どんなお店でも、人でも、掘り下げていけば唯一無二の物語はそれぞれにあり、
劇的なドラマを経て今に至っているのだとしても、
TIMES SQUAREにまつわる二人のドラマ、繋がりは、こんなことってあるんだと信じられないもの。。。
川越の南大塚駅近くにできたTIMES SQUARE。
お店があるのは、
西武新宿線南大塚駅、北口を出て駅前ロータリーを真っ直ぐ、16号線に向けて進んで行く。
途中、蕎麦の大むらさんがある交差点を左に入って行けば建物見えます。
北口から歩いて2、3分ほど。
「TIMES SQUARE Restaurant & Bar (タイムズスクエア レストラン アンド バー)」さん。
若きネパール人が経営しているお店で、ネパール料理を主体としてアジアン料理も展開しているお店。
川越にはインド人やネパール人がインドカレー店を開いているのはたくさんありますが、
ネパール人によるネパール料理を提供しているお店はあまり例がない。
TIMES SQUAREのスレスタさん曰く、「川越でネパール人のネパール料理店は2、3軒しかない」。
日本人からすると、インド料理もネパール料理も似ているものに見えますが、
彼らからすると、もう全くと言っていいほど別物なのだという。
「川越にはネパール人がたくさんいる」とのことで(霞ヶ関は特に多い)、
ネパール人がふるさとの料理を恋しがり、遠方からここにやって来ているそう。
ネパール人コミュニティに顔が広いスレスタさん、オープンからまだ間もないですが、
店内ではネパール人による誕生日パーティー、ダンスパーティーで既に何度も使われていて、
もちろん日本人も、地域の人を中心にしてお店の存在は口コミで広がっている。
特にあのチーズナンは話題。
TIMES SQUAREでまず驚くのは、その店内の雰囲気でしょう。
ネパール人によるネパール料理店と言うと、きっと誰もがこてこての雰囲気をイメージするでしょうが、
お店に足を踏み入れた瞬間、あれ?ここネパールのお店?と疑いたくなるような落ち着いた空間で、
インド・ネパール料理店でこの雰囲気はなかなかないはず。
なぜ、TIMES SQUAREがこの雰囲気の空間になっているのかは、少しずつ明らかにしていきます。。。
TIMES SQUAREと深い繋がりのある、あるお店のことを挙げたら意外な声が上がるかもしれません。
それが、下北沢にあるカレーの人気店「NAN STATION(ナンステーション)」。
NAN STATIONもネパール人によるネパール料理主体のお店で、
そのお店にいたシェフがTIMES SQUAREで腕をふるっています。
料理自体もNAN STATIONとほぼ同じで、
下北のあのお店の料理がナンツカで食べることができる。
以下のメニューは、表向きの一般メニューで、
さらに本場のいろんなネパール料理を食べたい人にはそれぞれの要望に応えてくれるという。
ランチは単品の他にセットはA、B、Cとあり、
Aセットは、サラダにカレー(1種類)、ナン又はライス、ドリンク、
Bセットはカレー2種類を選べ、Cセットはカレー2種類にタンドリーチキンとシシカバブがつく。
カレーはダルカレー(豆カレー)、チキンカレー、ほうれん草とチキンカレー、
ナンはプレーンの他にも種類があり、
チーズナン、ハニーチーズナン、ゴマナン、ガーリックナン、
キーマカレー。
そして500円のワンコインメニューとして、
タンドリーチキン、シシカバブ、チキンティッカ、フレッシュサマーロール、
アスパラベーコン焼き、ポテトのガーリック炒めなどがある。
キッズセットもあり、カレーにミニナン又はライス、サラダ、ソフトドリンク、デザートがつく。
カレーやナンはテイクアウトもでき、やはり、チーズナンを頼む人が多いのだそう。
TIMES SQUAREはネパール人によるネパールの味をうりにしていますが、
アジア料理も提供していて、ガパオなどは定番人気。
さらに・・・既に記しましたが、
そのままのネパール料理を食べたいという人には、
メニューには載っていませんが、まさにそのままのネパール料理を頼むことができる。
