川越style「ソンクラーン」タイ王国旧正月水かけ祭り 名細市民センター 埼玉県在住タイ人クラブ | 「小江戸川越STYLE」

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会場の一角に大事そうに仏像が置かれ、仏像の下に色とりどりの花々が飾られ、いい香りが漂っていました。
水が入れられた容器にも花を一面に浮かべられ、訪れた人は容器で水をすくい、仏像の前で手を合わせてから水をかけていきました。

そして、次に並んでいる人も同じように繰り返す。また後ろにも続々と人が並び、賑やかながらも落ち着いた雰囲気に包まれていました。

 

「サバーイ・サバーイになりますように」
 

サバーイ・サバーイとはタイ語で、悩みがないこと、気持ちが楽になること、運をもらうことの意。
そう祈りを込めて次々と水をかけていく姿が絶えませんでした。

本場タイと同じやり方でタイ人たちによるソンクラーンが、川越で開催され続けている。
2010年に始まり、今年で7回目の開催となりました。

2019年6月9日(日)川越市名細市民センターで開催されたのが、タイ王国旧正月水かけ祭り「ソンクラーン」。

会場には、各地のタイ人はもちろん、日本人も数多く訪れ、活発な交流が行われました。

誰でも参加することができ、タイの伝統文化などを体験できる機会となっています。

「ソンクラーン」

2019年6月9日(日)10:30~15:30

川越市名細市民センター 川越市小堤662-1

入場料:無料

飲食代:大人1,000円、小学生以上500円

アクセス:

・東武東上線鶴ヶ島駅西口又は霞ケ関北口から「シャトルバス10系統」乗車、「名細市民センター」降車徒歩1分

・東武東上線鶴ヶ島駅降車徒歩20分

主催:埼玉県在住タイ人クラブ

協力:タイ王国大使館、川越市、埼玉・タイ王国友好協会、バーンラバムタイ舞踊団、タイレストラン「サバーイ・サバーイ」、タイ料理カオスワイ

 

水かけ祭り、ステージでのタイ舞踊などのパフォーマンス、タイの飲食、ソムタムコンテスト、民族衣装ショー、タイの文化体験など、ソンクラーンを通してタイの理解を深め、日タイの交流を図っている。

埼玉県でソンクラーンが行われているのは数えるほどで、中でも川越で開催されているのは相当な規模です。

 

「ソンクラーン(水かけ祭り)」とは、タイ人にとって重要で伝統的な旧正月で、人々は尊敬の意を込めて両親や祖父母の両手に水を注ぎ、また贈り物をしたり敬意を示します。
この習慣は、それまでに積んできた功徳を祖父母に捧げたり、年長者が年少者に幸福を願う意味があります。
また、仏教の年初めを祝福する意味もあるので、仏像に水をかけ、お清めします。

日本人がお正月にお寺や神社に参拝するのと同じように、タイ人たちは毎年4月13日、14日、15日に迎えるお正月に地元のお寺へお参りに行く。

仏像に並ぶ人の列は、日本の初詣でできる列と同じような雰囲気。

 

ソンクラーンはもともと、タイで一年で最も暑い4月、農作業が一段落する時期に行われるようになりました。
タイ人にとっては一年の中でも最も大事な一大行事で、遠方に住む人もその時期はそれぞれの故郷に帰ってソンクラーンを迎えるのが一般的。
そうして光景も日本の正月と同じで、都市から地方に向かう交通機関はどこも大混雑という状況も日本と同じよう。
水かけ祭りという名称だと、日本のイベントでは激しく水をかけ合う光景が見られますが、本来の、タイの水かけ祭り(ソンクラーン)は、極めて落ち着いた雰囲気の伝統行事。落ち着きの中にも、お寺にお参りした後にみんなで水をかけ合ったり、白いパウダーを水に溶かして顔に塗り合ったりするのもソンクラーンならではで(顔に塗り合うのは、水で清める意味とともに冷たさが気持ちいいから)、その部分がタイ人らしいノリで、拡大解釈されて日本に伝わっていたりする。
 

