「アートクラフト手づくり市in織物市場 2013」新たな原点回帰。そして壮大な夢へ | 「小江戸川越STYLE」

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「時が人を結ぶまち川越」
川越のヒト・コト・モノ、川越物語りメディア、小江戸川越STYLE。
川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真


2013年11月16日、17日に開催された


「あるってアート’13 PETIT ミュージアムロードto織物市場

&アートクラフト手づくり市in織物市場」


この二日間で、アートフラッグを作るワークショップが開かれたり、

アートガイド「まちアート発見!」ツアーが開催され、

アーティストに出会い、アートの道を歩き、

アートが川越の街を彩りました。♪

去年に引き続き、2回目となる開催です。


そして、目玉イベントだったのが、

両日開催され2000人の方が訪れた、


「アートクラフト手づくり市in織物市場」です。


川越の織物市場に40近くの手づくりにこだわる作家さんやお店が出店し、

幸せな時間が満ちていましたよ。♪

主催は「アルテクルブ」。

そして南通町にある、「ソコノワ 」さんがいろいろな協力をしていて、

作家さんの紹介も行っています。


この建物に今の作家さんの物。

素敵にブレンドされた時間に、

みなさんゆったりと浸っていましたね。♪



織物市場が今残っている経緯、残す意味、

これからどう活用していくのか、

様々な想いの糸が縦横に交錯し

壮大な夢をまさに紡ごうとしている、

あの建物へ向かいました。



☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*



織物市場があるのは、

川越の大正浪漫夢通りから脇道に入った所にあります。


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この交差点を右へ。

蓮馨寺の山門から真っ直ぐ進む形ですね。♪

雑貨の「39saku」を通り過ぎて少し行くと、

いきなりタイムスリップしたかのような、

とびきりレトロな建物が左に見えてきて。。。


そこが会場の入口。



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入口に出店していたのは、

市立美術館、本の太陽堂、スカラ座、バニトイベーグルでした。♪


織物市場というのは、

ここからまた細い砂利道を進んだ先にあるので、

通りからは見えない。

場所がいまいち知られていないのが難点だった。。。


去年との違いとして・・・

この入口の建物を使用していたのが、

通る方の目に止まりやすくて、

入口から活気に溢れていました。(*^o^*)

明らかに、去年より人の数が多いのを感じた。。。

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(今まで生活してきた中で、

この入口の建物が利用されている姿を初めてみました。

画期的だと思います!)

誰も使おうと思わなかったのか使えなかったのか、

でもこうして使ってみると、デザインがモダンだなと改めて思ったり。

古い建物の方が手づくり感あるので、

手づくりの物はよく合うと思ったり。♪



入口から砂利道に足を踏み入れると、

可愛らしいやき菓子の「toir(トイル)」が迎えてくれ、

d'icipeu(ディシプー)」

この時期らしい花とリースに出会いました。


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ディシプーが出店している、左の建物には、

右から読んで「栄養食配給所」と書かれた看板が見えますね。

この建物は、昔この周辺にあった製紙会社の機織工の方に、

お弁当を作って配っていた場所だそう。

今でいう給食センターのような場所でしょうか。(-^□^-)



以前、「川越織物市場の会」の方に

中を見せてもらった事があるのですが、

当時調理に使っていたであろう巨大釜が

そのままの形で残っていましたよ。!

(2013.03)
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ここは、こういう建物が集まる場所なんです。

栄養食配給所を通り過ぎ、

曲がった先に

いよいよ織物市場の建物が広がります。



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曲がり角に、「MilesAway」のハンバーガーが出店。(*^.^*)



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両サイドに続く織物市場の建物。

普段は一般公開されていませんが(月に一度ほど公開日あり)、

この日は軒下に所狭しとお店が出店していて、

それは、

織物市場のかつての賑わいを彷彿とさせるものだったかもですね。♪


真ん中の広場に設置されたベンチに、

思い思いにお茶や紅茶を飲み、パンを食べつつ、

目の前に広がる手づくりの物たちを眺める時間。



森田一世さんの陶器は、優しい雰囲気の器たちです。♪
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少し膨らみのある陶器がありました。

