ADHDは、15年で2倍に急増していると言われています。
それだけ生きづらさを抱えている人が
増えているということでしょう。
ADHDは愛着障害などと鑑別することが
難しいと言われています。
多くの精神疾患においても
集中力の低下はみられますし、
精神疾患の方から
まるでADHDのような印象を受けることがよくあります。
また、発達障害の二次障害としての精神疾患は非常に多いですが、
精神疾患の症状やお薬の影響として
発達障害様になることも多いです。
精神疾患を発症したあとで、
もともと発達障害があったのでは？となるケースも多いですが、
特に統合失調症では
症状として脳の認知機能が低下したり
脳の機能を抑制する方向に働くお薬の影響が出たりすることで
発達障害っぽく見えることがあります。
ですので、
幼少期の様子、生育歴は
発達障害の診断にとても大事です。
診断には、
１２歳以前から症状があり、
２ヵ所以上の場所（家庭と学校など）でみとめられること
が、条件になっています。
自分が感じている生きづらさに名前がほしいと思うのは
当然の気持ちであるようにも思えます。
名前がつくことで、
そこに確かに生きづらさがあると
認めてもらえるからです。
誰だって苦しい気持ちを理解してもらいたいし
その苦しさが苦しむのに妥当であると
証明してもらいたいのは当然のことなんです。
ADHDの急増は、
たくさんの人のSOSなんですよね。
また、発達障害は
特性と置かれている環境とのミスマッチ
から生じるとされています。
この捉え方で考えると、
日本でADHDが急増したのは納得がいきます。
日本社会はもともと、
人と同じように振る舞えること
時間や約束を厳守できること
が最重要視される社会です。
少しでもADHD的な要素があると、
他の文化に比べ、
ものすごく煙たがられる傾向にあるのではないでしょうか。
ADHD的な一場面を切り取って
その人全体を否定する、人格否定に近いようなことを
平気で言うような人までいます。
そして、人と同じようにできないことや
時間を守れないこと、提出物や書類を管理できないことに
必要以上に追い詰められ苦しい思いをしてしまうんですよね。
このような思いをしてきた人が多く、
そこにADHDの概念が広く知られたことで
自分もそうなのでは？
という方が増えたのだと思います。
日本ではバランスの良い人間が評価され、
能力に凸凹があり、得手不得手がある人の場合、
よっぽどの結果を出さなければ評価されません。
小さい頃から「得意なことをどんどん伸ばそう！」
という環境には恵まれにくいので
苦手なことを人の何倍も努力して
なんとかしようとする、
ということが延々続きます。
自分はこれなら誰にも負けない
得意なことがあるから自分は素晴らしい
と思えることもなく、
苦手なことやできないことがたくさんある
自分はだめなやつだ
となってしまいます。
ADHDの人が生きやすい社会は、
どの人にとっても生きやすい社会。
本当は誰だって、
日本社会はもっとおおらかであってもいいのでは？って
感じているような気がします。
【ADHDシリーズ】
その生きづらさはいつ頃から人生に入り込み、
どれくらいの影響力をもって
あなたのそばにいるのでしょう？
あなたにとってADHDとはどんなことでしょうか？
そんなことを一緒に丁寧に考えながら
生きづらさを紐解いてみませんか？
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