川越まつり初日「川越祭り会場クリーン活動」かわごえ環境ネット2015年10月17日 | 「小江戸川越STYLE」

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「小江戸川越STYLE」代表:石川真

朝から予想された雨は思ったほどでなく、これなら止みそうだなと、屋台設営の人たちの声が聞こえる。

急ピッチで祭りの準備が進む中、

すでにもう川越まつりは始まっているとお囃子が聞こえ、

新富町二丁目の鏡獅子の山車が本川越駅交差点を通り過ぎていった。

その賑やかさを横目に、本川越駅北側にあるバス駐車場には、

「環境ボランティア」のテントが張られ、参加者を待ち受けていました。


テーブル上にはゴミ袋や軍手、トングなどが用意され、

クリーン&ハートフル川越の武田さんが受付にいて、これから21時まで陣頭指揮を執ります。

 

2015年10月17日、18日に開催された川越まつりは、

 

豪華絢爛な山車が町を練り歩き、数え切れないほどの屋台が並び、

例年二日間で100万人前後が訪れるお祭りです。

そしてその陰で、赤い半被を着用した人たちが各地歩いている姿を

川越まつり会場のどこかで目にしたはず。。。

背中に小江戸川越ボランティアを記された半被を着ているのは、

川越まつりの二日間、

会場内のゴミを集めて回るクリーン活動の人たちなのです。

2015年、今年の川越まつりでも例年通りクリーン活動が行われていました。

主催はかわごえ環境ネット。

川越祭り会場クリーン活動は、かわごえ環境ネットの団体会員である

クリーン&ハートフル川越が中心となって既に10年以上経つという活動で、

今や川越まつり恒例で欠かせないものとなっている。

誰でも参加できるという市民参加型で、毎年参加している人もいれば、今年初参加の人もいた。

参加には事前予約の受付をしていましたが、もちろん飛込み参加大歓迎で、

高校生、大学生、企業の社員、環境ネット会員と、様々な人が参加している活動は、

クリーン活動に参加してから川越まつりを楽しむというパターンを組んでいる人もいました。

 

今は町の各所に設置される「ごみ箱」も多くなり、

 

夜の交差点には「川越祭り会場クリーン活動」の赤い半被の人たちがたくさん待機し、

会場は綺麗な状態になりましたが、それでも町の細部はまだまだ。


(町の各所に設置されているごみ箱)

 

川越祭り会場クリーン活動は、11時から始まって21時まで。

 

終日ずっと参加する形ではなく、

11時~、13時~、15時~、17時~、19時~と5つの時間帯を設け、

一人2時間程度で参加できるところに来てもらうという段取り。

今年も「二日間で100人くらい参加してくれるはず」と、事前受付のリストを見ながら武田さんは話す。

歩くルートも一番街・市役所方面、川越駅方面、川越市駅方面とあらかじめ3コース設定しています。

拾ったゴミは、燃えるゴミと燃えないゴミ(ビン、缶、ペットボトル、その他)に分けて分別します。

 

川越まつりのゴミ問題は、日があるうちはまだ少ないですが、

 

15時頃から目に付き、17時を過ぎるとゴミ収集との戦いになる。

クリーン活動は、日中は街中を歩いて広い集めますが、

夜になると、なんと、交差点の四つ角にゴミ袋を持って立つ形になるそう。

ゴミ袋を広げた状態で持って立っているところに、来場者がどんどん捨てていくというスタイル。

暗いと歩いても見つけられないという事情と、

そうまでしないとすぐにあちこちにゴミの山が築かれてしまうという危機感が武田さんにはある。

それは、かつての川越まつりではそうだったという、苦い思い出から生まれたもの。

川越まつりの夜の交差点、辻といえば祭りの華の曳っかわせが行われますが、

華やかな曳っかわせから横を見ると・・・

以前は交差点の四つ角にゴミの山が高く築かれていたような時代があった。

昔の写真にはそれが写ってしまっているものも多くあるのです。

夜の時間帯をあえて進んで選び、川越まつりのクリーンを維持しようとする参加者も多くいるそう。

 

