【268話】墨ちゃん、気遣ってくれてありがとう | 恋心、お借りします

恋心、お借りします

(自称)水原千鶴を応援する会の会長。
頑張りますので、イイね下さい。

【268話】墨ちゃん、気遣ってくれてありがとう

 

はいどーも!甲楽わんです。かのかり楽しんでますか。

 

image

◆私はきっとその人の事が気になってる… 268話

 

一人だけ… 励ましてくれた人がいるの

その人はおばあちゃんがいなくなちゃった日も 傍にいてくれて

寂しくないって言っても しつこいくらい支えようとしてくれて

でも結局それに救われて…

私はきっとその人の事が気になっている…

 

ふふふ。268話では、千鶴が自分を支えてくれる人について語りましたね。「気になってる」という告白に読者の期待感も爆上がりだったんじゃないでしょうか。

 

今回の千鶴の言葉にたくさん期待して、目一杯かのかりを楽しんでもらえればいいと思ってはいますが、ここでは彼女の本心について迫っていこうと思います。

 

1話から268話まで、丁寧に千鶴の目線で物語を追っていれば分かると思いますが(詳しくは僕のブログを読んでね→「水原千鶴の恋物語)、千鶴は自分の正直な気持ちすべてを墨ちゃんに打ち明けられているわけではありません。和也に対して説明しているのと同じように、「彼と向き合い、自分の気持ちを調べてみたい」と話しているだけです。それは、彼女の本心ではありません。本当は、和也に恋しているし(というよりも、それ以上の深い関係を夢見ている)、それをちゃんと自覚しているし、この恋を絶対に掴まなくてはいけないとすら思っています(【226話】ちづるのキス 本当の彼女になるための決断)。それは映画制作編やハワイアンズ編ではっきりと描かれていることです。ただ、彼女が本心を話さないのは、いつもカッコつけて和也に対してずっと気のない態度ばかり取ってしまい、今更恥ずかしくて打ち明けられないだけです。

 

今、千鶴と和也の周りや読者の間では、二人の関係性は「調査中」と言うことになっています。千鶴も他のキャラや読者の前ではそういう体で振舞っていますし、宮島さんも読者にそう読んで欲しいと願って漫画を書いているはずです。ただし、それはあくまで宮島さんが読者に読んで欲しいと願っている「計画された」あらすじであって、もしくは読者の視点から見た時のあらすじであって、千鶴の心の内で動いている物語は別にあります。

 

先に話した通り今回千鶴は本心のすべてを話していません。ただ、彼女が本心を話したのか、嘘を言ったのか、どこまでが本心なのかは全く重要ではありません。大事なのは、和也との素敵な未来があるんだと墨ちゃんに話したいと願い、実際にそうしたことです。全てを打ち明けられるわけではないけれど、自分を大切に思ってくれている親友に対して、素敵な人がいるんだと報告したいと願う気持ちです。あなたにもありませんか?嬉しいことがあったとき、家族や親友に「自分は今幸せなんだ」と報告したくなること。

 

今回は和也のことについて話した千鶴に思いについて語っていこうと思います。千鶴は墨ちゃんも和也も大好きで本当に信頼しているなと感じましたね。

 

 

 

  千鶴の墨ちゃんへの信頼

 

墨ちゃんは人見知りが激しいけれど、頑張り屋さんで優しい女の子。レンタル彼女事務所の後輩。読者と同じく千鶴も彼女をそんなふうに見ているんじゃないでしょうか。ただ実際千鶴が墨ちゃんをどう評価しているのかや、どういう思いを持っているのか、つまりは二人の関係性については十分に描かれてはきませんでした。もしかしたら千鶴は単に健気に頑張る後輩に同情して面倒を見ていただけなのかもしれないし、逆に、特段大きな信頼を寄せていたのかもしれない。ただそれを判断するのに十分な情報がありませんでした。

 

ただ、268話で「自分を支えてくれる人がいる」とかなりプライベートな情報を打ち明ける千鶴の姿を見ると、かなり墨ちゃんに心を開いてますよね。とても仲がいいんだと思います。

 

image

◆…おめでとうっ 143話

 

墨ちゃんはレンカノの先輩として千鶴を尊敬していますし、お世話になっていると感じています。また、夢を追う姿や自分にはない大人っぽい姿に憧れたりもしています。映画製作のときにはビラ配りに協力し、映画の完成を祝ってあげていました(143話)。そんな墨ちゃんの気持ちに触れて来た千鶴は、和也同様に、墨ちゃんにも心を開いているんでしょう。

 

 

 

  気遣ってくれてありがとう

 

今回、千鶴は遠回しに和也に他する想いを墨ちゃんに話すのですが、それはほとんど本心ではありません。彼女は、周りには「調査中」ということにしていて、それ以上の気持ち(本心)を語ることはしません。

 

多くの読者は、キャラの語る言葉を頼りに本心を理解しようとします。ほとんどの漫画ではセリフ=本心という式が成り立ちますが、私たちのリアルな生活や「かのかり」では、セリフ(言葉)は本心と一致しません。「言葉」というのは、簡単に本心を誤魔化せてしまうものです。あなたも普段、恥ずかしさや申し訳なさ、相手への敬意から、言葉を選んだり本心を隠したりしているでしょう。「かのかり」ではそんな日常が普通に流れているんです。