それは、「紙風船」をイメージしたもので、

焼く前に穴からフーって息吹き込んで

少し膨らませたものだそう。


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それでこの曲線ができるんですね♪

このほんのり膨らんだ感じがいいですよね。(-^□^-)




nimuの羊毛フェルトぬいぐるみ。
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ichikaの和小物。
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colorful earthの手漉き和紙
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帽子屋トーリの帽子。
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ポレポレのパン。♪
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軒下に並んでいる、まさに市の雰囲気。


・・・と、ここで、

織物市場で行うこのイベントの意味を、

主催のアルテクルブの草野さんに聞きました。


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「二つの想いがあるんですね。

こだわりのある物作りをしている若い作家さんを

応援しようというのが一つ。

それからここは、文化財に指定されていて、

この空間の活用の提案をしたいというのが一つ。


この手づくり市のような活用の仕方を見てもらえれば、

一般の人にもこの空間の特性が

具体的に目に見えるように分かってもらえんじゃないか、

という提案なんです。実験的な試みとして」


今までどう活用していけばいいのか模索していた、

川越織物市場の建物。

去年から草野さんたちが

若い作家さんの応援と空間活用という二つを合わせ

具体的な提案を始めた。



建物を残したい、活用したい、

多くの方がこの建物に関わり、建物の事を考えてきました。

なくなったら同じ物は作れない、

現実にそこに「在る事」が大事で意味がある事。


それでは、

ここまで人を引き付ける織物市場という建物は、

今までどんな経緯を辿った建物なんでしょうか。。。


振り返って核心に迫ります。。。



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■□■□■□■□■□



川越織物市場は、

明治43年に開場。

織物の問屋、取引所として、月に6回ほど定期市が開かれていました。


大正8年に市場としての機能を終了しますが、

ここから歴史の荒波に揉まれます。


市場としての使命を終えた建物は、

その後昭和10年くらいまで

なんと、住居として使われていた!

今で言う・・・アパートです。(*^o^*)

11所帯あった。
川越style




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(この中庭で、子どもたちが遊んだりラジオ体操していたと♪)


取引所としての建物だけど、

当時としては近代的で立派なアパートだったんではないでしょうか。


織物市場が盛んな地域、例えば

桐生や秩父、八王子、足利でも

同じような織物市場が建てられました。

しかし、

完全なそのままの形で残っているのは川越だけだそう。

窓も木戸も建てられた当時のままです。


川越style




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という貴重な建物なんですが、

その後、時を経て

さらに激動の波にさらされます。。。


2001.11.02 旧織物市場を解体し、マンションを建設する計画が発表される


2001.11.03 「旧川越織物市場の保存再生を考える会」が設立


2001.11.10 署名運動を開始したことが新聞各紙で報道


2001.11.29 保存を求める陳情署名13449名分を川越市に提出

(最終署名者数は20314名となり、翌年一月末に川越市に提出)


2001.12.08 マンション業者と地域住民の初会合

マンション業者側に織物市場の文化財としての価値を説明


2001.12.14 織物市場「敷地」について、川越市が地権者との間で

売買予約契約を締結し、仮登記


2001.12.17-18 川越市の委託を受けた協同組合伝統技法研究会による

建物現地調査(→旧織物市場の文化財的価値が確認される)


2001.12.19 さいたま地裁川越支部、市場棟解体禁止で仮処分

監視のための泊り込みを開始(翌年6月まで)


