川越style「川越市園芸総合展」2017年3月 そして旧山崎家別邸の盆栽床飾り | 「小江戸川越STYLE」

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「小江戸川越STYLE」代表:石川真

 

2017年3月24~26日伊佐沼にある農業ふれあいセンターで開催されたのが、

「川越市園芸総合展」。

各種盆栽や山草、水石、いけ花が展示されました。

参加団体は、日本盆栽協会川越支部、日本皐月協会川越支部、初雁盆栽会、

川越・山田合同山草会、川越小品盆栽倶楽部、川越華道連盟、川越水石会。

特に盆栽の展示は川越随一のイベントで、ふれあいセンターの多目的ホール内いっぱいに、この日のための力作盆栽がずらりと並んでいました。

どれもこれも惚れ惚れするような芸術作品。中には、現代アートと言ってもいい斬新なものも。
盆栽は鉢の上に一つの世界を作るということを意識して育てられている。
それは日本の風情を感じさせる世界観で、日本的感性が全て注ぎ込まれていると言ってもいい。
盆栽の景色というのは一つではなく、上から、下から、横から、見る角度によって景色が変わっていき、どこから見ても鑑賞できるよう意識されている。
景色の変化に富むのが盆栽の魅力で、それが小さな鉢の上で目まぐるしく起こるということに圧倒されます。
細部のこだわりは、根、幹、枝、細部にまで目を行き届かせながら、苔の付き方一つにも神経を使い、隅から隅まで気を遣っていることからも分かる。
なにより、作為を超えた木の生命力。長い年月を経てまとった風格は、単なるアイディアだけでは作り出せないもので、盆栽作りの大変さと奥深さを感じさせる。

どの鉢も、木がまるでそこにずっと生えていたかと思わせる自然感で在り、
ダイナミックな木ばかりでなく小品にも小品の生命力が溢れています。
人の力と自然の力が合わさって作り出される盆栽世界。

まさに、鉢の上に世界が詰まっているようでした。

 

盆栽というものが、一部の愛好家のものというイメージを超えて川越的な意味が近年大きくなっています。

川越と言えば、昔から和の文化が定着しています。

例えば着物は、毎月8日、18日、28日は川越きものの日として着物姿の人が街に増え、

和食、和菓子、河越茶、落語、蔵造りの町並み、神社仏閣、骨董市・・・

先日蓮馨寺で行われた創作浄瑠璃、一番街の「江戸の日」、和の文化が再び大きく花開いている今の川越。着物の人気に火がつき、着物から派生して様々な文化に興味が広がっているよう。

(川越の街にきもの姿を増やす会「氷川神社の七夕まつりに着物の集い」2016年8月7日氷川会館

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12189812953.html

 

(「小江戸川越七福神めぐり」2017年1月8日川越の街にきもの姿を増やす会

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12237632059.html

 

もちろん、着物と切っても切れない関係にあるのが、盆栽です。

盆栽も着物と同じように日本の大事な文化であり、日本発の和カルチャーとして世界から熱い視線が注がれています。

世界中で盆栽愛好家が急増していて、さいたま市にある「大宮盆栽美術館」にも外国人の姿がよく見られている。

そして今、日本の盆栽界にも新しい風が吹き込んでいる。。。

盆栽家というとこれまでは年配の男性のイメージが強いかと思いますが、女性の盆栽家も増えているのが最近の動き。

遡れば、浮世絵の中では盆栽も女性のたしなみになっています。

川越にも盆栽にいそしむ女性の存在が。
日本盆栽協会川越支部所属の女性盆栽家、原田さんは、着付け教室を主宰しながら盆栽をたしなんでいる人。自宅にはたくさんの盆栽が育てられています。

着物と盆栽、という組み合わせをまさに地でいくような人。

女性らしいしなやかな感性、発想の盆材たち。

室から出された小品盆栽たちは、春の空気に触れて大きく深呼吸しているよう。
ロウヤガキ、長寿梅、サツキ、ツヅジ、ちりめんカズラ、カイドウ、姫リンゴ、ニオイカエデ、ルリビョウタン、サンシュユ、など など……
芽吹きに個体差あるけれど、みんな平等に春が訪れています。

(原田さん作盆栽)

原田さんも所属する日本盆栽協会は、

盆栽芸術の普及と発展を図り、日本文化の進展に寄与するために、昭和40年2月、文部省から社団法人として設立許可を受け、元内閣総理大臣の吉田茂先生を初代会長に迎えて発足した全国組織の盆栽愛好者の団体です。

