「フランス人は10着しか服を持たない」(ジェニファー・L・スコット)
貴族の家系での話だから、という部分は少なからずありそうな気はするが、フランス人の価値観に、とても共感を持った。
いままでフランスのイメージは、なんとなくしか持ってなかったが、わりとくっきりした(まだ理解十分とはいえないだろうが)。
日本から見ると、「欧米人」というくくりで、ヨーロッパ人もアメリカ人も一緒くたにしてしまうところがあると思うが(しかも、アメリカの映画やドラマの影響で、アメリカ文化に偏ったイメージを持ちがち)、全くと言っていいほど、国によって価値観は異なると改めて感じた。
そして、簡単に影響されすぎかもしれないが、本書を読んで、フランスにとても好感と興味を持ち、フランスに行きたくなった。
余計なものは、買わない、口にしない、しゃべらない、観ない、読まない。上質なものに囲まれて、ささやかな日常の繰り返しの中にも喜びを見いだし、毅然とした態度で、時にユーモアをまじえて、というようなフランス貴族の末裔の方の生き方、憧れました。
以下、備忘
フランスの家のクローゼットは小さい(10着程度しか収納しない)。
同じ服をしょっちゅう繰り返し着る。
あるフランス映画のヒロインは、3ヶ月のストーリーの中で、来ていた服はたった3着。
自分のスタイルを確立すれば、どんな服を買うべきか迷わなくなる。
「自分をどんな人間として印象づけたいか」を考えて服を着る。
毎日きちんとした装いをする。だらしない格好をしない。
「もったいないから」といい服を着ないで取っておくようなことはしない。
「いちばん良い持ち物をふだんから使う」をポリシーにする。
ヘアスタイルもメイクも自然。
「沈黙は金」
必要なときにしか口を利かなければ、ミステリアスな雰囲気を出せる。
余計なことを言わない。伝えるべきことだけを伝えれば、言葉は力を持ち、重みを増す。
ほめられても謙遜しない。
「ありがとう」と言って、それでおしまい。
間食はほとんどしない。特に、体に悪いものは食べない。
お腹を空かせて、食事を楽しむ。
毎晩3皿以上のコース料理。同じレシピを繰り返し料理する。
食べる喜びを我慢しない。でも太り過ぎの人はいない。(フレンチパラドックス)
フランスには、むやみに新しいものを欲しがる物質主義の風潮がない。
やたらと物を買わない。
見栄っ張りなところがない。
日常のささやかなことに喜びを見出す。
イライラしたりせず、心穏やかに日々の生活を楽しむ。
大事なことにはお金をかけるが、ムダを嫌い、見栄を張らない。
本当に気に入ったものだけを長く使う。
シンプルな暮らし。