の続きです。
[新しい職場に移った
Aさんの場合]
Aさんは転職しました。
新しい仕事には熱心に取り組んでいます。
新しい職場には2人の先輩がいます。
B先輩とC先輩です。
Aさんも含めた、3人を束ねる上司は
D所長。
普段、Aさんは
B先輩とC先輩に仕事を教わっています。
ところが。
B先輩とC先輩では、
教える内容に違いがあって
B先輩は「αという仕事を先にやれ」と言い、
C先輩は「αは後回しにしてβを覚えろ」と教えます。
現場にD所長は時々しか顔を出しません。
ある日、D所長が現場に来て、
3人全員がいる場で
「何か問題はありますか?」
と質問しました。
この場合Aさんは、
誰に
何を
どのように
伝えればよいでしょうか?
[こたえ]
結論から言えば、
固定した答えはありません。
人間関係の話ですから、
人が違えば、タイミングが違えば
正解は変わってきます。
そもそも
人間関係で答えあわせをすることなど
できないものです。
ただし
このAさんの例に限らず、
人間関係の中で何か出来事が起きて
何らかの感想
(混乱した、困った、不安になったetc..)
を抱いた場合、
その感想を誰かに述べたいのであれば
自由に述べればいい
ということは覚えておきたいものです。
[「感想を述べる」と
「文句を言う」は別物である]
この手の話をするとたいてい、
「新人なのだから
先輩に文句を言わず素直に従うべきだ」
といった意見が出るのですが、
この時点で、
で述べた
①辞書的意味(客観的意味)
と
②主観的意味
の区別が付かなくなっていることに
気付く必要があります。
[「感じたことを伝える」
ことから始まる]
私たちは自由ですから、
何を感じたか
どう感じたか
を、
誰に
どのように伝えるか。
これを自分で選ぶ権利を持っています。
伝えたくなければ、
伝えない
という選択肢も持っています。
ただ、
「私は○○と感じました」
と誰かに伝えることではじめて、
あなたという人は表現されます。
あなたが
どのような価値観をもつ
どんな魅力にあふれた人なのか
ということは、この
「私は○○と感じました」
と表現することによってのみ、
他の人に伝わるのです。
私たちはずいぶん忙しくなってしまったので、
普段の生活や人間関係の中で
立ち止まって、
このようなことを考えたり
誰かに聞いてもらったり
混乱した気持ちを整理したり
そういう時間を、
ほとんど取らずに暮らしています。
つまり、
「私は○○と感じました」
と自分の感想を表現する場も、
それによって
あなたがどのような人かを表現する場も
ままならないままに、
日々やらなければならないことに追われている。
と
気付き、自覚する時期に来ているのです。
[まとめ]
ずいぶん長い記事になりました。
お付き合いいただきありがとうございます。
伝えたいことはひとつです。
「私は○○と感じました」
って、
どんどん
伝えていきましょうよ。
もちろん、伝えたくなければ
伝えなければよいのです。
ただ、
思ってるのに、言えない(言わない)
言いたいのに、言えない(言わない)
という状態がどんな場面でも続いているのなら、
何か一つ、どれからでも良いので
誰かに、
伝えてみてはいかがでしょうか。
また、
「私は○○と感じました」
と伝えるためには、
「私」が「どう感じるのか」を
知っている必要があります。
そしてそれを、
言葉で伝える必要があります。
この二つの工程に
慣れる必要がある方も
相当数いらっしゃるはずです。
そして、
「私は○○と感じました」
と、
はっきりと自分を伝えている。
そんなあなたを見て
「文句ばかり言う」
「何も分かってないくせに」
「口より先に手を動かせ」
などと言って耳を貸さず、
あなたという人が
どんなに魅力的か
には興味すらない
と本気で考えている方に、
進んで費やす時間はどうやらなさそうです。
もちろん人間同士ですから、
伝え方
に気を配る場合だってあるでしょう。
ただ、
伝え方に気を配ること
と
本音を隠す
ことも、これまた別物ですから、
相手へのリスペクトさえ忘れなければ、
本当に伝えたいことは
案外あっけなく伝わるはずです。
ただ、、、
それでも伝わらない場合もあります。
これは、
何をどうやっても、
なかなか伝わらない現実
を、
自分自身が欲している場合です。
これについてはまた改めて書きますが、
そうそう上手くいってはいけない
というリミットを自分に課している
というケースも多々ありますので、
「もしかして自分かも」
と思う方は、
ぜひその時に読んでみてください。
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