スレスタさんはじめ、お店のネパール人スタッフ達も食べている、
伝統的、日常的ネパール料理を体験することもできます。
こういうことを用意しているのは、ネパール人が来て頼むからという事情がある。
ネパール人にとってはふるさとの味に浸ることのできる場所でもある。
「これがネパール人がいつも家で食べるネパール料理です」。
ネパール料理というのは意外にもあっさりしているもので、
野菜も豊富で漬物も欠かせず(きゅうり、人参はネパールでもよく食べる)、
ヨーグルトも定番、さらに「モモ」という餃子のような一品もお皿に載り、ピリ辛のソースにつけて食べ、
豆カレーにご飯がお腹を満たしてくれる。
肉は豚肉、鶏肉、山羊肉などを食べる。牛肉は食べないという。
ネパールという国は地理的に、インド料理、中華料理、チベット料理が入り込んで融合しているよう。
こうして見るとバランスのとれた食事で、ご飯の周りに小皿が並ぶ姿は日本食のようでもある。
これは一例で、他にもネパール料理はあり、
彼らが家で食べていたそのままの食事をリクエストすることができます。
ただ、本当にそのままだと日本人には辛過ぎるかもしれないので、
(たくさんの種類のスパイスを駆使するネパール料理)
「スパイスは少なくても多過ぎても美味しくならない、バランスが大事」と話す。
左端、TIMES SQUAREのオーナーのスレスタさんは、ネパール第二の都市ポカラ出身、25歳。
そもそもなぜ、日本でお店を開こうと思ったのか??
ネパールのポカラはいろんな国から外国人がたくさんやって来る都市で、
スレスタさんが見ていた中でも印象に残っていたのは日本人。
日本人は優しい、挨拶もしっかりする、そんな姿に
「小さい時から日本が好きで、いつか日本に行きたかった」と思い描いていたそう。
夢を叶え、日本にやって来たのは今から6年前、19歳の時でした。
来日した目的が、「日本でネパール料理のレストランを開く」という明確なもので、
日本で6年間働きながらお金を貯めて、2016年7月にTIMES SQUAREをオープンしたのでした。
ネパール料理は日本ではまだまだ知られていない、
ネパール料理店はあってもいろんな国の料理も出すようなお店が多く、
「ネパール料理中心のお店はほとんどない、お店を開いて広めたいと思った」と語る。
川越、というのは、賑やかな雰囲気に惹かれてこの街にしようと決めたそう。
TIMES SQUARE、昼から夜になると、ネパール感は本領発揮となっていきます。
夜は会社から帰宅する人で賑わい、ナンツカの夜と言えばいわゆる赤提灯の店が多くある中で、
違った雰囲気のTIMES SQUAREに惹かれていくのも、ナンツカらしいと言えた。
ランチ同様にカレー・ナンの他に、たくさんの一品料理もディナーならでは。
これがネパールの国民食「モモ」。
まさに餃子(蒸し餃子)のようで、ピリ辛のソースと合わせると眼前にネパールの風景が見えるよう。
ネパール料理の他にもアジアンディナーメニューとして、トムヤムクン、トムヤムフォー、
ガパオライス、パッタイ、ナシゴレン、チャウミン、ガイエンなどがありました。
・・・と、ここから、違った角度の掘り下げ、そしてとても大事な話しへと広げていきます。
この賑やかさと、それを支える人がいる、
TIMES SQUAREというお店を語る上で、外せない人物が陰にいることを紹介します。
この人がいて、この人が応援していることで、
TIMES SQUAREは実はいろんな面で助かっている事実がある。
常連であり、応援団長であり、さらに言えば・・・
TIMES SQUAREの前にここにあったレストランであるオーナーである・・・松本さんという存在です。
(実はこの夜は松本さんとTIMES SQUAREで会食だった)
松本さんがナンツカに風を起こし、スレスタさんが受け継いでいる、
TIMES SQUAREを語る上で、この繋がりは絶対に伝えたいことだと思った。
それに惹かれてTIMES SQUAREに密着していたと言ってもいいくらい。
