川越style「埼玉SAKE FESTIVAL 2017」小江戸蔵里2017年3月 | 「小江戸川越STYLE」

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「小江戸川越STYLE」代表:石川真

軒先に杉玉が吊るされました。いよいよ、
新酒が出来たことを伝える杉玉は、
まだ、杉の葉の青々しさが残っていますが、やがて枯れて茶色がかってくるごとに、
色の変化が人々に新酒の熟成の具合を伝える。
今年はどんな味わいだろう、青々とした杉玉は多くの人の胸を躍らせていました。

 

2017年3月4日(土)小江戸蔵里で開催されたのが「埼玉SAKE FESTIVAL 2017」。

 

 

 

埼玉県酒造組合の若手で組まれた組織である「吟友会」が、酒どころ埼玉ブランドの日本酒の魅力を広く知ってもらおうと立ち上がり企画されました。
会場:小江戸蔵里、時間:11:00~15:00

埼玉県酒造組合

http://www.saisake.com/
参加酒蔵: 

㈱小山本家酒造

㈱文楽・五十嵐酒造㈱

晴雲酒造㈱

松岡酒造㈱

㈱矢尾本店

武甲酒造㈱

滝澤酒造㈱

㈱釜屋

㈱東亜酒造

寒梅酒造㈱

石井酒造㈱

小江戸鏡山酒造㈱

 


事前から話題騒然となっていた埼玉SAKE FESTIVAL2017ですが、
当日を迎え蓋を開けてみたら、やはり相当な賑わいで、まさかここまで、、、と想像以上。
川越パンマルシェを彷彿とさせる賑わい。
参加の仕方は簡単、入口でお猪口を受け取ると、広場に出展している酒蔵のブースへ直行。
参加費は??
いえいえ、今回のイベントは驚愕のシステム、無料試飲会となっていて、
全ての酒蔵のお酒が無料で試飲することができました。

各酒蔵、自慢の銘酒をこれでもかと惜しげもなく出品。
純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒、吟醸酒、大吟醸酒、本醸造酒などがずらりと並び、来場者を出迎えていました。
しびれるようなどっしりとした辛口から、米の旨味が感じられるものに、まるで果実のような芳香がふわりとする日本酒まで、実に様々なブランド銘酒が揃っていた。
「へえ!埼玉の日本酒も美味しいね」「埼玉にこんなに美味しい日本酒があったなんて!」
「飲み比べたらこれが一番好きかも」、埼玉県の多様性に驚く来場者たちの声。
酒蔵の威信をかけた一品に加え、秘蔵の限定酒も多数出品され、
日本酒の可能性を広げるスパークリングやフルーティーな味わいの日本酒も出品され、振る舞い酒にみな酔いしれていました。
冷やはもちろんのこと、燗して提供している酒蔵もあって、まさにそこは日本酒パラダイスと化していた。。。
お猪口を手にした人たちは、気になるお酒から始まり、出展酒蔵の全てのお酒を飲み比べして制覇していました。
ぐるりと一回りでもすれば、もう顔は赤ら顔。気持ちも良くなって、埼玉県の日本酒談義にいつまでも花が咲くのでした。
また、イベントタイトルが英語表記、そして会場の看板などにも英語が使われている通り、
近年、外国で注目を集めるSAKEを、ここでも外国人観光客に知ってもらおうと趣向が凝らされていました。
来場していた外国人も、繊細なSAKEの味を噛みしめ、酒蔵によって味が違うという体験に目を丸くしていました。
試飲に加え、各酒蔵の販売ブースもあり、飲み比べして気に入ったお酒を買って帰る光景も途切れませんでした。埼玉県産日本酒のファンを確実に増やしていたのでした。


酒の旨味というのは、元をただせばお米の旨味。
埼玉県産酒造好適米「さけ武蔵」を使ったお酒も多数あります。
さけ武蔵、平成16年、埼玉県で初の酒米が開発されました。埼玉県オリジナルの米を求めていた県内蔵元にとっては待望の酒米です。
「若水(わかみず)」を父に「改良八反流(かいりょうはったんながれ)」を母にもつその米は、
12年の歳月をかけて開発され、現在熊谷市を中心に栽培されています。埼玉県農林総合研究センターにて改良八反流と若水 を交配し、誕生しました。
さけ武蔵は大粒品種であり、「心白(しんぱく)」という米粒の中心に円形の白い不透明部分があり、ここにデンプンがぎっしりと詰まっています。このため、良質の麹を造ることができ、酒造りに大変適している。


