医師限定公開の『m3.comメンバーズメディア』で書き下ろしましたこちらの記事、

 

 

Google検索で人気上昇中!なこの記事を、4つに分けて、お送りするものです。

 

高級ホテルステイにおける大人の女性としての心構え・マナー

 

 

 

若干ちょっとグサッとくるような!?文体を意識して書きましたこちら、

 

ブログにて惜しげもなく全文公開いたします。

 

 

 

ぜひご覧下さいませ。

 

 

===========(以下本文)

 

こんにちは! 旅するフリーランス女医、えりおです。

 

週の半分ほど医師として従事する傍ら、総合旅行業務取扱管理者の資格を生かし、品格ある優雅な旅へ――体験した旅の情報は、現在メンバーズメディアのほか、ブログなどを通じ発信させていただいております。

 

GoToトラベルなどで、今まで手に届かなかった高級なホテル・レストランなどに行かれる機会が増える一方で、「客のモラルやマナーの低下」ささやかれているのはご存知でしょうか。

 

今回からは、4回にわたり、

 

日々の生活や旅先で良い待遇・サービスを受けられる客になるためのヒントは日々の診療にあり! 

 

といったテーマで書かせていただきたいと思います。

 

 

あらゆる場面で相手に「引き算」され続けていませんか?

「引き算される」というのは、旅先で起こりうることとして、わかりやすい例を挙げますと――

 

・知らず知らずのうちに、レストランであまり良くない席に案内されていたり、

・海外のブランド店でお目当ての品を「品切れです」と出してもらえなかったり、

・ホテルで案内されるお部屋が低層階ばかりだったり…

 

といったようなこと、とでも言いましょうか。

 

 

患者さんを見ていてもこういう人、一定数存在しませんか?

 

 

片や、

・レストランではいつもいい席を案内してもらえて、

・海外のブランド店で買い物するとシャンパンでもてなされて、

・お部屋は特にリクエストしてなくても景色のいい部屋だったり、アップグレードしてもらえたり…

 

というような人も世の中には存在するのです。

 

 

お金持ちだから好待遇なんじゃないか――答えはそう単純ではありません。

この差はどうして生まれるのでしょうか?

 

 

私は日頃ふてぶてしく過ごしているわりに、ナゼだか割と後者の、旅先でラッキーなことが多い部類の人間なのですが、未だにこうしたナゾに対して「これ!」という答えはズバリとは出ておりません。

 

けれども、「もしかすると、こういうことかな?」と思う仮説はあります。

 

医療には平等が求められますが、医師も人間です。そのため正直、目の前にした患者さんの応対によって、「この人には一歩踏み込んで治療してあげたい」という気持ちが思わず湧いてくるようなときがあると思います。

そういったことをイメージするとわかりやすいでしょうか。

 

そのあたりをブログに書いたら、なんだかウケましたので、こうして先生方に向けて書き下ろすに至っているというわけですが――

「あらゆる場面で引き算されてしまう人」にならないためにはどうしたらいいのか

この機会にちょっと考えてみようではないですか。

 

 

「患者さんにされて嫌なことはしない」――旅好き医師として気をつけている3つのこと

「ついサービスしてしまいたくなる客」であるために。

コンセプトは「患者さんにされて嫌なことを、外ではしない」です。

 

 

私は日々の臨床からヒントを得て、旅先で以下のことを心がけています。

 

  1. お金を支払った「その先」を意識し、素晴らしいサービスに対しお金を払うことを渋らない
  2. サービスしていただく相手にきちんと敬意を払う
  3. 相手にプロ意識がない、ということが判明したら、毅然と、理路整然とクレームを入れる

 

「4回に分けて」記事を書かせていただきますので、皆様お察しの通り、これら3つの事項を4回に分けてお話していくわけなのであります。特に3については前編、後編に分け丁寧に説明します。

 

サービスを受けるにあたり、お金を払う、これだけ言うと当然のことなのですけれども、第1回となる今回、私が考えるのは「払った先に、そのお金がどこに行くのか」ということです。

 

 
 

「お金の流れ」を理解している客でありたいということ――医療の現場に置き換えて考える

言うまでもないことかもしれませんが、サービスを利用するにあたり、支払った代金というのは、従業員の給料に繋がります。

 

さらにその給料の先、報酬を手にした従業員はまた他のサービスを利用して、家族を楽しませるかもしれないわけです。あるいは、美味しいものを食べて「自分へのご褒美」とするかもしれない。いずれにせよ、こうしてお金は巡り巡っていくわけです。

 

今これを読まれている先生方、もし今より給料が大幅に下がるとしたら、医師、続けますか? 

続けるにしても同じモチベーションは保てますか?

 

開業医の先生方、もしご自身の取り分(診療報酬や年商ではなく)が、勤務医、さらにはバイト医以下の報酬になったとしてもクリニックは続けますか?

(言い方乱暴ですが、私のバイト医目線&「起業する」感覚からすると、アルバイトや勤務医以上の稼ぎを、ということで開業されるケースが多いかと思っておりますもので、そのあたりはご容赦ください。)

 

勤務医の先生方、報酬や福利厚生が手厚い病院と、「とにかく安い賃金で多くの利益を出せ」という病院だったらどちらを希望されますか?

 

同じことが、我々の利用する他のサービスでも起こりうるわけです。決して他人ごとにしたくないんですね。

 

 

高級ホテルや高級レストランなど、求められるサービスのレベルが高ければ高くなるほど、他に代わりがきかないものであればあるほど、スタッフの報酬というのは高額になって然るべきなのです。ゆえに高級ホテルの宿泊代金が上がるのは当然なわけです。

 

しかし、当たり前の話なのに、必ずしも当たり前とはいえない状況があります。

 

たとえば、今、マイルやホテルポイントを筆頭に「顧客がお金を使わず」とも、優遇されるような「抜け道」「テクニック」、それはそれは、ホテルや航空会社が実際に聞いたら全くありがたく思わないだろう情報が横行しているのです。

 

確かにこのような制度があるのだから利用しても罪ではありません。――しかし私はサービス提供者側の利益を考えて、多少の額であれば「利用するサービス施設」に対し確実にお金が入る手段を優先し、いざ払うとなれば惜しみなく、お金を払うように心がけています。

 

 
 

医療にも共通する、サービスを受ける上での「真のマナー」

然るべき対価を払ったうえで、彼らのサービスにきちんと敬意を示すこと、それこそが、サービスを受ける上での「真のマナー」だと思います。

 

高級ホテルやレストランのマナー、調べるとたくさん出てくるのですが、これが一番大切な部分であり、一番語られない部分、かつ、これこそが全てではないでしょうか。

 

そして、この心構えは、なにも高級ホテルだけでなく、我々が携わる医療を含むあらゆる場面において共通して必要なのではないかと思うのです。

 

自分以上に他の方のためを考えた行為、それは巡り巡ってちゃんと自分に還ってくるものです。

 

患者さんにされて嫌なことは、他の人にはしない。私は自分自身にそういい聞かせて毎回旅に臨んでいます。

 

 

次回はサービスをしてくださる方に敬意を払うということ、「お客様は神様です」という概念について、医師としての立場から自分なりに掘り下げてみようかと思います。

 

 

〜関連記事〜

 

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〜参考サイト〜

 

良いサービス・待遇を受けるためにはどう振る舞えばよいのか

 

 

高級ホテルステイにおける大人の女性としての心構え・マナー