すでに盆栽を楽しまれている方でも、これから盆栽を初めてみたいという初心者の方でも入会できます。

現在、全国に約6000人の会員がおり、約250の支部が活動をしています。
平成24年4月、一般社団法人に認可されました。

それぞれの支部では、盆栽展や講習会の開催を通じて地域文化の向上に寄与すると同時に、会員の親睦を深めています。また今日では盆栽は海外でもたいへん盛んとなり、海外にも多数の会員がおります。

日本盆栽協会では

毎年2月、東京都美術館で公募の盆栽展では日本最古の歴史と格調を誇る国風盆栽展を開催しています。
また保存価値の高い盆栽や盆器を的確に把握するための貴重盆栽、貴重盆器の登録制度、正しい知識と技術の普及のための公認講師制度を設けているほか、月刊誌『盆栽春秋』の発行、盆栽キャンペーンの実施、指導者の海外派遣や海外の愛好団体との交流などの事業を行っています。

日本盆栽協会の全国各地の支部で展示会が頻繁に行われ、活発に活動しています。
第41回愛媛名品盆栽展(愛媛県)
主催:松山支部
会期: 3月3日(金)~5日(日)
会場: 八幡浜港 みなと交流館
 
 第49回大分支部盆栽銘品展(大分県)
主催:大分支部
会期:3月3日(金)~5日(日)
会場:大分市 アートプラザA会場


第32回支部盆栽展(岡山県)
主催:井原支部
会期:3月18日(土)、19日(日)
会場:アクティブライフ井原1階ホール

 

春季盆栽展(茨城県)
主催:鹿嶋支部・潮来盆栽愛好会
会期:3月18日(土)~20日(月)
会場:ショッピングセンターチェリオ・ジーコ広場
 

そして、いよいよ来月に迫ったのが、2017年4月27日~30日さいたまスーパーアリーナをメイン会場として各地で開催される

「第8回世界盆栽大会inさいたま」。
http://world-bonsai-saitama.jp/<br />
国内で開催される盆栽イベントは名品を一堂に集めた盆栽展が一般的です。
一方、海外でも盆栽が普及し世界各地で盆栽イベントが開催されるようになりましたが、そのスタイルは盆栽展という形式ではなく、愛好家が一堂に会し交流を深め、日本より盆栽の先生を招いて講習を受けたりするというものが主流でした。
それが「盆栽大会」です。

やがて盆栽大会は全米大会、ヨーロッパ大会など次第に地域を広げ開催規模も拡大されました。そのような流れの中、初めて全世界に参加を呼びかけ開催したのが、1989年4月、盆栽の故郷である日本で開催した「世界盆栽大会」でした。

本大会は、日本盆栽協会が「大宮盆栽村」を擁する埼玉県さいたま市(旧大宮市)で開催し、国内外から1200名を超す愛好家が集い、過去最大規模の盆栽大会として大きな成功を収めました。
その後、世界盆栽大会は4年ごとに開催される事が決定し、アメリカ、韓国、ドイツ、プエルトリコ、中国などに受け継がれ、2017年28年ぶりに世界盆栽大会発祥の地・さいたま市で開催することとなったのです。
[過去の開催地]
第1 回 日本/さいたま市(旧大宮市)
第2 回 アメリカ/オーランド
第3 回 韓国/ソウル
第4 回 ドイツ/ミュンヘン
第5 回 アメリカ/ワシントンD.C.
第6 回 プエルトリコ/サンフアン
第7 回 中国/金壇


盆栽が今熱い注目を集め、
「和食 日本人の伝統的な食文化」、「和紙(石州半紙〈2009年登録〉、本美濃紙〈美濃和紙〉、細川紙〈小川和紙〉)」、「山・鉾・屋台行事(18府県の計33件)」などに続いてユネスコ無形文化遺産に、という声が日に日に高まっています。