2002.03.23 講演会「川越織物市場 文化遺産とまちづくり」を開催


2002.04.24 織物市場の本来の所有者(川越織物工業小組合)によって、

処分禁止仮処分がなされ、建物の取壊しが法的に不可能に。


2002.04.28 川越市制施行80周年記念事業の「小江戸DEモード」において

「小江戸ベストマッチ団体賞」を受賞


2002.08.22 川越市と、川越織物市場の場所にマンション建築予定業者との間に

事実上の合意が成立。川越市土地開発公社は、8月22日、理事会を開催し、

土地を買収する議案を可決。


2002.11.14 川越市・川越市土地開発公社が旧川越市織物市場のマンション建設予定業者との間で、

川越市土地開発公社が敷地を購入し、建物はすべて川越市が寄付を受ける旨の契約を締結


2002.11.20 旧川越織物市場の建物の所有権に関する訴訟は、

本日、すべて和解により終了



■□■□■□■□■□



2003.01.19、「川越織物市場の会」が設立され、

お掃除会や見学会、シンポジウムなど

各種催しが定期的に開かれている建物です。


建物の具体的な活用として、

草野さんの目はずっと先を見ていました。


「川越全体がどうしたら上手くいくのかなって考えた時に、

ここ(織物市場)には、3軒全部で11所帯があって、

一つ一つのブースに若い作家さんに入って頂いて、

アーティストinレジデンスとしてやって頂く。


川越でやっているチャレンジショップみたいな、

チャレンジ工房をここでやっていく提案をしています。

ここに作家さんが住んで、時にハレのイベントが行われるという。


そうすればこの織物市場も活きてくるんじゃないかな」



アーティストにここに住んでもらって工房を開いてもらう。!

なんて凄い夢。♪
そこに、ソコノワの松村さんが言葉を繋げます。



「地元が川越っていうのが大きいんですけど、

こういう取り組みに寄与できる部分があればと思っています。

草野さんたちと協力的な形でやらせてもらって、

自分たちが動けてツテも広がっていけば、

もっと草野さんの力になれるんじゃないかと思います」



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コポリのフィッシュクリームパテのサンド。♪
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ひつじ小屋のぬ いぐるみ・キッチン小物
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(株)まちづくり山上の中津箒
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紅茶の時間のラムシャリマティー。♪
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この前、三番町ギャラリーの「GreenCraftの刺繍の宇宙展 」に続いての、

及川さんの紅茶タイム。

今日はオレンジスライスの上にアッサムの紅茶を注ぎ、

ラム酒をちょっぴり入れた創作紅茶、

ラムシャリマティーを頂きました。♪

ほっこりする及川さんの紅茶です。(*^o^*)



そして、最後に紹介したいのが、

admi(アドゥミ)の木版プリントの布。

これはソコノワさんにも常時置いてあるもので、
admiの布は、インドの伝統的技法で
一つ一つ手作りで作られているもの。
技法も素晴らしいけれど、なによりデザインが可愛いらしい。♪

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「admiの布は、オリジナルの柄を木版で、
一枚一枚手作りでプリントしています。
インドの伝統技法である木版プリントは、
手彫りの木版に染料をつけ、丁寧に布に手作業で押していきます。
木版を彫る職人、プリントをする職人、裁断して縫製する職人、
沢山の方の手仕事で出来上がっている布です」



admiさんは、大学卒業後、単身インドに渡り、
木版プリントをはじめとする、
手仕事により伝統的技法の素晴らしさ、温かみに感銘を受け、
admiを立ち上げた方。

デザイン、柄をadmiが担当し、
現地の職人さんにインドで作ってもらっているのがこの布たち。

木版プリントというのは、
木の判子ですよね。
それを手押しで一枚一枚押している。

押し加減やインク加減で、ズレや色ムラがあっても、
それはそれで味として素敵な風合いになっていて。



ここ川越織物市場は、もともとは織物の取引所だった。

そこではもちろん川越唐桟(とうざん)の取引も行われていたでしょう。

この場所は大正に入って廃れたけれど、

今、

現代的な意味として、

新たな原点回帰として、

手づくりの布生地が並んでいる事がなんだか不思議で象徴的です。♪


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川越織物市場。

この建物を残そう、活用しようという壮大な夢が

少しずつ少しずつ現実のものとなっていくといいですね。。。!

11所帯のアーティストの工房があって、

時にこのような市が開催される。

それは、想像するだけでワクワクする光景じゃないですか。♪


いろんな荒波を経て、

新たな姿に進む川越織物市場。

時代が変わっても、

手で作り上げる物にこだわった場所であって欲しい。

そんな願いを込めて。。。



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