ソンクラーンの主催は埼玉県を代表する日タイの架け橋団体、埼玉県在住タイ人クラブです。
埼玉県在住タイ人クラブは、埼玉県在住のタイ人が中心となってタイと日本の文化や伝統を共有し、文化交流を深めるための会です。2008年発足。
埼玉県に住むタイ人のコミュニティであり、タイ人だけでなく、タイの言葉や文化を知りたいという日本人も多数入っています。
実は日本人も会の運営に深く関わって、ソンクラーンなどの行事を支えている裏側がある。
ソンクラーンは、以前は伊勢原公民館で開催していました。






(2015年ソンクラーン 伊勢原公民館)

 

埼玉県在住タイ人クラブの普段の活動としては、伊勢原公民館やクラッセ川越で、タイ人が日本人にタイ語教室を開いたり、反対にタイ人クラブに入っている日本人がタイ人に日本語を教えたり、生活相談にのったりと、日頃から活発な活動をしています。

(クラッセ川越にて埼玉県タイ人クラブの活動)

埼玉県在住タイ人クラブの活動が川越で多いのは、代表のラタナスックシー・スパタラさんや役員たちが川越在住であることも大きい。
タイ人クラブのメンバーの拠点にもなっている西武新宿線南大塚駅近くにあるタイ料理の「サバーイ・サバーイ」さんにはタイ人たちの姿がよく見られる。
タイ人たちの結びつきの強さ、コミュニティの濃さには圧倒されるばかり。


川越には在住タイ人だけでなく、タイ人観光客も多い街。一番街商店街周辺では、タイ語がよく飛び交い、タイ語を聞かない日は国人の中で状況。埼玉県・川越市にとって隣人のような身近な存在がタイ人。

埼玉県在住タイ人クラブは各地のイベントに出店することが多く、異文化交流と国際ボランティアの祭典として、かわごえ国際ボランティアの会主催で毎年11月に蓮馨寺で開催されている、「かわごえ国際交流フェスタ」には恒例出店している。

 

(川越style「かわごえ国際交流フェスタ」川越の国際交流イベント 毎年11月上旬蓮馨寺にて開催

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12097280630.html

 

川越の11月は国際交流月間とも言うべき月で、国際交流をテーマにした大規模なイベントが開催され、定着しています。

蓮馨寺をメイン会場に開催されている、「復活!唐人揃い―朝鮮通信使―多文化共生・国際交流パレード」にもタイ人クラブは恒例参加。

 

(川越style「第14回川越唐人揃いパレード」―朝鮮通信使―多文化共生・国際交流パレード

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12425865012.html

「私たちは、川越市を中心に、タイ王国と日本の文化交流活動を行っています。

本日のパレードの衣装は、タイ王国の国旗カラー「青、白、赤」をモチーフにしています。

青は国王、白は宗教、赤は民族を象徴しています。

また、本日は『剛柔流空手道』のメンバーもパレードに参加しています。

毎年、埼玉県チャンピオンや数々の全日本チャンピオン、メダリストを輩出している道場です。

タイ人クラブとは、スパタラー会長が、タイ王国代表の空手選手としてアジア大会でメダルを獲得した縁があります。」


1887年に日タイ修好宣言が調印されてからちょど130年、2017年は長年の交流を基盤に日本とタイがお互いの理解を深め、さらなる絆を生み出す年(日タイ交流年)として各地で催しが行われた。

タイ王国の9世を偲んでタイ舞踊を捧げ、日タイ文化体験をテーマに、2017年10月8日(日)名細市民センターで開催されたのが、「日タイ修好130周年in埼玉」でした。

(川越style「日タイ修好130周年in埼玉」名細市民センター 埼玉県在住タイ人クラブ
https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12319141894.html