他に盆栽も含めた川越のイベントとしては、2016年7月にウェスタ川越で開催された

「川越市総合文化祭2016」がありました。

ウェスタ川越大ホールや多目的ホール、活動室などウェスタ川越の様々な施設で、多くの文化芸術団体の参加のもと、市民による市民のための総合文化祭を開催。
室内多目的ホールの展示では、盆栽の団体含め、多くの芸術団体が展示していました。
(出展者)    多目的ホールA・B・C・D: 午前10時から午後5時
川越美術協会会員作品 / 第64回川越市美術展覧会各部門受賞者作品(一部) / 川越華道連盟 / 川越茶華道協会・華道部 / 川越古流協会 / 川越・山田合同山草会 / 川越小品盆栽倶楽部 / 川越水石会 / 日本皐月協会川越支部 / 日本盆栽協会川越支部 / 初雁盆栽会

 

2016年11月のウェスタ川越「かわごえ産業フェスタ」でも盆栽展示が行われていました。

また、2016年9月に一番街にある鍛冶町広場で行われた

「第一回「川越の職人と手しごと体験市」の庭師ブースでは、
竹の器を庭に見立て、ミニミニ庭造りの体験や砂紋描きの体験ができました。

実は川越で身近な盆材という存在。

(第一回「川越の職人と手しごと体験市」鍛冶町広場

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12234855151.html

 

盆栽の祭典という意味では一年に一度「川越市園芸総合展」の開催で、

これまで一般的に川越で盆栽に親しむ機会としてはイベントが多かったですが、

川越の盆栽を取り巻く状況は近年また変わりつつあります。

街として和文化を、という中に、盆栽も積極的にPRしていこうという機運が高まっています。

その大きなきっかけになったのが、「旧山崎家別邸」。

旧山崎家別邸は、川越の老舗菓子屋「亀屋」の五代目である山崎嘉七氏の隠居所として建てられました。設計者は、東京帝国大学で辰野金吾(日本銀行本店・東京駅を設計)に師事した保岡勝也。平成12年に主屋・茶室・腰掛待合が市指定有形文化財となり、平成18年に建物部分が市へ寄贈されました。また、平成23年2月に庭園が国登録記念物(名勝地)に登録されました。

旧山崎家別邸の庭園は、和館、洋館の建築とともに、保岡勝也が設計した茶室を含む和風庭園の事例として価値があると認められ、「造園文化の発展に寄与しているもの」として高く評価されています。

旧山崎家別邸は、2016年4月に一般公開がスタート。和洋折衷の独特な建物は、川越散策の定番スポットの仲間入りを果たしました。

この旧山崎家別邸が盆栽に身近に親しむ場所として、また、川越の盆材の一つの発信地としての役割を果たすようになっています。

正面玄関から上がって、すぐ目の前にある庭園に面した客間、その床の間の床飾りを日本盆栽協会川越支部の面々が担当しています。

床飾りは、旧山崎家別邸の一般公開スタートに合わせて始まり、毎週土曜日曜に展示され、これからも続いていきます。

川越支部のメンバーの盆栽を週替わりで展示。季節に合わせ、四季折々の盆材を観ることができます。

盆栽を身近に鑑賞するのみならず、旧山崎家別邸の雰囲気と合わせて楽しむことができるのが醍醐味。

 

2016年10月15日(土)、16日(日)旧山崎家別邸客間床飾りは、上記原田さんが担当。

 

2016年2月11日(土)、12日(日)旧山崎家別邸客間床飾り。

 

2017年2月25日(土)、26日(日)旧山崎家別邸客間床飾り。

 

2017年3月12日(日)旧山崎家別邸客間床飾り。

 

2017年3月19日(日)旧山崎家別邸客間床飾り。

 

着物と共に、盆栽を愛でる。

川越でますます広がっていきそうです。

 

「旧山崎家別邸」

川越市松江町2丁目7番地8

開館時間:
午前9時30分から午後6時30分、入館は午後6時まで(4月から9月)
午前9時30分から午後5時30分、入館は午後5時まで(10月から3月)
休館日:
第1・3水曜日(休日の場合、その翌日が休館日)
年末年始(12月29日から1月1日)、臨時休館日
入場料:  
一般個人100円(20名以上の団体の場合1人あたり80円)
大学生・高校生50円(20名以上の団体の場合1人あたり40円)
中学生以下は無料
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は療育手帳をご持参の方及びその介護者(障害者1人に対し1人まで)は無料となります。

アクセス:
西武新宿線「本川越駅」より徒歩15分
JR川越線・東武東上線「川越駅」より徒歩25分
バスでお越しの場合、本川越駅または川越駅から東武バス「蔵のまち経由」にお乗りください。
「仲町」停留所下車徒歩5分です。


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