「不老長寿メソッド」(鈴木祐)
生命の危機に直面すると、それを克服しようと肉体も精神も強くなる。苦痛に耐え、ストレスに打ち勝って、人は成長する。
これまでも、読んだり聞いたりしたことがある話だ。本書はこの心身強化システム「ホルミシス」にフォーカスし、様々な事象・事例を用いて若返りの仕組みを解き、効果的な手法を解説している。
鈴木祐さんのこの本も、網羅性、わかりやすさ、面白さ、説得力、など、満足度の高い一冊だ。
バイデン氏やトランプ氏が80才を過ぎてあんなに元気なのは、結局のところ、日々猛烈なストレスと闘っているからではないだろうか。
この本を読む前から思っていたことではあるが、できる限り長く現役で、適度に新しいことに挑戦したり、あえていろんなストレスと格闘したりして、肉体的にも、精神的にも、脳機能的にも、頑強な状態で人生を満喫したいな、と改めて思っている。
以下、備忘
若返りのテクニックに共通する原則
1.苦痛 心と体へ意図的にダメージを与える
2.回復 心身が受けたダメージを徹底的に癒やす
3.往復 苦痛と回復を繰り返す
・人の体には「ホルミシス」という心身の若返りシステムが存在し、普段は使われずに眠っている
・心身の強化システムは、「苦痛」と「回復」の刺激で働きだす
・強化システムが働くと、以前より若くなる
ホルミシス
ポイント・・・多すぎれば有害だが、少なければ有益に働く作用
事例
・運動
なぜ体を動かすと健康になるのか(動脈硬化が減る、癌発症率が下がる等)、実は明確にわかっていないが、現時点でもっとも有効な考え方が「ホルミシス」
・ワクチン
毒性の弱い病原体や抗原を体内に送り込み、もともと持っている防御システムを活性化させる
・サウナ
体の深部の温度が上がり、心拍数が上がり(軽いジョギングと同程度に)、心臓や血管が改善
・ポリフェノール
植物が進化の過程で備えた「毒物」、体に小さなダメージを与え、ダメージを修復するプロセスで肉体が若返る
・断食
プチ生命危機状態(擬似生命危機状態)
・ネガティブ体験
心的外傷後成長という現象をもたらす(苦境をくぐりぬけた人は回復力を手に入れる)、人生の逆境が成長につながるのは間違いない話
「苦痛」が若返りシステムを起動させ、
「回復」が若返りシステムを実行させる
『ハードに訓練せよ、それ以上にハードに休憩せよ』(アスリートの世界の格言)
天才ほど、よく休む。
効果的な休憩は「攻め」の姿勢で。
やることがないから、暇だから、の受け身ではなく、意図的に、計画的に、ちゃんと、休む。ポイントはコントロール感。
ex)ポモドーロテクニック(25分集中し5分休む)
生存の危機がないと、ヒトの肉体は機能が下がる。それが老い。
ホモ・サピエンスが体を動かすのは食糧が欲しいから。
現代人は簡単に必要なカロリーを手に入れることができる。
「生きるのに困っていないのであれば、心身の強化システムは使わずに眠らせておこう」
筋力、タンパク質合成スピード、骨修復メカニズム、心臓の血液ポンプ能力、モチベーション(ドーパミンやアドレナリン)、などが低下。
サルデーニャ(平均年齢が非常に高い地中海にある島)の老人は、生涯を通して厳しい肉体労働を続ける。
スーパーエイジャー(若い人と同レベルの脳と肉体を持つ高齢者)は、日常的になんらかの難しい活動に打ち込み、不愉快さを味わいつつ心身を成長させている。
・SITプロトコル(Sprint interval training)
エアロバイクで2分アップ+(全力20秒&軽く2分)×3回+3分クールダウン。これだけで、エアロバイク45分(最大心拍数の7〜8割で)と若返り効果は同じ
全部で4分の筋トレ×週4回は、1日30分のランニングと心肺機能改善効果は同程度かつ筋力は2倍発達
・サウナ20分
・冷たいシャワー
・フィトケミカル
ポリフェノールなどの軽微な毒物をとる
・ファスティング(断食)
・エクスポージャー
ちょっとだけ耐えられる苦痛・ストレスを与える
リスクをとらなければ脳は刺激を受けない
・外見チェックを減らす(鏡を見る回数を減らす)
・SNS断食
・「若作り」をする
・ヨガ、太極拳
・良質のタンパク質、食物繊維を摂る
・睡眠