お酒の主な原料は米と水、
水は、埼玉県には荒川と利根川という2つの大河が流れており、県内の酒蔵は荒川水系と利根川水系の伏流水を用いて酒を仕込んでいる。利根川水系に比べて荒川水系の方がやや水の硬度が高いようですが、全体的に埼玉県の水は軟水のため酒質はやわらかく、口当たりの良いまろやかな酒ができます。
そして、原料を最大限に生かす酒蔵の技術。
近年、埼玉県産業技術総合センター北部研究所で開発された酵母は吟醸酒造りに大変適しており、全国新酒鑑評会(独立行政法人酒類総合研究所主催)においては、埼玉県の高い入賞率に一役買っています。


また、平成17年から「彩の国酒造り学校」が開校しました。
彩の国酒造り学校では、埼玉県内の若手の酒造技術者を集め実地研修や室内研修などの数多くのプログラムを行い、県内酒蔵の醸造技術向上に努めています。
杜氏の伝統的な技と若い技術者の豊かな感性が織り成す今後の彩の国の地酒が今、注目を集めています。

 

 

㈱小山本家酒造

埼玉県さいたま市西区大字指扇1798番地

http://koyamahonke.co.jp/index.html

 

 

㈱文楽
埼玉県上尾市上町2丁目5番5号

http://www.bunraku.net/

 

 

五十嵐酒造㈱

埼玉県飯能市大字川寺667-1

https://www.snw.co.jp/~iga_s/

 

 

晴雲酒造㈱

埼玉県比企郡小川町大字大塚178-2

http://www.kumagaya.or.jp/~seiun/

 

 

松岡酒造㈱

埼玉県比企郡小川町大字下古寺7-2

http://www.mikadomatsu.com/

 

 

㈱矢尾本店

埼玉県秩父市別所字久保ノ入1432

http://www.yao.co.jp/chichibunishiki/

 

 

武甲酒造㈱

埼玉県秩父市宮側町21-27

http://www.bukou.co.jp/index.htm

 

 

滝澤酒造㈱

埼玉県深谷市田所町9-20

http://kikuizumi.jp/

 

 

㈱釜屋

埼玉県加須市騎西1162

http://www.rikishi.co.jp/

 

 

㈱東亜酒造

埼玉県羽生市西4丁目1-11

http://www.toashuzo.com/

 

 

寒梅酒造㈱

埼玉県久喜市久喜中央2-9-27

http://www.kanbai.co.jp/

 

 

石井酒造㈱

埼玉県幸手市南2-6-11

http://www.ishii-syuzo.jp/

 

小江戸鏡山酒造㈱

埼玉県川越市仲町10-13

http://www.kagamiyama.jp/

 

 

 

埼玉SAKE FESTIVAL 2017の会場が、小江戸蔵里というのは間違いなく意図されたもので、

この場所で日本酒のイベントというのは因縁深い。

ご存知の通り、小江戸蔵里は、旧鏡山酒造の跡地を利用して生まれ変わった施設で、

これまでずっと川越の銘酒「鏡山」は、この場所で造られていました。

現在の鏡山酒造は仲町にあり、小江戸蔵里は酒蔵だった建物を出来るだけ生かして、

クレアモール側、手前から明治蔵はおみやげ処、大正蔵はレストラン八州亭、昭和蔵は農産物など物販、展示蔵はギャラリーや会議室といった複合施設となって新たな魅力を見せています。

 

(明治蔵のおみやげ処。酒蔵の雰囲気たっぷり)

明治蔵は鏡山の日本酒を多数取り揃えています。

大正蔵のレストラン八州亭も酒蔵の雰囲気が存分に感じられる空間で、

この雰囲気の中で音楽イベントなどが多数開催され、今では川越の文化発信地となっています。使われなくなった建物が、文化発信地と呼べるまでになったことは、川越的に大きな意味。

 

 

 

(「TAD試聴会」2016年6月12日小江戸蔵里八州亭

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12168872496.html

 

そして、一番奥にある展示蔵には、かつての鏡山酒造時代の遺品が展示され、

川越の地酒の歴史に触れることができます。

 

 

(小江戸蔵里 展示蔵)

 

埼玉県の魅力をもっと知ろう、掘り起こそうとする動きは近年盛り上がってきて、

県内の地酒をフィーチャーしたイベントというのは、実は川越でも既に実績がある。

2016年9月、ウェスタ川越で開催された 「地ビール・地酒&グルメフェスタ」です。

 

