昔、ミシン台として使われていた
年代物の台を什器にして、
そこにずらりと並んでいるのは
何十年も前の「家の光」のバックナンバーたち。
「家の光」
1925年(大正14年)に創刊された月刊誌。
現在も続いている総合家庭誌です。
このうち、
一冊を抜き出して見てみます。
昭和37年7月号の「家の光」85円。
中の目次を見ると・・・
・市場から見た秋野菜の有望品種
・ジベレリンの新しい用途
・ブロックを使った密閉堆肥舎の建て方
・特集、新時代の子どもの扱い方
現在ほど、子どもさんの家庭教育がむずかしい時代はないといわれる。
小、中学生をもつおかあさんの悩みに答える
・心地よい夏のねまき
・家計簿で描く豊かな生活
・ホームソングの踊り方
などなど。
遠い過去の日本の普通の生活風景が、
すぐ手元に実感として現れます。♪
暮しの手帳に、婦人生活、婦人倶楽部。
昔の女性誌のバックナンバーが豊富に並んでいる♪
女性誌を元に過去を見つめると、、
そこには女性が守ろうとした生活、生活、
普通の人たちの普通の生活が広がります。
文学とか芸術、音楽、戦争、
いろんな切り口で過去を振り返る事ができるけれど、
「昔の女性誌を大事にしている」という
女性店主の気持ちが凄く素敵だと思います。
ここにある古い女性誌は、
店主が古本市場や神保町の古本屋などを探し歩いて、
コツコツ一冊ずつ揃えていったもの。
オープンから3ヶ月経ち、
お店の品揃えも充実し、いろいろと変わった部分もあるとの事で、
ワクワクしながら伺いました。♪
美味しいものも増えたみたいで。(*^o^*)
店内を見回して
「お店の世界観が少しずつ広がって行ってるなあ」
その確かな歩みが嬉しかった♪
それでは・・・
ゆっくりと本の世界へ。。。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
お店は、蓮馨寺の山門向かいにあります。
横断歩道を渡ったすぐ目の前。
そこにあるのが・・・
古本カフェ「Agosto(アゴスト)」です♪
お店に入った瞬間、
以前より本が増え、雑貨もいろいろ増えたなと気づきました。(-^□^-)
古本カフェというのは、
普通に古本屋さんとして、本の買取・販売をしていて、
椅子やソファに座りドリンクを飲みつつ並んだ本を読める、
というお店です。!
都内では人気で、あちこちにあるそうですが、
川越でこういうお店は初めてですね。♪
古本屋さんなので、並んでいる本は買取した本が中心。
それ以外に、
店主が買い付けてきた「家の光」など、こだわりの本たちが並びます。
すべての本は、買えて、椅子に座ってドリンク飲みつつ読める。
(中には超こだわりの非売品の本たちもあり。!
店内で読む事はできますよ♪)
そして全体の雰囲気は、
よくある『古本屋さん』のイメージとは
全然違うんです。(*^o^*)
よくあるような、棚が店中に置かれ
本がぎゅうぎゅう詰められているあの風景ではなく、
本一冊一冊が大事にされている感じ。
古本屋さんとして、
大手古書店と同じ本があったりしますが、
Agostoに置いてあると、凄く大事に手に取りめくりたくなる。(*^.^*)
本は「量」ではなく、どう置かれるのかっていう「質」が
大事なんではないでしょうか。(-^□^-)
たくさんなくてもいい、
大事にされた本が一冊あれば豊かな時間になる。
Agostoの本たちを見てるとそう思います。
本をゆっくり楽しめるように、考えられた座席配置。
座った方が背中合わせになるように配置し、
それぞれがそれぞれ自分の世界に入っていけるように。
窓から外を眺めるもよし、
カウンターで店主の方と話すもよし、です。
↑特にソファ席は特等席♪
ソファに座って読む昔の日本。
「おいしいものを食べたとき
心はゆったりとして
なにかひとにやさしいことをして上げたいような気持ちが
しみじみとひろがってゆきます
そのためのお役に立つように
心をこめてこの本を作りました」
古本の中でも、
女性向けの本は特に希少らしいんです。
料理にしても育児にしても雑貨にしても、
女性の本って、今全然残ってないらしいんです。
Agostoには大正時代の女性向け本もありますが、
例えば戦前という時代は、
戦争で本が焼けてしまったという側面もあるし、
火を起こす燃料としても使われていたそう。
(男の文学書は大事にされて。。。)
こういう本が、こんなにあるの貴重なので、
ぜひ手に取ってみてください♪
オープンの時と比べて、
変わった部分があると書きましたが、
一番の変化は、
文具・雑貨の品揃えが増えたことでしょうか。ヽ(゚◇゚ )ノ
「よくある文具ではなく、
大人の雰囲気の文具を置きたいと思っていたんです」
大人の雰囲気の文具たち、
ここにもAgostoのセンスを感じます。