武田さんは、「川越祭り会場クリーン活動は始めは4、5人から始めたことだった」と話し、

 

今では大勢の人が参加してくれることに手応えを感じている。

(JT川越営業所協賛の携帯灰皿もテントで配布していました)

 

クリーン&ハートフル川越は普段のクリーン活動として、

 

月に四回川越駅を出発して市役所まで歩いてゴミを拾う市街地クリーン活動と、

月に一度、新河岸川の清掃も行っています。

そのような定期活動の他にも川越の行事と合わせてクリーン活動を行っていて、

2015年1月12日祝日、川越運動公園内の成人式会場でごみ拾いを行い、

新成人にクリーン活動の啓発を行っていたのが
「成人式会場クリーン活動」でした。

 

 

 

 

 

 

(2015年1月成人式会場クリーン活動 http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11979835741.html
これはは2001年から始め、誰でも参加することができ、

毎年参加している方に今回初参加の方も数人いました

今年集まっていたのは、13人。

揃いのゼッケンを身につけ、手には燃えるゴミと燃えないゴミ用の袋にトングを持ち、

運動公園内の各地へそれぞれ分かれて行きゴミを集めます。

目に付くところは既に綺麗にされゴミは少ないですが、注意しなくてはならないのは目に付かないところ。
風に運ばれてゴミが溜まったり、捨てられるのは大体隅っこの方です。

「植え込みとかに多いんですよ」と、テニスコートそばの植え込みに足を踏み入れると、

あった、あ、ここにも、とたばこの吸殻や空き缶が見つかった。

 

実はあの時の記事にも書いていたことが・・・

 

『注目すべきは、川越まつりの時にも清掃活動していることは知ってもらいたい事実。

川越まつりの二日間、赤い半被着用して、

市街地のまつり会場の清掃活動している人たちの姿を見た事あると思いますが、

あれにもかわごえ環境ネットのメンバーが参加して行っている。

川越まつりという二日間で100万人前後の来場者があるお祭りの会場では、

ゴミ問題も一方で大きなテーマであり、

こういう方たちの活動があって、気持ち良くお祭りが運営されている。

「川越まつりの時のゴミは本当に凄いんですよ。拾うのはもちろん、

袋持って立っているだけでお客さんがゴミを入れていく」

くらいの混雑ぶりになります。
川越まつりでは、携帯灰皿も500個配布しました。』

 

というように、川越のクリーン活動を点で紹介していたものが、

 

実はこうして線で繋がっていることを分かって頂けるでしょうか。

 

さらに今月、2015年10月4日(日)に開催された

 

「アースデイ・イン・川越立門前2015」。

クリー&ハートフル川越の代表だけでなく、

アースデイの実行委員長も兼ねているのが武田さんでもあります。

 

 

 

 

(2015年10月4日アースデイ・イン・川越立門前 

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11632764077.html

会場となったのは川越の歴史的名所でもある、蓮馨寺、鶴川座、熊野神社、旧川越織物市場。

環境取り組みの活動紹介や国際交流、さまざまなワークショップが用意され、

今年でなんと17回目となる開催も多くの人で賑わいました。

アースデイで興味深い取り組みとしてエコマネー発行がありました。

会場でアンケートや体験などをするとエコマネーがもらえ、

1アース=1円として協力店で実際のお金として使うことができるという内容。

アースデイの時にエコマネーを使えるお店としては、

松山だんご店、

まことや、花鐡、吉岡金物店、桜井商店、トミオカ靴店、

轟屋、

zakka39saku、

cefeスピカ、

おびつ玩具店、

東屋精肉店、

にび堂、

富久屋、

大野屋、

謙受堂書店、

味の店いせや、

ヨシダデンキ、

伊勢源酒店、

テイク松定、

亀屋本店、

信栄堂、

マルデン、

呉服笠間、

大黒屋米穀店、

松津園茶舗、

麻彦商店、

トシノコーヒー、

福々スタンド、

ワインスタンドPON、

黄門そば、

川越らーめんこひや、

フナヤマ時計店、

シマノコーヒー大正館、

あさひ堂菓子店、

真南風、

亀屋本店、

などのお店で使うことができ、商店街も一体となってアースデイを盛り上げています。

 

