ブコラムに取り組んできてる毎日。

他の親が子どもに絵本を読んであげたり、手作りのおやつを食べさせてあげたり、子どもと向き合ってる時間を

ブコラム活動に向けてるみんなの気持ちを考えると

もう気が狂いそうになりました。

ブコラム活動が気に入らないのは仕方ないけど、せめて邪魔をしないで欲しかった。

きっと、こういう方はどんな手を使っても邪魔をしようとしてくるだろう。

批判や文句を言う方は、代案を出さないのがお決まりで

こちらからお願いしても案を出しても、返事もなくスルーされる日々。

でも、ブコラムに関しては失敗は出来ないのです。

絶対に失敗出来ない。

だって、今もなお闘ってる仲間がいて

重積発作で脳症になったり、亡くなるドラベ児がいる。

そして間違いなく、生まれてきているドラベの子どもがいる。

ブコラムを早く日本に!!

絶対に失敗出来ない。

そしてDSJの前会長が

新しく、現在のドラベ症候群患者家族会を立ち上げました。

色々ありましたが、所属していた家族会の会員のほとんどが賛成・応援してくださっていたので、家族会の名前は外さず

また、ドラベ症候群患者家族会としても、要望書を提出することが出来ました。

17万人もの署名が集まり、出すタイミングも、色んな方からのアドバイスをもらい、決まりました。

口腔内投与ミダゾラム(通称ブコラム)日本早期承認活動プロジェクトチーム。

本当に色々ありました。

ブコラムは、今の治験の段階でも

下の世代のドラベ家族の中でも、色んなことがあるようで

でも、みんなが必要性を感じていて、それを訴えてくれて

どうにも出来ないもどかしさを感じていて

ブコラム活動ってそれぞれの世代に歴史や思いを作るなと思います。

問題が起きたとき、面倒なことから、その場から逃げるのは簡単、目を背けることも簡単です。

真剣に子どもの命を考え、逃げたりしないからこその葛藤なのです。

私の子どもはおそらく、日本で初めてのブコラム有効治験者のはずで

参加出来たことに良かったと思っています。

あれだけ大変な思いをして治験までたどり着いたブコラムが

日本に1歩近づいたことにも嬉しいです。

どうかこの活動が

ドラベ症候群の子どもの命を救える現実なものになりますように。

一番必要性があるはずの0歳児の治験データがありません。

そして、10歳以上。

10歳以上は、睡眠時に移行してる年齢が多く、時間的な問題があり治験は厳しいかも知れません。

ドラベ症候群に限らず、ブコラム治験には参加出来ますので

他の疾患の方で、該当者の方がいましたら

ご検討くださいますよう、よろしくお願い致します。

4年前

子どもたちの命を守るために、ブコラムチームがみんな泣きながら、睡眠を削りながら闘って

やっとここまで、きました。

署名活動では、有名な小児神経の先生方からも、たくさんの署名用紙が届きました。

縁が切れた方も、縁が強くなった方もいて

人間の優しさと強さを感じました。

前にも記事にしましたが、治験をしないことは、悪ではありません。

治験をしたから、偉い訳でもありません。

ただ、これから先、ブコラムが何度か必要になる可能性があるはずの

0歳児の保護者の方に、今しっかり病気と向き合わないことで

後悔するようなことがないようにして頂きたいと

心から願っています。

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