TIMES SQUAREが今あるこの場所に、「Clever」というお店があったのを覚えているでしょうか。
シェフの独創性溢れる料理はいい意味でナンツカらしくなく、
「ついにナンツカにこういうお店ができた!」と地域の人は驚き、
ナンツカをおしゃれな雰囲気に一変させる可能性を秘めていたお店だった。。。
(TIMES SQUAREの前にあった松本さんのClever)
もちろん松本さんはそれを狙い、ナンツカの街をより盛り上げるためにこの場所にお店を開いた。
松本さんは南大塚がある大東地区在住。
本業は飲食とは関係ありませんが、自身オーナーとして飲食店を開いたのだった。
Cleverは2015年の川越まつりの時には小江戸蔵里に出店し、二日間大好評だったのも記憶に新しい。
だった、と過去形で話さなければならないのが悲しい。
その後、惜しまれながらCleverは閉店。
Cleverの後に居抜きで入ったのが、このTIMES SQUAREだったのです。
普通に考えたら、それまでずっと愛情を注いできた空間が人に渡り、
できればその後の姿は見たくないんじゃ・・・?
閉店後に自分のお店があった場所に足を運ぶなんて辛いんじゃないか・・・??と想像してしまいますが、
松本さんは違っていました。
新しくできたTIMES SQUAREに通い、いつの間にか結構な常連になって昼も夜も通うようになり、
「居心地が良くてついつい来ている」というほどになっていた。
もともとここは自分が理想を掲げて作った空間、やはり愛着はあったのかもしれない。
TIMES SQUAREの内装は、というかテーブルも椅子も全て、Cleverのものをそのまま使っています。
Cleverを知っている人なら、ああCleverの雰囲気だね、とすぐに分かる。
TIMES SQUAREがいかにもなネパール、アジアの店内の雰囲気ではなく、
よく見かける画一的な雰囲気とは一線を画して、
なんだかカフェみたいな空間になっているのは、そういう理由があるからなんです。
(Cleverの空間。Cleverがあった当時、松本さんを掘り下げて記事にしようと計画していた。。。)
それまで二人はなんの繋がりもなかったのに、今も仕事上の関係はないにもかかわらず、
この空間の前オーナーと現オーナーが、なぜか、日に日に意気投合していった。
・・・と、ここまででもなかなかない話しですが、さらに話しは続く。
TIMES SQUAREに通い、スレスタさんと仲良くなり、
異国から来た若き経営者のことを気に入ると、お店運営の相談にも乗るようになっていった。
スレスタさんもお店を開くのは初めてのこと、それにナンツカという地域のことも分からない、
そこを松本さんがサポート、アドバイスするようになっていったのでした。
理解者であり、叱咤激励する兄貴であり、ファンでもある。
こんな繋がりってあるでしょうか。。。聞いたことない。
松本さん自身大東地区在住で、ナンツカを盛り上げたいという思いは今も変わらないし、
ナンツカ愛は誰にも負けない、
それが、TIMES SQUAREを応援する気持ちと繋がっているのは間違いないことでした。
(南大塚駅北口ロータリーにある小料理屋「櫻井」でざっくばらんな話しをする二人)
こういう繋がり自体がナンツカらしく、
きっと川越の市街地ではこんな関係性は生まれてこないと思う。
新しいお店が頻繁にオープンする地ではないし、
あえてこの地にお店を構えた異国の若者を応援したいというのは、
それが自分が無念の撤退をした場所であっても、ナンツカならあり得る。
そして、TIMES SQUAREが初のイベント出店したのが、
2016年9月19日 ウェスタ川越で開催された
「埼玉子育て結婚応援フェスタ」と同時開催された「地ビール地酒&グルメフェスタ」だった。
ウェスタ川越の広場でお店自慢のキーマカレーを鍋いっぱいに100人分作り、
その場でナンを焼き上げて提供するという内容で出店。
川越のイベントでネパール料理出店というのはほとんど例がなく、
さらに現場でナンを焼くというのは、本当に珍しいことでした。