白磁テープカッター
付箋にもラッピングにもラベリングにも使えるステーショナリー♪
・レターパッド
・ワックルペーパー
・ワックスペーパーの文庫本カバー
・マガジンペーパーメモパッド
・クラフト紙テープ
こうやって見ると、紙の文具が多い事に気づきますね。
そこはAgostoがこだわっている部分。
紙の文具を置いて紙の本を置く。
電子書籍の時代だからこそ、
紙の手触り、紙の落ち着きに浸って欲しい、と。
活版印刷のポストカードまでありましたよ。(*^o^*)
凄いっ!凸凹してるんです。
考えてみると、
Agostoは木に囲まれたお店ですね。
椅子やテーブルは木。
本棚も木。
文具も本ももともと木。
この落ち着く雰囲気は、木がくれたものなんです。(*^o^*)
Agostoに来ると、
ドリンクもいつもワクワクするポイントです♪
聞いた事ない飲み物だけど、
ワクワクする名前が並んでる。(-^□^-)
イギリスのハーブやフルーツを凝縮したオーガニックなシロップを、
イタリアのソーダで割ったもの。
・キナフォカード
キナコアイスにエスプレッソをかけて
・レモネード
・ザクロ100%ジュース
・オーガニックコーラ
・アランチャロッソ(イタリアのシチリアオレンジを使ったジュース)
・100%グアバジュース
・辛口ドライジンジャーエール
・サンペレグリノ
・エスプレッソ
・カプチーノ
・ラテフレッド
・ルンゴ
そして・・・
・アイスフレーバーコーヒー。
日本ではあまり知られてないですが、
アメリカでは20年以上前から親しまれているコーヒー。
フレーバーコーヒーは、
焙煎した豆にシロップなどで風味付けしたものなんです。
豆自体に味をつける。
例えばバニラなど、
淹れたコーヒーのトッピングで使うのではなく、
豆自体にバニラシロップで風味付けします。
この、フレーバーコーヒーって・・・
衝撃的な味だったんですけど。。。(*^o^*)
見た目はブラックコーヒーに見えても、
香りがバニラ、味もバニラ。
凄くびっくり。(笑)
そしてナッツフレーバーは、
見た目ブラックだけど、ナッツの香りに味。
砂糖もミルクも入れずそのまま飲めます。
僕はAgostoメニューで、
このフレーバーコーヒーを推したい。!
デザートのように感じますが、後味スッキリ。
フレーバーコーヒー、川越で出してるお店ないと思います。
これは流行るといいなあ。
グラニテ。
イタリア風かき氷です♪
イタリア産ブラッドオレンジジュースの氷と、
イタリアンジェラートのコンビネーション。!
この酸っぱさが美味しい~。!
作る工程の音、
かき氷でよく聞く音「ガー!」という音ではなく、
「ザクッザクッ」と手で削ってる音がいいなと思いました。(-^□^-)
↑裏メニューとして、
ツイッター、FaceBookを見た!という方に
ローズマリーサングリアもあります。ヽ(゚◇゚ )ノ
メニューを見ているとよく分かるけど、
Agostoには
アメリカとイタリアを凄く感じるんですよね。
オープンの時にも感じた、
Agostoの
「川越とアメリカとイタリア」。
これは今も変わってなくてよかった。
ここで少し、Agosto店主のこれまでを。。。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
店主の方は、10代後半から10年、
舞台芸術に関わってブルックリンやマンハッタンにいた方。
今でもブルックリンが大好きだそう。
また、添乗員として、
日本とイタリアを10年も行き来していたので、
イタリアのメニューも豊富なんです。♪
エスプレッソには、特にこだわり感じます。
非売品ですが、店内で読む事はOKです♪
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
このお店の雰囲気だからでしょうか、
外国のお客さんも多いそう。
雰囲気なんとなく伝わるんでしょうね。
この時いた外国の方が読んでいたのは・・・
「ベルサイユのばら」でした。(-^□^-)
日本の本に、日本の昔の女性誌、
アメリカの本にアメリカのコーヒー、
イタリアの飲み物、そしてもうすぐイタリアで言うAgosto(8月)。
古本カフェAgosto。
古本屋さんとして見ても、
カフェとしても見ても、
どちらから見ても突出して洗練されています。
そして両方が組み合わさってるのが素敵。(*^o^*)
ちょうどお店に居た時に、遠くから
時の鐘が「ゴーーン」と鳴るのが聞こえてきました。
うん、やっぱり、確かにここは
川越とブルックリンとイタリアの集合体♪
「Agosto」
月・火12:00-18:30(L.O18:00)
水・木お休み
金・土12:00-20:00(L.O19:30)
日12:00-18:00(L.O17:30)