「佐久間宣行のずるい仕事術」★★★☆☆ | Jiro's memorandum

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【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

「佐久間宣行のずるい仕事術」(佐久間宣行)
 
佐久間宣行さんは元テレ東の名物プロデューサー。「鎌倉殿の13人」の特番にMCで出演されているところを見て、なんとなく好感を持った。
 
テレビ番組制作のことは詳しく知らないが、第一線で活躍された方の仕事術というのは普遍性がある(かつ新鮮味もある)のではないかと思い、読んでみた。
 
予想どおり、あらゆる仕事に共通しそうな内容であり、かつ事例がテレビ業界や番組制作の話だったりするので、読んでいて新鮮で面白かった。
 
特に、よい人間関係を構築する仕事術について、改めてその重要性を再確認。「仕事は縁から始まる」という言葉にも共感した。
 
 
ところで、同じくテレ東の名物プロデューサーである高橋弘樹さんという方が今月で退社し独立されるそうだ(Y!ニュース)。ユーチューバーなどとして活動されるとのこと。実力ある方は次々WEBに移行するのだろうか。
 
ワールドカップ放映権をABEMAが獲得したのも結構衝撃だったが、メディアの変化はまだまだ加速するのだろうか。自分の常識に引きずられないようにしなければ・・・ 変化についていけなくなってきた。
 
 
 
以下、備忘
 
 
相談のゴールは「解決」。話を聞いてほしい人ではなく、その問題を解決できそうな人を選ぶ。
そして、「なぜあなたに相談するのか」を伝える。真剣度合いが伝われば、具体的な解決に動いてくれる。
自分と人生経験・職務経験が変わらない人に、愚痴をダラダラ聞いてもらっても意味はない。「わかるよ」と共感されても先には進めない。
 
仕事は「すぐやる」。スピード感を持った対応で、印象はがらりと変わる。
「もう一度頼みたい」と思われるか「二度と連絡しない」と思われるか。すべては「すぐやるかどうか」で決まると言ってもいい。
仕事は全部、縁から始まる。
 
仕事はあえて、社内「初」を狙うのがおすすめ。
失敗の前例があると反対されるが、だれも経験がないので意外と挑戦できる。過度な期待もなく、失敗してもせいぜい「やっぱりね」で笑われる程度。
しかし、成功すれば一躍「第一人者」になれる。
「メンツを潰さない」「メンツを立てる」は、組織人、社会人としての「戦略」。戦国武将の戦略のようなもの。
「ムカつく」「ギャフンと言わせたい」などの感情に振り回されて相手のメンタルに損実を与えようとすると、回り回って自分が損をする。
大切なのは相手に勝つことではなく、障壁なく仕事ができる環境を手に入れること。
 
横柄な態度はコストが高い。
偉そうにするのとていねいに接するのでは、労力はまったく変わらない。
仕事は縁でできている。偉そうに接した相手が力をつけたとき「アイツとは仕事をしたくない」と思われたら、いい仕事に絡めない。
人は、偉そうにするチャンスがあれば偉そうにする生き物。でもそれはダサいし、失うものが多すぎる。
へりくだる必要はない。相手が誰でも、フラットに、ていねいなコミュニケーションを心がける。
ただそれだけで、人間関係は大きく変わる。
 
ビビらずアピールする。
「じつは俺、ずっとお笑いの番組をやってみたかったんですよ」という人がいるが、それは「それまで主張しなかったお前が悪い」。
自分が思っているより他人は自分に興味がない。
チャンスは天から降ってこないし、「じつはこういう仕事がしたいんじゃないか」と察してくれる上司もまずいない。
 
「イラついている実力者」と組む。
基本、自分ができないことができる人と組む。苦手を努力で克服して60点、よりも、努力せずに100点出せる人と組んだ方がいい。
チームを組む人はどんな人がいいか。それは、「俺、こんなもんじゃねえぞという顔をしている人」、自分の器と今の立場があっていなくてイライラしている人。
こうした人とチームを組むと、ほんとうに気持ちよく爆発する。
 
みんなのモチベーションを上げる方法、それは、リーダーがだれよりも本気で楽しそうに働くこと。
 
トラブルが発生すると、犯人探しをすることがある。
リーダーに大切なことは、犯人を明らかにすることよりも、トラブルに至った「仕組み」を特定し、それを解決すること。
 
いまコツコツ積み重ねている努力は、明日の結果につながらなくても、10年後に効いてくる。
10年後に過去の残りカスにすがった、すっからかんの大人になりたくなければ、サボらずインプットを続けよう。
 
「メンタル」第一、「仕事」は第二。
心を壊してまでやるべき仕事なんてどこにもない。「真剣」にはなっても、「深刻」になってはいけない。
嫌なことからは「逃げるが勝ち」だと思っている。自分の心を守ったからこそ、ほんとうに集中すべき仕事に没頭できた。
「もうダメだ」という日は考えるのをやめ、その日の予定をなくして銭湯に行く。
仕事なんて、「たかが仕事」。割り切りが必要。
いい仕事はすべて、心の健康の上に成り立っている。
 
運は愛想と誠実さによって架けられた「信用」という名の橋を渡ってやってくる。だから愛想の悪い人は信用を得られないし、運も来ない。
雑な仕事をしないことも運につながる。
運が通るための「信用の橋」をコツコツを架けておけば、忘れたころに、「こんなところからやってきたのか!」とおどろくような運の来訪があるだろう。