東武東上線鶴ヶ島駅西口前から歩いてほんのすぐ、
駅前の喧騒が嘘のように遠くなっていき、
頭上で緑茂る木のトンネルを抜けると現れるのが「アルカーサル迎賓館川越」。
川越の鯨井にある結婚式場です。
特に今の時季の濃い緑は、建物をより美しく引き立てるようで、神秘的に浮き上がらせていました。
建物に近づいていくと耳にはっきりしてくる賑やかな声、
外にはグルメ屋台が何店も出店し、お祭りのような雰囲気。
次々に来場者が建物内に引き込まれていきました。
ここでこの日、開催されていたのは・・・結婚式、ではなく、ハンドメイド雑貨イベントだったのです。
扉から中に入ると、いつもなら若干緊張した面持ちで居るようなこの場所も、
こんなに気軽に入っていることに自ら驚く。
その空間は、
ホワイトが基調の明るい空間に温もりを感じる木の質感がアクセントになっていて。
大きな窓ガラスからは陽光がたっぷり注ぎ込み、
まばゆいばかりの広い空間にたくさんの出展ブースが並んでいました。
結婚式場という非日常の空間に、数々の雑貨が並んだ非日常の光景が広がり、
2015年8月12日アルカーサル迎賓館内を存分に使用して、
開催されたハンドメイド雑貨イベントが「雅市(みやびいち) Vol.5」。
雑貨、アクセサリー、陶器、似顔絵、布小物、服、布ナプキン、筆文字ことだま、
クラフトアート、カードリーディング、ガラスアクセサリー、リフレクソロジー、
ブレスレット作り、サンキャッチャー、フラワーアレンジメント、パン、野菜など
40店ほどの出展が並んでいました。
出展者の手仕事品と洋館との雰囲気がまたぴったりで、
オリジナルカチューシャ作りなどワークショップもたくさん。
他にもダンホール迷路やベーゴマ、布ナプキンの会、ダンスショーと盛りだくさんの内容でした。
14時からの抽選会では、プレゼントとして
「アルカーサル迎賓館・お食事特別ご招待ペアチケット」2万円相当のお食事券が用意されていました。
雅市は今回で5回目、アルカーサルを会場とするのは今回で3回目です。
雅市は、主催の宮沢さんがアルカーサル迎賓館川越の会場を借りて運営しているイベントです。
結婚式場がこのようなイベントに開放していることが珍しい。
人気結婚式場だけあって式で埋まっている日が多い中、
空いている日に雅市開催で貸している。
もともと人口が多い地域で若い家族も多く、さらに夏休みということもあって、
館内には大勢の家族連れがやって来ていました。
「雅市としては今までで一番の人出だと思います」
と5回目の手応えを感じていました。
普段のアルカーサルは、正装して足を踏み入れる場所でありますが、
こういうイベントだと普段着で気兼ねなく入り、楽しむことができる。
もちろんそれはアルカーサルも考えていることで、
「地域の方に親しまれる場所でありたい」と
雅市では会場セッティングや照明など積極的に運営のサポートをしています。
式やパーティの前、ゲストが使う広々としたウェイティングルームも、
この日は雅市来場者が寛ぐスペースに。
パーティでは、友達同士、色鮮やかなカクテルをオーダーして歓談するバーカウンターも
この日はイベント用のドリンクを販売していました。
館内のマール会場は癒し系、スピリチュアル、リフレのブースが並んでいる。
通路を挟んでシエロ会場では、雑貨系、アパレル、ワークショップのブースがずらり。
カラーコンサルタントの満月まいさんは、
遠隔身体調整&パワーストーンブレスづくり&販売で出展。
これから本格的に始まる、
日本おうちサロンマップ協会川越支部の支部長に任命され、
(チラシを手にやる気十分! おうちサロンマップHP http://outisaron.jimdo.com/ )
ムーンルームでは、10:30~15:00の間で、
講師柏井さんによるワークショップやセミナーなど布ナプキンの会も開催されていました。
雑貨やワークショップの出店だけでなく、
ダンスパフォーマンスが時間帯により断続的に披露されるのも雅市の特色。
館内のシエロ会場に太鼓が打ち鳴らされ、掛け声が響き渡ると、アフリカンダンスが始まりました。
ノリのいい曲に来場者も一緒になって踊りだす。
毎回出演しているというアフリカンダンスは、日本人チームに
・・・と、しばらくしてまた音楽が聴こえてきたら、
各国のダンスが続き、アルカーサルの洋館の雰囲気と相まって、
なんだか国際交流フェスタのような雰囲気に。
さらには、ベリーダンスでお馴染みのLilaさんもこの後に登場していました。
Lilaさんはこの数日前に自主イベント「無限の光」をウェスタ川越で開催したばかり。
(2015年8月9日アミターユベリーダンス教室無限の光
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12060350737.html )
引っ張りだこのLilaさんはアルカーサルでも華麗なダンスを披露した。
イベントの雰囲気が、会場となる場所の雰囲気に大きく左右されることは周知のことですが、
川越だと南大塚の栗原造園や川越織物市場など、
場所の雰囲気によってイベントの魅力がさらに高まる例は多い。
(栗原造園春のオープンガーデン http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12028474630.html )