そして、アースデイとクリー&ハートフル川越を兼ねているからこそ、

 

この川越祭り会場クリーン活動にも同じ内容を導入し、

川越祭りのクリーン活動に参加してくれた人には300アースを進呈する仕組みになっていた。

そのアースを使ってまことやさんの焼きそばを買ったりと、

クリーン活動の後に川越まつりを楽しむことができる。

 

テントから見る通りは、時間が経つごとに人が増えていくのが手に取るように分かり、

 

川越まつりらしい雰囲気に包まれていった。

11時からの回の人が帰ってしばらくすると、

今度は13時の回のクリーン活動に現れたのが、東洋大学の大学生二人、

クリーン活動には初参加ということでした。

武田さんからルートの説明を受けると、二人は軍手をはめ、ゴミ袋とトングを手に持ち、

さらに観光客に川越まつりのことを聞かれた時のためにパンフレットを忍ばせる。

クリーン活動をしているといろんな声をかけられるのだそうで、

「山車はどこで見られるのか?」

「曳っかわせはどこで?」

「駅はどちらの方向か?」という定番の質問だけでなく、

「焼きそばの屋台はどこ?」「たこ焼き」「綿あめ」「ケパブの屋台は?」

など難易度の高い質問に遭遇することがある。

二人のうち一人は川越が地元ということで、川越の道や川越まつりのことも詳しい。

早速川越まつり会場へと飛び出していきました。

 

お囃子が響く本川越駅から中央通りを北へ。

 

二人は道の両側に分かれてゴミを探す。

クリーン活動に焦点を定めてまつり会場を見ると、

人の流れの中で前後左右へと違う動き方と、

山車を見上げる観光客の視線とは対照的に、視線を落としながら進むクリーン活動の姿は、

川越まつりの風景というのを改めて考えさせられるようでした。





 

 

 

 

まだ昼過ぎという時間帯で、分かりやすいゴミ、

例えば屋台のプラスチックゴミや箸などは落ちていませんが、

それでも注意深く道を見ている二人は次々に見つけていく。

パっと見ただけでは綺麗に見えても、二人の目にはまた違うように見える。

「あ、ここにもありました」

トングで掴み取ったのは、食べかす、容器からこぼれたであろうポテトでした。

他にもタバコの吸殻はあちこちで見つかり、

このルートは11時からの前時間帯でゴミを拾っているにもかかわらず、

すぐにまた新しいゴミが見つかるという状況でした。

「おっと、ここにも」「こういうのも落ちてます」

ビールの小瓶にチョコバナナの棒を拾う。

まつり会場はやはり、食べ歩いている方が本当に多い。

小さいゴミですが、小さいゴミを小さいうちに拾っていくことが大事で、

一つのゴミが落ちていると次のゴミを呼び、どんどん増えていくという悪循環に陥る。

祭り会場でよく、ゴミの山を見かけることがあると思いますが、

あれは例えば、自販機横の小さなゴミ箱に祭りのゴミを捨てられてすぐに一杯になり、

しかし捨てる人は「もう捨てるのはやめよう」ではなく、

そこはゴミ捨て場だと受け取って、あるいは他の人も捨ててるんだからとさらにゴミが積まれ、

あっという間に山になっていく、ということなんです。

その循環を武田さんは、ゴミはゴミを呼ぶ、と表現していました。

だから、大学生二人が「まだ小さいゴミしか落ちてませんね」というのはとても大事な状態で

これをどこまで維持できるかという戦いでもあります。

 

連雀町交差点からさらに北へ。

 