 

 

 

 

 

「埼玉子育て結婚応援フェスタ」ウェスタ川越2016年9月19日 「地ビール地酒&グルメフェスタ」

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12203397159.html

多目的ホールの「埼玉子育て結婚応援フェスタ」と同時開催で、地酒だけでなく、地ビールも集まり、さらにグルメの出店も多数あって、大雨の中、それでも7000人以上の人出がありました。通常のイベントであれば、あれだけの雨が降れば客足はぱったりになるはずですが、あのイベントは様相が全く違った。雨が降っていようが、ウェスタにやって来る来場者の波に全く影響なく、終始人が途切れないという信じられない状況になっていた。

地元埼玉にこんなに酒蔵があるなんて、こんなに美味しいお酒を造っているなんて、それをはしごすることができるという夢の体験に、まさにみな酔っていた。

運営側は、雨でこれだけの人出なら、晴れだったらどうなっていたのか、、、という逆の心配の声を後から漏らしていたほどでした。

埼玉といっても一言では括れない多様性があり、知れば知るほど足元にこんなにいい物があるんだという驚きの発見がある。埼玉を集結させて発信していこうというのが今の流れ。

日本酒では、昨年だと2016年10月に大宮ソニックシティで「第13回埼玉35酒蔵大試飲会」が開催されましたが、川越からの発信も目立ってきました。

地ビール・地酒&グルメフェスタは、いろんな要素が組み合わさったイベントでしたが、

それに比べると「埼玉SAKE FESTIVAL2017」は、地酒に特化したイベント。

より日本酒の純度が高い雰囲気がありました。

ウェスタ川越は埼玉県の施設として、埼玉県の地酒の発信には打ってつけ、

そして小江戸蔵里というのは旧鏡山酒造跡地で、こちらも地酒の発信にはぴったり、

それぞれの場にストーリーがあり、場に適した埼玉県の発信をしています。

 

 

最後まで人が途切れず賑わい続けた「埼玉SAKE FESTIVAL 2017」。

埼玉県の銘酒と出会い、お酒の底知れない世界へいざなわれるイベントとなりました。

これから、川越の鏡山酒造さんが関わるイベントとしては、

2017年3月25日(土)に開催される「春のイースト発酵大感謝祭in 川越」があります。

松本醤油敷地、および周辺道路をオープンカフェ化。10時~16時 

 

 

これは日本酒のイベントとは違いますが、テーマはずばり、醸造・発酵。今回初開催となります。

川越には醸造・発酵食品を扱う名店がいくつもあります。そんなお店が松本醤油商店に一堂に集結。鏡山の限定酒、コエドブルワリーの地ビール、川越ベーカリー楽楽の限定パンなど、盛り沢山の内容です。

「春のイースト発酵大感謝祭in 川越」

主催企業:松本醤油商店/小江戸鏡山酒造/コエドブルワリー/川越ベーカリー楽々
協力先:埼玉県観光課
場所:松本醤油敷地内および周辺道路
(交通規制を行い自社前および吉田肉屋より仲町交差点までの公道をオープンカフェ)
イベント内容:川越地酒「鏡山」や地ビールである「コエドビール」と御当地のうまいもの大集合。
◎販売内容
鏡山 100ml 300円均一飲み比べ(純米酒&100mlお猪口付き500円)
純米・吟醸・純米吟醸・さけ武蔵大吟醸・大吟醸・純米大吟醸・再醸仕込みなど
<限定販売酒>
直汲み純米吟醸  60%磨き 限定300本予定 720mlボトル 税込み2,000円
直汲み純米大吟醸 50%磨き 限定300本予定 720mlボトル 税込み2,000円

◎鏡山酒造の蔵見学 
常時開放(ただし麹室、酛場、槽場奥、タンク奥、2階は見学禁止・パネル表示対応)

◎お問い合わせ先
春のイースト発酵大感謝祭実行委員会(松本醤油商店内)
TEL049-222-0432

この日は、小江戸川越春まつりのオープニングイベントに加え、一番街では「小江戸川越 江戸の日」が開催される日であるので、回遊していろんな楽しみ方ができそう。

人が集まれば、場を和ませる日本酒。

いよいよ川越に春到来、今年も街は本格的に賑やかになっていきます。

 

「埼玉県酒造組合」

http://www.saisake.com/

 

「小江戸蔵里」

http://www.machikawa.co.jp/