あの時の釜は、お店で使っているものをウェスタに持ち込んでお店同様に焼いて提供していました。
(「埼玉子育て結婚応援フェスタ」ウェスタ川越2016年9月19日 「地ビール地酒&グルメフェスタ」
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12203397159.html )
なぜ、このイベントのことに触れたのかというと、
この時の出店では、松本さんはテントなどを貸して協力していたのです。
スレスタさんもイベントに出店するというのは初めてのことで、分からないことだらけ。
松本さんが相談に乗り(激動の川越まつり出店経験がある)、
のみならずテントまで貸すという協力ぶり。
あの時櫻井で呑んでいたのも、このイベントの段取りのアドバイスというテーマがあり、
今振り返れば、TIMES SQUARE出店は、松本さんなくしては成り立たないものでした。
個人的にTIMES SQUAREを知ったのも、松本さんから
「お店を応援したい、何かイベントがあれば誘ってやって欲しい」という連絡があったからだった。
TIMES SQUAREにランチに行ったら、たまたま松本さんが食事に来ていた、ということもあった。。。
かつて松本さんがナンツカに、夢という大きな旗を立てて以来、この地域はどうなったでしょう。
今年に入って、TIMES SQUAREから歩いてすぐ、
飯能信用金庫手前に2016年4月にNANTSUKA BAKERYがオープンしたり、新しい動きも出てきている。
「NANTSUKA BAKERYナンツカベーカリー」南大塚駅北口パン屋 サンセリテから受け継いで
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12174096397.html
アジア料理ということなら、TIMES SQUAREの斜向かい辺りには、
川越でタイ料理と言えばの「サバーイ・サバーイ」さんがあり、
タイ料理のサバーイ・サバーイ、
ネパール料理のTIMES SQUAREと、ナンツカで本場アジアの味が楽しめる。
(「サバーイ・サバーイ」川越でタイ料理といえば。本場の味、本場の味しか作れないお店へ
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11798207000.html )
そう言えば、サバーイのお母さんも、
「日本人向けにアレンジなんて出来ない。タイで作っていたそのままを作っている」と言っていたっけ。。。
そして、ナンツカを舞台にした食の祭典、「街バルinなんつか」が今年も開催されることになり、
今年の新店、TIMES SQUAREもNANTSUKA BAKERYも、
さらにサバーイ・サバーイも揃って参加することが決定しました。
(「街バルinなんつか2015」南台商栄会11月6日、7日開催
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12094280744.html )
チケットはバル参加店でも購入でき、
また11月3~5日には、南大塚駅北口にて13:00~20:00で特設販売所ができます。
ナンツカのお店を巡る人でまた賑わいそうです。
そして、松本さんとのあの日の夜も、いろんな料理に舌鼓を打ちつつ、
〆に頼んだのが、ハニーチーズナン。これはTIMES SQUAREで欠かせない。。。
川越の南大塚、ナンツカに新しく出来たネパール料理のお店。
その空間には、大きな夢を抱いた若きネパール人と、ナンツカを愛する日本人と、
奇遇な縁からいつの間にか伴走していたなんだか不思議な関係、
いや。
ナンツカらしい関係という「スパイス」が、ふんだんに注がれていたのでした。
「TIMES SQUARE Restaurant & Bar
(タイムズスクエア レストラン アンド バー)」
川越市南台2-4-11 川越大松プラザ 1F
11:00〜15:00、17:00〜23:00
049-265-7177
木休