仲町交差点が近づいてくると、人が埋まっている状況に遭遇。

17日のこの時間だと、そう、神幸祭のタイミングなので、通りは人でぎゅうぎゅう詰めになっているのだ。

本来はここをまっすぐ行って一番街を進みたかった二人は、

別ルートを先に進んから一番街へ行こうと判断した。

来た道を戻り、脇道へ入っていく。こういうのは地元民ならではの機転。

大正浪漫夢通りから川越商工会議所の通りへ出ると、

ちょうどこれから山車がやって来るところだったので、上手く迂回することができた。

山車の先頭に立って、地面に視線を落として進む二人。

美味しそうな香りが漂い、吸い寄せられるように屋台に近づく人がいる。

「意外に屋台の近くはゴミが多いですね」と一人が呟く。

ここまでクリーン活動をしてきた二人は、だんだんと祭り会場の傾向を把握したよう。

単純に食べかすが落ちているだけでなく、

屋台にゴミ箱が見当たらず、でも屋台の人に声かけるのも気後れし、なんとなく捨ててしまう。?

屋台周りだけでなく、ゴミに関しては結局、なんとなく、という心理が一番大きいのかもしれません。

 

川越街道の交差点は人で埋まって進めないということで、

 

二人は一旦時の鐘裏通りを北上してから川越街道へ出て、市役所を目指す。

後ろからも前からもお囃子が響いてきます。

 

二人がいるにもかかわらず、目の前でゴミを落としていく人に

 

「残念な気持ちになりますね」とぼそっと口にしつつも

しかし、「捨てていいですか?」と二人に声をかけて

ゴミ袋にソフトクリームの紙を入れていくような人もいる。

「ごくろうさま」と声をかける人もいる。

通りすがりの人が「ボランティアさんがいるんだね」と感心したように話しているのが届いてきた。

祭りを楽しみながらも彼らの姿を見えている人には見えているし、

川越まつり会場を綺麗にするだけでなく、川越まつりのイメージを向上させている活動でもあります。





市役所近くに来ると数台の山車が集まる山車揃いの時間になろうとしていた。

六軒町の山車が留まっているその横をすり抜けるように歩いていく。

その最中も側溝に落ちているゴミを拾い、進んでいく二人。

山車が居並ぶ壮観な光景をしばらく見つめた後、

二人は市役所を後にして、札の辻交差点方面へと歩いていきました。


一番街を今度は南下していくと、ここは屋台の出店がないので安心、かと思いきや

タバコなどの吸殻を拾い上げていくのだった。

さらに二人が並んで集中的に熱心に拾い集めていた箇所があって、試食コーナーの周りでした。

試食といえば、つまようじ。地面に散乱していたのです。

普段であれば、試食のつまようじはゴミ袋に当然のように捨てているでしょうが、

祭りの雰囲気の中だと、なんとなく、地面に捨ててしまう心理になるのでしょうか。




 

一番街から仲町交差点、そして中央通りから本川越駅まで来た道を戻ります。

 

一時間半ほど前にこの道を北上してきたばかりなのに、もうまた新たなゴミを拾う二人、

道全体をくまなく見回し、せっせと集めていきます。

本川越駅に戻ってきたのが15時頃、

本川越駅から市役所を回って一番街を南下してきた2時間のクリーン活動でした。


 

拾ったゴミは設営されたごみ箱に分別してまとめられました。

 

川越まつり、一日でそれぞれ180袋くらいいくそうで、

それはこの場所のごみ箱だけの話しで、会場全体のゴミはさらに圧倒的な量になります。

各地のごみ箱のゴミを、さらに数ヶ所の集積所にまとめられて最終的に回収される、

という段取りになっているのが川越まつりのゴミ問題。

 

クリーン活動は、この後15時~の人たちも出発していって、

 

17時、19時とさらに増えていくゴミに対応していきました。
川越まつりは会場が綺麗、と言われることがありますが、

その裏にはこうした活動に参加している市民がいます。

10月17日川越まつりはまだ始まったばかりで、

二日目最終日は晴れの予報にさらに来場者が増えることが予想される。

同時に二日目も川越祭り会場クリーン活動は行われ、最高に盛り上がるお祭りを支えます。

 

川越まつりは最終日へと入っていきます。