赤ちゃんから幼児期は、月に何度も救急車に乗っていました。
病院からは『発作になったらダイアップ』と言われていましたが
小さいドラベ児の勢いの強い発作には、ダイアップなど何の役にも立たなかったです。
そう感じてるのは私だけじゃなくて、仲間もみんな口を揃えて言います。
ドクターもみんな分かっています。
ドラベ症候群の発熱での発作なんて、ダイアップじゃどうにもならないこと。
でも、搬送される前に私たちが出来ることは『ダイアップを入れること』しかないのが、現状です。
どんどん意識が遠くなり、チアノーゼのまま、苦しんでいる我が子を、ただ見てるしか出来なくて
救急車が中々出発しなくて
『死んじゃう!早く運んで!』と、泣き叫んでいたあの頃を思い出します。
重積発作から、脳症になって、後遺症が残ってしまったり、お空に帰ってしまった仲間を何人も見送りました。
そんな中、発作が重積するからと病院から、ドルミカム鼻注を持たせてもらえているドラベの子の話を聞きました。
もちろん、私も地元病院にも静岡てんかんセンターにも聞きましたが
どちらの病院も持たせてくれません。
それが決まりだからです
同じドラベ症候群で、同じように重積するのに、この命の差はなんだろう、と思いました。
ことぶきは、病院までの時間は救急車がスムーズに来たとして15分。
しかも、当番制ではないので、その病院に運ばれることがほぼ確定しています 。
でも、田舎とか病院が少ない地域のドラベの子どもたちは??
救急車が来るまで時間がかかるから、車に乗せて、途中の道で救急車と落ち合う、というドラベの子もいました。
去年のDFKの講演では、発作が重積すると、脳の薬が結び付く受容体が細胞の中に沈みこんでしまうから、薬が効かなくなる、と教えて頂きました。
だから、処置の時に身体に入れる薬の量がどんどん増えるし、その分脳へのダメージも大きくなる。
早く止めてあげるのが大事なんです。
救急搬送で運ばれた時に病院で使っている薬が、ミダフレッサ。
中身はドルミカム(ミダゾラム)です。
ドルミカムは元々、麻酔薬だったのですが、痙攣を止める作用があるから使っていました。
そして承認してもらうために、治験として行い(←やってることは同じ)
現在のミダフレッサがあるわけです。
難しい話ですが
『この薬はそんなことで使う薬と違うけど、良く効くんだよねーー』→『えーーそーなの??やってみよ、ほんまや!』→『それ聞いた!マジで効くでーー』→『じゃあ、これをきちんとこの為に使いますって証明しよーぜ』→治験
という感じです。
ミダフレッサは、ルート取ってそこから流すのですが
静岡では鼻注から使っていました。
小さい赤ちゃんや幼児は、ルートを取ることに時間がかかります。
早く薬を入れないと、効く薬も効かなくなることを知ってるから
入院していても、先に粘膜から入れるのです。
鼻水が詰まっていたりすると効かないので、処置室では鼻を吸引してから使用しています。
ブコラムの中身はミダフレッサ(ドルミカム)です。
家庭でも、医療者じゃなくても使えるように、口腔内投与の形にしたのが、ブコラム。
とにかく、早く発作を止めることが大事なドラベ症候群。
私たちは4年前の今頃、ドラベ症候群の子供たちの命を守りたくて、この活動をしてきました。
手に入る頃には、自分たちの子供には、きっとそんなに必要じゃなくなってるかも知れない。
それでも、小学生になっても重積で脳症になるお子さんがいるのも現状です。
ドラベ症候群の重積発作が、命だったり、後遺症だったり、発達に影響することを
誰よりも知ってるドクター達は、ブコラムの承認を望んでくれています。
治験をしないからといって、悪ではありません。
ただ、ブコラム治験に参加することで、1回はブコラムを手もとに持って帰れる。
次の発作が重積だったら、自分の手で早く発作を止めてあげられるんです。
これは、数年前の私たちが喉から手が出るほど、望んでいたことであるという事を
どうしても知って欲しいと思います。
0歳1歳児の、まだドラベ症候群と診断されて、受け入れきれていない保護者の方には
重たい話に感じますが
皆さんが『治験』という言葉に拒否反応してしまい、後悔しないように
どうか、皆さんのお子さんの将来、そして未来のドラベ児たちのためにも
出来るだけこのドラベ症候群という病気と、向き合って欲しいと願っています。

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