(アートクラフト手づくり市 川越織物市場2014
http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11953890056.html )
他にも、笠幡のMAISON BLANCHE +(メゾンブランシェ プルシュ)のイベントや
菓子屋横丁近くにもっこ館など、素敵な場所と素敵なイベントの良いマリアージュはありますが、
そういう場所はそうそうあるものではない、
もうさすがに川越に、そんな場所は出てこないだろうと思っていましたが、
川越の西の端、鶴ヶ島市との境にあったとは。。。
それが洋館のような結婚式場という他にはもうないシチュエーション。
雅市の主催者の宮沢さんは、もともとは焼き菓子やネイルなどでイベントに出展する側でしたが、
主催者として雅市というイベントを初めて開催したのが2015年3月のことでした。
日高市にある永澤酒造で計5店舗の出展で開催したのが雅市の始まり。
「お酒のイベントで、米蔵内に雑貨が出展するというスタイルだったんです」と当時を振り返る。
その後、アルカーサルで雑貨イベントのことが話題になると、支配人から
「ぜひうちでもやりましょう」と
翌4月には雅市inアルカーサル迎賓館川越の話しが進み実現したのだといいます。
6月には永澤酒造とアルカーサルで二回開催し、
この時のアルカーサルでは、チャペルコンサートも開かれました。
アルカーサル迎賓館川越の「セント・ラファエル・チャーチ」は由緒正しい正統派の教会。
アンティークな木彫の設えは、荘厳で温かな雰囲気を醸し出している。
壮大なステンドグラスから七色の光が降り注ぐ中、白いバージンロードはどこまでも美しく清らか。
ハーブの演奏に合わせたアカペラコンサートは、観る者聴く者を魅了しました。
(雅市Vol.4チャペルコンサートより)
そして、この2015年8月のアルカーサルで5回目の雅市開催となりました。
アルカーサルとしても、もちろん結婚式場が本筋としてあっても
「地域の活性化のためにいろいろ協力していきたい」と支配人は話していました。
場所柄鶴ヶ島との連携は深く、
例えば鶴ヶ島をお笑いで盛り上げる「G-1グランプリinつるがしま」の予選会は、
アルカーサルを会場として提供している。
1回目の時の雅市の出展5店も、その後20店、今回の40店も、
知り合いか、知り合いの知り合いかという繋がりの中で出展してもらっているという。
「出展者さん同士が仲良くなって欲しいんです」
と宮沢さんは話す。
宮沢さんが考える雅市は、その日集まってその日だけの関係ではなく、
出展者みんなが顔見知りになって仲良くなることで広がっていって欲しい、と。
それでイベント全体の雰囲気がアットホームなものになれば、
お客さんにも温もり感が伝わって居心地良いものになるはず、と。
ハンドメイド雑貨のイベントは各地で開催されていますが、
雑貨だけでなく、料理や音楽、パフォーマンスを含めた総合的な雑貨イベントが多くなってきている最近。
中でも食べ物の出展が、料理だけでなく、
採れたて農産物の販売をよく見かけるようになってきたのは時代なんでしょう。
この日はウェイティングルームに外池農園の野菜が出展していました。
地域の食、農産物が多くの人に見直され始めていることは、川越Farmer'sMarketでも感じていること。
雑貨と農産物、以前なら雑貨イベントで二つが並んだ風景は違和感があったかもしれませんが、
今の時代しっくりくるどころか、なんの境界線もなく共存しています。
ハンドメイド雑貨と丁寧に育てられた農産物は、
どこか根底で繋がっているものがあるのはみな気付き始めているのだと思います。
宮沢さんも食というものを大事にしていて、
「雅市では農産物もっともっと増やしていきたい」と話している。
マール会場の入口に出展していた「つぶつぶミラクルキッチン」さんは、雅市では定番の出展。
あわ、ひえ、きび、キヌアなど雑穀食を料理教室などを通して広める活動をしている。
今回は試食を提供していました。
さらに深谷や熊谷からパン屋さんやパウンドケーキの出展があり、食の豊かさも雅市にはあります。
宮沢さん自身も、雅市にはじゃがいもや畑を元気にするボカシを出品していました。
実は、宮沢さんと柏井さんは、
7月12日の川越Farmer'sMarketに出店者のお手伝いとして蓮馨寺にやって来ていたのです。
次回のFarmer'sMarketは出展者として参加してくれると思います。
どんな素敵な会場であっても、それを生かさないと世界観は作れない。
宮沢さんは、アルカーサルという建物でどう雅市を開催するか、綿密に考え、
それ以前に雅市というイベントがどうあるべきか、コンセプトを固めています。
単に賑やかになればいい、ではなく、そこで何を伝えたいのか、
核となるメッセージがあるから出展者も決まり、全体の個性が作られていく。
環境意識の高い宮沢さんだからこそ、
布ナプキンの会があったり、食・農産物の出展が充実していたり、と
他にはない雰囲気になっています。
回を追うごとに浸透していっている雅市、
次回Vol.6は、10月10、11日の2日間、
東松山のカフェレストラン・プランタンで開催することが決定している。
また、アルカーサル迎賓館川越での開催は、
来年1月6日に雅市vol.7として予定されています。
唯一無二のアルカーサル迎賓館川越という場所で開催される雅市、