川越style「Osteria Sato(オステリア サトウ)」イタリアン クレアパーク裏 | 「小江戸川越STYLE」

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川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真

 

 

真摯、という言葉はこの人のためにあるのだろう。

実直、という言葉はこの人のためにあるのだろう。

理想の追求、という言葉を本当に体現するのは、この人なのではないか。

 

いい素材を使い、時間を掛けて仕込み、料理に仕立て盛り付ける。

言葉にすると料理は何とシンプルなことか。

そして、これを仕事として毎日し続けていくことは何という難しいことなんだろう。

美味しいものを頂くということは、本当な簡単なことではないのだ。

実力はもちろんのこと、シェフの想い・使命感がないとこんな体験はできないと思わされる、あの料理の数々。

料理を噛み締めるというのは、こういうことなんだなと実感する。

大丈夫、川越にはこのお店がある、と誇れるような存在。

 

2016年10月にオープンしたイタリアンレストラン、「Osteria Sato(オステリア サトウ)」さん。

お店があるのが、クレアモールから脇道へ入ったすぐ、クレアモールからもお店の看板を目にすることができる。あそこにお店があるんだ、と気になっていた人も多いでしょう。

川越駅と本川越駅を繋ぐクレアモールの中間あたりにあるのが、憩いの広場「クレアパーク」。

賑やかな通りにあってそこは都会のオアシスのようなスポットで、歩き疲れて小休止する人や子どもたちが遊ぶ姿は日常風景となっています。

クレアパークの裏手、クレアモールから行くと裏に隣接する建物の二階にあるのが、Osteria Satoさん。個人飲食店です。

階段を上がって店内に入ると、オアシスはまだ続いているのだと実感。開放的で上品な空間は、外の喧騒から遠く離れた世界に来たことを感じさせる。

「Osteria Sato(オステリア サトウ)」
川越市脇田町10-9 クレアパークエノモト2F
ランチ(火曜日~金曜日)12:00~14:00 要予約(11:00〆切)
ディナー18:00~23:00
定休日:月曜日(祭日の場合翌日休業)
049-299-5788
川越駅東口から徒歩約5分ほど

Instagram:

https://www.instagram.com/osteria_sato/

Facebook:
https://www.facebook.com/osteria.sato
 

Osteria Satoさん、店内はカウンター席にテーブル席。テーブル席を見渡して気付くでしょう。サトウさんでは、あえて席数を減らし、気兼ねなく食事できるよう、隣の席との間をゆったり作っている。効率を考えるならもっと詰めて席を増やすことだってできる、それをあえてやらないのがこのお店の信念。

ランチは・・・の前に、サトウさんに行くなら時間をとってゆっくり食べるつもりで計画を。

気軽にすぐに食べるならクレアモールにあるお店で、それとは全く別次元で食事を深く楽しみたいという時に、このお店をお勧めします。

 

ランチは予約制で、メインを選べるコースを提供しています。

■ランチコース

◇前菜盛り合わせ

◇パスタ/リゾット/ピッツァ

〔例〕

・アマトリチャーナ(ベーコンと玉ねぎのトマトソース)

・海老と京菜花のペペロンチーノ

・柿と春菊のクリームソース

・色々きのこのリゾット

・ピッツァ マルゲリータ

・ピッツァ ジェノベーゼ

◇シェフのおまかせドルチェ盛り合わせ

◇飲み物

・コーヒー

・紅茶

・エスプレッソ

・ハーブティー

・100%ジュース

 

 

 

 

 

 

 

 

Osteria Satoさんで、特に言及したのが、食材の良さ。

いい食材にこだわり、一般の店では手に入らない食材を使い(例えば鶏肉のローストだったら普通に手に入るような鶏肉は使わない)、それを手間暇かけて仕込み、家では出来ないような調理方法で料理に仕上げ、盛り付けていく。全て手作りにこだわっているはもちろん。言わずもがなですが、化学調味料は使用せず、安心安全にも気を配る。

Osteria Satoの料理は、ランチ・ディナーともオーナーシェフの佐藤さんが一人で作り上げている。全てが本当に一人。しかも、ランチからあの手間をかけた料理というのが驚異的。

Osteria Satoに来る人は、友達と予約し、などみなここで食事することに胸躍らせながらやって来る人ばかりで、ランチからお酒を楽しむ光景が広がるのもこのお店ならでは。

毎週通うような熱列なファンも多く、このお店に来ることを、料理を食べることを何より楽しみにしている人が多い。

このお店は、川越人にとっては知る人ぞ知るというお店でしょう。がしかし、知っている人は知っている。

オープン以来、大々的な宣伝はせず、ほぼ口コミのみという運営で、しかしここまで多数のファンを獲得していることに、お店の力の大きさが窺える。川越は口コミのネットワークが強い街で、口コミ中心でここまで来たことがお店の全てを物語る。川越人は口コミで評判の良いお店に特に敏感で大好き。

もちろんお店としての冷静な考えもあり、宣伝に力を入れて多くのお客さんが来たとしても、体操しきれず、忙しいことで料理・サービスの質が落ちてしまうことを心配した。

自分が納得できない料理を提供するようになってしまうなら宣伝しない方がいい、という割り切りがあった。

何より、料理の質を落としたくない。

 

料理を噛み締め、浸り、何ということだろうと思いがふつふつと湧き上がっている。。。

冒頭の言葉を引き継ごうと思う。

料理・・・とは?

