「LEARN LIKE A PRO」(バーバラ・オークレー、オラフ・シーヴェ)
本書のキモのひとつである「ポモドーロ・テクニック」。ここ1週間くらい、主に仕事場で実践している。
25分集中して5分休む。一見単純だが、いろんな視点で考えられていて、納得感あり。集中する直前に目的(何をやるか)を明確にすること、時間がきたら途中でもすぐ休むこと、がコツのような気がする。
この集中力テクニック以外に、本書で気づきがあったことは、事前に全体感や最終形をイメージする、都度自分の今のやり方を冷静に客観的に評価し直す(そして軌道修正などする)、など。学習も仕事もビジネスも、戦略性が重要だ。
以下、備忘
■ポモドーロ・テクニック
(1)邪魔になりそうなものを排除
※PCのポップアップ、スマホの通知、その他気をそらすものが何もない状態に(気が散る最悪のものは、PCやスマホが出す通知)
(2)タイマー25分設定
(3)25分間、できる限り徹底して勉強や仕事に没入
※たいていのものは25分間手を付けなくてもOK(先延ばし可能)、どうしても気になったらポモドーロ終了後の必須リストにメモしておく
(4)5分休憩(ご褒美の時間)
※音楽を聴く、目を閉じる、散歩する、お茶を入れる、ペットを抱く、など
(5)忠実に繰り返す
・脳を休ませるのは、学習したての内容を長期記憶の領域に移すため。頻繁に小休止を(集中時間が長くなりすぎると学習したての新しい内容を長期保存の領域に移すための時間が無くなってしまうし、間違いなく疲労する)。
・褒美があるとの思いから集中できる。
・3回か4回繰り返したら長めの休憩を(10-15分)。
・マルチタスクを避けられる(25分なら一つのことに集中できる)。
※課題をスイッチするたびに時間とエネルギーが失われる(スイッチング・コストと呼ばれ、研究結果によると知的活動の成績はひとつの課題を達成しないうちに次の課題にスイッチすると30-40%低下)
※あるデータ分析では、非常に生産性の高い労働者の働く時間は平均52分、その時の休憩時間は17分。
■集中モードと拡散モード
学習とは集中モードと拡散モードを往復する作業。
まずは懸命に集中する。集中を止めてひと休みすると拡散モードになる。すると、突然それまで苦しんでいたものが“ああ、そうか!”と理解できる。
拡散モードに入るには、そのテーマに真剣に集中すること(行き詰まるまで)。集中力が切れたとき、自然に拡散モードに入って行く。拡散モードによって、難題を理解できるようになる。
■戦略的な学習者になる
◇自律心(自分自身をコントロールする能力)
ゴールへの強い欲求だけではダメ。いつ、どこで、どのように、ゴールに到達するのか。また、邪魔になるものにどのように立ち向かうのか。こうした計画が必要。
いつどこで勉強するか計画を立てた学生は、計画を立てなかった学生より、勉強時間が50%長かった。
勉強の邪魔になるものに対してどのように反応するかをあらかじめ考えていた学生は、考えていなかった学生よりも、取り組んだ練習問題の量が60%多かった。
◇効率的な読書
全体の構成、まとめ、結論、に目を通す。
まずは、“大きな絵”を描いて、全体を把握する。ジグソーパズルは、事前に完成形を目にしていたほうがずっと簡単。
効率的な読書は速度ではない。内容の理解とその記憶。少しスピードを落とすことによって、よく理解できるようになる。
◇メタ認知(“考えることを考える”)
脳の外側にもうひとつの脳があって、客観的に自分の脳を見ている(本人がどのように考えているのかを考えている)。さまざまな問題に対しどのようにすれば最高のアプローチができるか、どんな戦略を使うべきか、その学習のアプローチが機能しているかどうか、ひと呼吸おいて考えてくれる(評価してくれる)。
自分自身に投げかけるメタ認知的質問例
「適切な対象に集中しているか?」
「優先順位を変えるべきではないか?」
「過去、うまくいったことは?」
「向上できる得意分野は?」
「(自分が窮地に陥っているとき)助け船になってくれる資源は何か?」
自己管理型学習モデル
①課題を理解する
②ゴールを設定し計画を立てる
③学習する
④監視し、修正する