川越とタイの大きな話題としては、2020年東京オリンピック・パラリンピック。
2019年年4月26日、東京オリンピック・パラリンピックにおいて川越市は、タイ王国を相手とするホストタウンに登録されました。
2019年2月にはタイ王国空手連盟と事前トレーニングキャンプに関する協定を締結。
今後は、事前トレーニングキャンプの受入れに加え、スポーツや文化など様々なイベントを通してタイ王国との交流をより一層深めていきます。
「ホストタウン」とは
『2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向け、スポーツ立国、グローバル化の推進、地域の活性化、観光振興等に資する観点から、全国の地方公共団体が、大会参加国・地域との人的・経済的・文化的な相互交流を図ることを目的とした国の制度です。』
■川越市交流計画の概要
・キャンプ受入準備
・タイの空手競技選手・関係者との交流
・タイの文化の紹介、市民との交流
・日本人オリンピアン・パラリンピアンとの交流
■タイ王国との交流事例
・タイ王国シャシェンサオ空手チームの来日
平成30年12月、タイ王国空手連盟所属のジュニア選手団は川越市を訪問し、川越運動公園・総合体育館にて空手の強化合宿を行いました。
■タイ王国旧お正月水かけ祭り
令和元年6月9日(日曜)に名細市民センターで「水かけ祭り(ソンクラーン)」が開催され、川合善明市長も参加しました。「水かけ祭り」とは、タイ王国の伝統行事で、タイの人々は敬意を込めて、両親や祖父母など年長者の両手に静かに水を注ぎます。

日タイ交流の機運を高めようと、上記、かわごえ国際交流フェスタを主催している、かわごえ国際ボランティアの会が2019年6月に南公民館で開催したのが、「多文化交流inかわごえ」。
川越のタイ料理店のシェフに家庭でできるタイ料理を教えてもらおう!という内容。

参加者は、カオマンガイやココナッツミルク、ヤムウンセンといった本格的な料理に挑戦し、タイの食文化に触れていました。


大きな注目が集まっている、タイと川越。

特にオリンピックの影響、川越市広報に表紙掲載の効果もあり、2019年のソンクラーンは、いつにも増して大勢の人が詰めかけていました。

会場は、右を見ても左も見てもタイ人たちの姿がありタイ語が飛び交い、元気な笑い声があちこちから飛んでくる。まさにタイにいるのと変わらない。

タイ人クラブのメンバーが会場を見渡し、驚きを声をあげました。

「今年は人が凄い!こんなに日本人が来てくれるなんて!」

名細市民センターホールは座席は全て埋まり、座り見する人も合わせ満員御礼となっていました。日本人の姿も多く見られた。タイのお祭りであるが、日タイ交流イベントでもあるので、日本人に楽しんでもらおうとする趣旨でもあるのだ。

ソンクラーン タイムスケジュール

10:30 開会式
10:50 タイ舞踊
11:00 ソンクラーンの儀式 同時にタイ楽器の演奏
11:30 沼田浩正によるタイ歌
11:40 子供の民族衣装ショー
12:30 食事
13:20 タイラーマ10世に祝いのタイ舞踊
13:45 タイ民謡ダンス
14:00 ベリーダンス
14:20 大人の民族衣装結果発表
14:30 集合写真
14:45 タイダンス「グローン・ヤーウ」+メドレー

15:00 閉会

 

10時半の開会式では、埼玉県在住タイ人クラブ代表スパタラーさんの挨拶に始まり、タイ王国公使参事官や川合川越市長の挨拶、来賓紹介があり、ソンクラーンが開会となりました。

開会式の後、タイ舞踊でソンクラーンの雰囲気は一気に高まる。

白い動物トーは想像の生き物で、9種類の動物の一部分を合わせた生き物。

 

その後、ソンクラーンの大事な儀式へと続いていきます。
前方のテーブル席に来賓が座り、タイ人クラブや来場者が水を満たした容器を手に持ち、来賓の一人一人の手に水を少しずつかけていく。
11:00 ソンクラーンの儀式 同時にタイ楽器の演奏

 

