ソウルで2番目に古いアパート
映画やドラマを見ていると、時々登場する建物。最近では、映画「숨바꼭질(かくれんぼ)」の撮影地となったアパートです。ちょっと作りが独特なんです。ずっと「どこにあるんだろう?」と思っていたのですが、探してみるとありました。
”東大門アパート”です。
東大門アパートとは?
ソウル市内にある古いアパートのひとつ。1965年に大韓住宅公社が建てた、国内最初の中庭型(中央が広場になっていて屋根がない)、7階建てのアパート。建てられた当時は、裕福層が住む高級アパートで、芸能人がたくさん住んだことから“芸能人アパート”と言われていました。
90年代初めから老朽化が進んでいますが、後援企業を探し補強工事を行うなどし、ソウル市に現存するアパートの中で2番目に古いアパートとして残っています。これまでニュータウン計画などがありましたが、ソウル市は保存を検討しているようです。
こじんまりとした入口を抜けると、そこに広がるのは広場。そして、それを取り囲むようにぐるりと部屋があります。この閉鎖的なのか開放的なのか、よくわからない独特のスタイル。時間の経過を経た感じと相まって放つ空気もまた不思議な感じです。
ソウルで2番目に古いアパートと言われていますが、事務所や住居として、部屋のほとんどは埋っているそうです。
友人と小声で会話しながら階段を上がっていると、後ろから「日本人ですか?」と声をかけられました。
最初は怒られちゃうかな?とちょっとびっくりしたのですが、子供の頃日本に住んでいたことがあるというアジョッシ(おじさん)。カタコトの日本語で私達を屋上まで連れてってくれたり、アパートについて説明してくれたりと、とても親切にしてくださったんです。
初めて会った私達に、手に持っていたいちご牛乳を二つ手渡しながら、一生懸命日本語で伝えようとしてくれる姿が嬉しくて、最近人に会ったらまずは疑心を持って接していた自分を反省した時間でもありました。
私はちょっと古い物に魅かれるんです。
うまく説明できないのですが、古い物がもつ”気”というのでしょうか?空気にも魅かれますが、そこにどれだけの時間や歴史、そして誰かの思い出が眠っているのかと思うと、物であれ建物であれ・・・・、とても美しいな~と思うんです。
この階段も「美しい」と思ったもののひとつです。
この錆だらけフェンスも。
静かな静かな東大門アパートから出てきたら、周りは騒がしくて新しくて。
アパートの雰囲気と、そのギャップ。また違ったソウルの一面を見た気がしました。
