鈴・鈴緒 | 越木岩神社ブログ

越木岩神社ブログ

兵庫県西宮市にある「越木岩神社」の日々をブログでお伝えします。

参拝いただいた方に不意にご質問をいただきましたので、前に一度書いたような気もしますが折角ですので、「鈴」「鈴緒」について取り上げたいと思いますm(_ _)m


神社にお参りすると必ずと言っていいほど目につくものの一つが「鈴緒」ではないでしょうか?

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しかし、この鈴緒、いつ鳴らしていいのか、何のためにあるのか、疑問を抱かれた方が多いと思います。


諸説ありますので、その一つをご紹介するということでお読みいただければ幸いです。


「鈴」は、その清らかな音色から、人の心を和ませ、また空間を清浄にする道具、悪霊を祓う道具として、古来より神社ではご神前に吊るしたり、神楽の中で巫女が振り踊るなどのように使用されてきました。


鈴の語源は、『倭訓栞』に「鈴と読むは音の涼しきより名来るべし。・・・神慮をすずしめるの意なり」とあります。その他に朝鮮語が起源とするなど諸説あります。


では、鈴はどのように鳴らすのでしょうか?
先ずはすでにお分りのように、決して呼び鈴で神様を呼び出すものではないということです。


拝礼の前に鳴らすのか、拝礼後に鳴らすのかについては、語源からも理解は分かれると思います。神社界としても規定があるわけではありませんので、清々しい音色によって神前に向かい敬虔な気持ちとなるために祓い清め、神霊の発動を願うものと考えると、先に鳴らすものであると思われます。


『古語拾遺』には、天の岩戸にお隠れになられた天照大御神の心をひくために、アメノウズメノミコトが鈴を付けた矛を持って舞ったことが記され、また宮中祭祀では女性で祭祀を司る内掌典が御鈴を鳴らして奉仕することがあるように、神事における鈴振りは今日まで重要な意味を持っていることから、決して粗末に、また荒々しく鳴らすものではないことはご理解いただけるのではないでしょうか。


また、鈴を鳴らす綱を鈴緒といいますが、「緒」という言葉には、‘へその緒’というように、魂をつなぐもの・いのち・玉の緒という意味があり、神様と参拝者をつなぐものでもあります。


ですので、失礼がないように、また心を込めて振り鳴らすのが、本来の姿であるのではないでしょうか。