 

千鶴の本心は、いつも言葉(セリフ)ではなく、「行動」や「リアクション」で描かれてきました。和也との恋人関係を失いたくなくて誕生日会に行ってしまったり(86話)、和也が自分のことが好きだと知って顔を真っ赤にしてしまったり(174話)、和也が瑠夏とエッチをしたかもしれないと知って玄関で崩れ落ち、真実を知るのが怖くて一か月もの間彼と顔を合わせることができなかったり(187話)、瑠夏ちゃんが和也と泊りがけの旅行に行くのが羨ましくてレンカノとして間違っていると知りながら旅行に着いて行くと決断したり(186話)。

 

◆馬鹿ね 私も… 86話

 


◆バカみたい 私 174話

 

◆えっと…その… いえ…何でも 186話

 

簡単に本心を誤魔化すことのできる「言葉」より「行動」「リアクション」は、はるかに本心を現しています(【解説】好きとは言わない水原千鶴の 状況と行動の間にある「好き!」)。ときに行動は、本人さえ理解できていない心の深いところにある本心が現れます。

 

ですから、千鶴が墨ちゃんに話していることをそのまま受け取る必要はありません。千鶴の本心を理解するうえで、セリフから何が本心で何が本心でないのかを読み取ろうとする意味はほとんどありません。本心は、1話から最新話までのエピソードで(主に行動で)描かれていて、言葉では表現されていなんです。千鶴は和也のことが大好きだし、恋をしているとはっきりと自覚しているし(86話)、自分を支えてくれる人、必要な人だと実感しているし頭でも理解しています(【解説】超重要回 水原千鶴が「私 和也が好き」と気づいた瞬間!【水原千鶴の恋物語】私を一生幸せにしてくれる人)。

 

今、千鶴は和也の関係性は二人の周りや読者の間では「調査中」と言うことになっていて、千鶴も他のキャラや読者の前ではそういう体で振舞っています。なので、それ以上のこと(本心)は、たとえ親友である墨ちゃんに対しても打ち明けられません。そこで大事なのは、彼女が話したことが本心なのかではなく、和也との素敵な未来があるんだと墨ちゃんに話したいと願い、実際にそうしたことです。全てを打ち明けられるわけではないけれど、自分を大切に思ってくれている親友に対して、素敵な人がいるんだと報告したいと願う気持ちです。

 

あなたにもありませんか?嬉しいことがあったとき、家族や親友に「自分は今幸せなんだ」と報告したくなること。あなたを支えてくれる人が自分の幸せを一緒に喜んでくれるととても嬉しい気持ちになりませんか。

 

image

◆頼れる人はいる…? 267話

 

平気…?

心配だった…

きっとちづるちゃんは…一人で抱え込んじゃうタイプ…

話せる人はいる…?

頼れる人はいる…?

 

親友である墨ちゃんは、そう言って千鶴を抱きしめ心から気にかけてくれました。そのやさしさに答えたい、「私は今寂しくない、一人じゃない、素敵な人がいる、とても幸せだ」と知って欲しい、墨ちゃんに喜んで(もしくは安心して)欲しい。それがこのときの千鶴の胸に流れている気持ちです。

 

image

◆私はきっとその人の事が気になってる… 268話

 

一人だけ… 励ましてくれた人がいるの

その人はおばあちゃんがいなくなちゃった日も 傍にいてくれて

寂しくないって言っても しつこいくらい支えようとしてくれて

でも結局それに救われて…

私はきっとその人の事が気になっている…

 

 

墨ちゃんに私は幸せなんだと知って欲しい。その気持ちが言葉になって溢れますね。墨ちゃんに話せることは限られますが、それでも、自分には特別な人いるんだ、支えれくれる素敵な人がいるんだと知って欲しかったわけです。それだけ墨ちゃんのことを信頼しているし、墨ちゃんが気にかけてくれたことが嬉しかったし、和也と一緒にいられる毎日が幸せだと言うことですね。墨ちゃん大好き、和也大好きが千鶴からは溢れています。

 

 

 

と言う感じで268話を振り返ってみました。墨ちゃんも千鶴ちゃんが独りぼっちではないと知って心から嬉しかったはずです。ただ、それは同時に失恋の確定を意味します。千鶴の誕生日や映画制作、励ましデートに奔走する和也の姿を見ていた墨ちゃんは、彼が千鶴に対してどんな気持ちを抱いているのか十分想像がついているでしょう。もし千鶴ちゃんも和也のことを必要としている知ったら、それは失恋を意味します。嬉しさや安心感と同時に、落胆と寂しさが襲ってくるでしょう。かなり辛い現実を受け入れなくてはいけません。

 

ただ、墨ちゃんは千鶴と和也のことが大好きなので、二人が幸せになれるなら、この失恋を受け入れられるでしょうし納得できるでしょう。小百合さんを亡くし千鶴が寂しくて仕方がないとき、和也の背中を押したこと(156話)を後悔しないはずです。千鶴ちゃんの幸せのために、改めて和也の背中を押すこともあるかもしれません。そんな姿を次回以降に期待したいですね。

 

では、また次の記事で!