そして、ホールのステージでは次々と催しが行われていきました。
11:30 沼田浩正によるタイ歌

 

ソンクラーンの催しで、ホール内にひと際大きな声援が響いていたのが、子どもたちによる民族衣装ショー。
タイ伝統の民族衣装に身を包んだ子どもたちが登場し、司会の質問に緊張した面持ちながら元気よく答えていきました。

参加した子どもたちには参加者賞が贈られ、みんな笑顔に。
11:40 子供の民族衣装ショー

 

来場者にタイの文化を体験してもらおうと、会場ではコースター・タペストリー作りのワークショップもあり。



12時半になると食事タイム。

ソンクラーンは、入場無料で誰でも楽しめるものですが、昼食は別途有料で受付にて大人1000円で飲食チケットを配布。

大人1,000円で、カオマンガイ、タイラーメン、ガパオ、レッドカレー炒め、おつまみを提供するというタイ人クラブらしい大盤振る舞い。

調理をメインに担当していたのは、タイ料理店「サバーイ・サバーイ」さんや「カオスワイ」。

お店を同じ味を提供しているということで、ソンクラーンは食事も目玉でこれを目当てにしている人も多数いる。

タイラーメンやガパオは日本でも馴染みになっていますが、日本人が作るタイ料理とタイ人のそれはやはり違い、タイ人にしか出せないタイ料理の味がある。

本場タイの食文化を体験して、タイがより身近に感じられるようでした。

他にも、テラスの一角でタイ人による「ソムタムコンテスト」が行われていたのも目を引いた。

3人のタイ人女性がそれぞれ自信の「ソムタム」をその場で作り、来場者に食べてもらって投票形式でグランプリを決めるというもの。

地域・作る人によって味が変わるソムタムは、味の違いを比べるのも楽しい。



午後もテラスではパフォーマンスが続き、タイラーマ10世に祝いのタイ舞踊、タイ民謡ダンスが披露されました。
13:20 タイラーマ10世に祝いのタイ舞踊
13:45 タイ民謡ダンス


続いて、ベリーダンスに登場するのは、川越市のベリーダンス教室「LILA BELLY DANCE〜リーラ ベリーダンス〜」さん。

主宰しているのが、ベリーダンサーLilaさんです。
「LILA BELLY DANCE〜リーラ ベリーダンス〜」

https://lila0921.wixsite.com/li-la

埼玉県在住タイ人クラブとLilaさんたちはこれまで、小江戸蔵里で開催されていた「KOEDOアジアフェス」や「小江戸タイフェス」、過去のソンクラーンにも出演しています。

タイ人たちのノリに見事に共鳴し、タイダンスとベリーダンスの競演を魅せてきた。

この日は、生徒さんと先生のLilaさんが華麗な踊りで観客を魅力しました。
14:00 ベリーダンス

 

室内ホールで行われた子供民族衣装ショーに続き、テラスでは、大人の民族衣装コンテストが行われました。

審査員の審査により、タイの衣装を最も美しく着こなした人の賞とタイの衣装のアイディア賞の二人が選ばれました。

14:20 大人の民族衣装結果発表

 

プログラムの最後は恒例、

「最後はみんなで踊りましょう!!」とこの日を締めくくる大団円のダンスタイムとなり、出演者、タイ人クラブの面々、そして来場者が一体となって輪になって笑顔で踊り合いました。
ここに、真の国際交流がありました。
14:45 タイダンス「グローン・ヤーウ」+メドレー


 

一日を通して賑わったソンクラーンは、

日本人からは、「タイの文化を知ることができた」、

タイ人からは、「こんなにたくさんの日本人が来てくれるなんて!タイを知ってもらえて嬉しい」と双方共に笑顔で幕を閉じました。

会場はタイ人たちの笑い声が終始溢れ、それにつられて日本人もいつの間にか笑顔に、自然な形での国際交流がありました。

 

東京オリンピック・パラリンピックを契機にして、日タイの交流はこれからますます深まっていくはずです。