料理の大変さ、難しさはいろんなお店を取材し垣間見てつくづく実感していること。。。

お店で料理を出すからには、美味しいことはもちろん大前提で、そして実は飲食店は料理以外の部分にも多大な労力を掛けなければならない仕事であることも現実。

食材の仕入れ、仕入先など関係者との関係、スタッフの調整・教育、宣伝・・・いや、料理だって日々試行錯誤があり、新商品の開発にだって目を配らなくてはならない。こう挙げていくと、飲食店が抱えること、考えなくてはならないことが膨大にあることに気付く。

そして何より、仕事として利益を出さなくてはならないのだ。

全体のバランスから、こうして利益を確保しようと計算するのが飲食店で、みな日々そうして利益を出してお店を成り立たせている。

なぜこんなことに触れたのかというと、Osteria Satoさんの運営の仕方が他では見られないようなものだから。。。Osteria Satoが使用している食材の原価が半端なく高く、利益度外視してでも料理の質を追求する突き詰め方は、料理の求道者のよう。川越にこんなシェフがいたのか。

 

川越styleの取材では、お客さんとして食べに来て感想をレポートするという形はとっておらず、お店のオーナーとの事前調整から話しを伺う日時を決めて訪問し、一対一でじっくりとお店のことを聴くスタイルをとっている。

それ故に、お店の、その店主の想いの深いところまで知ることになるのだが、だからこそ言える。Osteria Satoさんの食材の質の高さ。それらを膨大な手間をほどこし、料理にしていく姿勢。

ここまで原価の高い食材ばかりを使うお店は川越ではそうそうない。。。いや、もしかしたら川越で一番原価率の高いお店かも。

それをこの値段でいいの!?という手頃に設定しているのが信じられないこと。初見の人は、値段が少し高め?と思う人がいるかもしれないが、食べて気付けるなら全てが納得。この食材でこの仕事で、この値段は本当はあり得ないこと。

佐藤さんは別にボランティアでお店をやっているわけではない、最終的に利益を出すためにお店を切り盛りしているのはもちろん。

 

しかし、お店はただ利益を出すためにやるものなのか。

 

いい食材を使い、手間を掛けて料理にする、そこを純粋に突き詰め続けた先にあるもの。

美味しい料理に浸り、幸せを噛み締める。それをただただ追い求めたい。提供したいという想い。

佐藤さんには、ある意味、使命感もあるのかもしれない。

料理の本当、神髄、本物が感じられるお店が、川越に一つでも多くあって欲しい、と。

川越にもこういうお店があるんだねと言われるようなお店が。

その役目を自分が果たしたい、と。

その砦として自分は立っているのだという覚悟が佐藤さんにはあった。

「川越の食のレベルを上げたい」。

佐藤さんがリスペクトする川越のお店さんも、確実に川越の食のレベルを上げてきたお店。

それに続き、

「自分も川越の地位を上げたい」。

 

単に美味しい食事を提供するだけではない、川越を背負っている感があり、その姿にも佐藤さんは共感しているのでした。

大仰に聞こえるかもしれないこれらが、本当に実感だったのは、夜のディナーを知ったからこそ。

ここから、サトウさんの腕をふるう夜の料理たちの登場する時が来ました。

 

飲食店として理想の形とは何なのか?

経営者としての視点、シェフとしての視点、両方のバランスを取るなかで、佐藤さんがOsteria Satoで目指したのが、飲食店として在るべき究極的理想の実現の道だった。

席数を多く確保し、安い価格の料理を大量生産して提供する、のとは真逆の道。

「自分が思い描いた理想を形にしたのがここのお店」と語る。

その姿勢は、経営的には難しい面もある、夢と現実の違いはある、しかし、佐藤さんは出来る限り今のスタイルは継続していきたいと意気込む。

川越に、こういうお店が一つくらいはあっていいじゃないか、と。いや、必要じゃないか、と。

もし、このスタイルが川越で通用しないなら・・・いずれにせよ、質は絶対に落とさないと決意しているのが佐藤さんでもある。

高級レストランと想像してしまうかもしれませんが、あくまでここはオステリア(居酒屋)。お酒をメインに楽しみ、フランクなお店でありながら、リストランテのような食事を楽しめる、というのがこのお店の本当のところでしょう。

 

Osteria Satoのオーナーシェフ佐藤さんは、福島県出身。小さい頃から物を作るのが好きで料理にも親しんでいた。

福島県や埼玉県内などの地域で愛されているイタリアンレストランで働き、独立することを視野に入れた時、自分のお店を構えるなら川越で、というのは最初から抱いていたことだった。
なぜ、川越で??

実はそこには、不思議な縁というか、運命、としか言えないようなストーリーが潜まれていたのです。。。

佐藤さんは福島にいた小学生の頃、父親に連れられて川越に来たことがあった。

川越の街を見て、「あ、自分は将来ここに住むんだろうな」と、小さいながらも確信めいたものを感じたのだという。

大人になっても心のどこかに、いずれは川越、という思いは常にあり、ついに自分のお店を開く時がやってきて、川越、というのは当然な流れだった。

川越での物件探しに5年。ここだと出逢った場所が、今のOsteria Sato。小学生の時の確信から、ついに自身のお店を構えるまでになったのでした。

この場所、ということでは、こんなエピソードがあったことも紹介しましょう。

現Osteria Satoがある細道を八幡通りに進んでいくと、お馴染み「あびーろーど」さんがあります。

今から20年前に遡ります。

当時川越に住んでいた若き青年佐藤さんは、その雰囲気に惹かれ、あびーのマスターに、「ここで自分の店がやりたい」と話していたことがあったという。なぜ、あびーだったのか理由は分からない、ただただあの場所に惹かれ、ここで自分のお店をやりたいと思ったのだという。

あれから20年。

かつてあそこでお店をやりたいと思ったあびーろーどの場所から、同じ通り沿い目と鼻の先で今、お店をやっている。これを運命と言わずして、何と言えばいいのでしょう。


ランチでもオステリアサトウさんの世界に惹き込まれますが、これはまだ導入部と言った方がいいかもしれない。めくるめくオステリアサトウワールドが展開されるのは、やはりディナーの時間なのです。これはサトウさんに限ったことではなく、他の飲食店でも言えることで、チェーン店だと全時間帯同じメニューを提供する均一化を図りますが、「個人飲食店」の場合は、仕込みから調理まで全てをシェフが一人で行うというお店が多く、ランチのディナーのメニューを変えているのがほとんど。ランチを導入部として、ディナーで本格的な料理を提供するというスタイルが一般的です。故に川越styleの飲食店の記事では、ランチ・ディナー合わせた料理を掲載しているのもお店の真価を伝えるため。

 

夜のサトウさんでは、佐藤さん渾身の作が次々と登場して、至極の食事体験に身も心もとろけていきます。そこで改めて、サトウさんというお店の価値の高さに、圧倒されるのでした。。。

全体に、細部に、全てに研ぎ澄まされた神経が行き届いている料理たち。

どのお皿も期待を裏切らず、それ以上で応えてくれ、安心して身を任せることができる。

感動的な美味しさというのは一瞬の感情ですが、それを分解すると、食材の良さ、調理、一つ一つのソースの味付け、料理との相性、盛り付け、いろんな要素が上手く組み合わさらないとそんな感情にならない。夜のメニューも黒板メニューから。前菜、肉料理・魚料理、パスタ、ピッツァ、リゾットなどなどその日どんな内容になるかその日のお楽しみに。

 

やはり、夜に来て、川越の個人飲食店、オステリアサトウさんの真価を知ることになる。。。

普段使いでもちろん、川越で特別な日に特別な食事を考えたら、まず候補に入れて欲しいお店。

 

食事をし、料理とは?という本質的なことまで思いを馳せてしまうのは、このお店の料理に向かう姿勢がどこまでの真摯で実直だからでしょう。

もう一度、先の表現を。いい食材にこだわり、一般の店では手に入らない食材を使い、それを手間暇かけて仕込み、家では出来ないような調理方法で料理に仕上げていく。全て手作りにこだわっている。言わずもがなですが、化学調味料は使用しない。

佐藤さんはこれを「料理人としては最低限のこと」と言い切る。

人に料理を提供するなら、これが当たり前のことだと思っている。

全てにおいて自分が責任を持って提供するお店であること、それを示すために、店名に、自身の名前を刻んだのだ。

 

人生で、食事が出来る回数というのはみな限られているもの、そのうちの一回の食事を、私たちはどこまで大事に考えているだろうか。

もちろん常に上質を追い求めることはできない、ファーストフードだってたまにはいい、そういう使い分けをすることも人生、しかし。

一回の食事を、私たちはどこまで大事に考えているだろうか。

 

いい食材を手間を掛けて調理する。

何というシンプルな言葉なんだろう。

そして、何という難しい行為なんだろう。

 

真摯、という言葉はこの人のためにあるのではないか。

実直、という言葉はこの人のためにあるのではないか。

理想の追求、という言葉を本当に体現しているのはこの人なのではないか。

 

大丈夫、川越にはOsteria Satoがある。

 

「Osteria Sato(オステリア サトウ)」
川越市脇田町10-9 クレアパークエノモト2F
ランチ11時30分~15時
17時30分~22時30分 
定休日:月曜日(祭日の場合翌日休業)
049-299-5788
川越駅[東口]から徒歩約5分

Instagram:

https://www.instagram.com/osteria_sato/

Facebook:
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