【231話】「すれ違い」の縮図 | 恋心、お借りします

恋心、お借りします

(自称)水原千鶴を応援する会の会長。
頑張りますので、イイね下さい。

【231話】「すれ違い」の縮図

 

はいどーも!甲楽わんです。かのかり楽しんでますか。

 

とりあえず、お知らせです。水原千鶴生誕祭2022に向けて、千鶴視点のかのかりレビュー「水原千鶴の恋物語」の英訳を着々と進めています。導入部だけは英語版を公開していたのですが、1-20巻までの記事も公開するつもりです。海外ファンの皆様に楽しんでもらえたら嬉しいです。また、日本語版もあたらめて見直して書き直しをしました。まだ読んだことのない方は、千鶴の恋物語に触れてみてください。

 

最近、Twitterスペースで感想会を開いていると、宮島さんがリスナーを大勢引き連れて聞きにいらっしゃるんですが、そうするとどう思われてしまうか不安になり、言いたいことが言えなくなります笑。

 

それでは231話。ははっ。和也と千鶴の対話が、まさに二人の関係性(すれ違い)の縮図すぎた笑。

 

また、初めて千鶴が和也への思いを「好き」と言う言葉(セリフ)で語った回でもありましたね。

 

 

 

ダメ…だもん お客さんを好き…なんて… 231話

 

そんなんじゃないって

言ったでしょ?

ダメ…だもん お客さんを好き…なんて…

 

はい、よく分かってますよ、千鶴がどれだけ和也のことが好きか笑。

 

おそらく多くの読者が千鶴が和也に恋をしていると言った(認めた)ことに盛り上がっていると思いますが、状況が動いたわけでも、キャラクターの気持ちが動いた(新しい気持ちが生まれた)わけでもないので、僕のテンションは通常営業です。宮島さん、ごめんなさい。先生の期待通りには読んでません。

 

ただ、ここで誰にでも分かるように、分かりやすいセリフで千鶴の気持ちを説明したことには、何か作者としての意図があるのかなと言う気がしています。いつものように、曖昧なセリフや無言であっても、千鶴の気持ちとしては成立していた場面なんです。ハワイアンズ編が終わったこのタイミングで、「千鶴は和也のことが好きなのか」という読者の疑問にはっきりと答えを出すべきだと判断したのかなと想像しています。

 

もしそうならば、宮島さんは今後のお話を、「好き合っている二人がすれ違いを乗り越えて恋人になるまでのドラマ」として読んで欲しいのかもしれませんね。僕には「和也と千鶴は恋人になるから、期待しておいて!」という宮島先生の宣言に見えました。

 

今回は、最後のコマの千鶴の気持ちをはっきりさせた後、千鶴と和也の対話を整理していこうと思います。

 

 

 

  ダメ…だもん お客さんを好き…になんて…

 

海外ファンの中には、ここで描かれている(作者が伝えたい)千鶴の気持ちを誤解している方が多いようなので、はっきりさせますね。文字通り「私はお客の和也に恋はできない、すべきではない」と言う意味ではありません。むしろ逆。「私はお客の和也に恋をしてしまった」と言う意味です。

 

 

◆息が上がるほど無心に泳ぐ千鶴 231話

 

和也との会話を終わらせた後、千鶴は一人プールへと向かい、息が上がるくらい泳ぎます。これは、和也とのキスをしやことへの恥ずかしさや、彼に本心を明かさなければいけいプレッシャーから目を背けるために、身体を動かして考えないようにしていると言うことですね。

 

泳いでいるときはまだよかったものの、プールから上がると、また和也とのキスを思い出してしまい、自分の膝にキスをします。胸の中は恥ずかしさでいっぱい。そこで思い出すのが小百合おばあちゃんの言葉です。

 

 

◆和也とのキスを思い出す千鶴 231話

 

「愛」が芽生える瞬間は いつか知ってる…?

その人のことを 楽しそうに語った時よ

 

図星です。小百合おばあちゃんにこう言われたときには、千鶴は和也に恋をしていたし、愛していた(143話)。その後、小百合さんを亡くした悲しみと寂しさを和也に受け止めてもらい、その気持ちはもっともっと大きくなった。彼こそが自分を支えてくれる人だと実感した。そしてこのハワイアンズで、和也に本心を打ち明け本当の彼女にならなきゃと思った(【226話】ちづるのキス 本当の彼女になるための決断)。和也への恋心や愛情を見透かされていたことを思い出し(もしくは心の中の小百合おばあちゃんに指摘され)、さらに恥ずかしくなってしまうわけです。

 

だから千鶴は、この本心を何か理由を付けて隠そうとします。

 

 

image

◆ダメ…だもん お客さんを好き…なんて… 231話

 

そんなんじゃないって

言ったでしょ?

ダメ…だもん お客さんを好き…なんて…

 

本当に和也のことが好きだから恥ずかしくなって、それを隠そうとしてしまう。まさに日本の典型的なツンデレムーブですね。このセリフは、「千鶴が和也に恋をする気がない」という意味ではなく、「本当に恋をしているからそれを隠そうとしてしまう」という意味です。恋心を否定すると言う行動で、本当に恋をしているということを表現しているわけですね。

 

当然、いくら千鶴が下手な言い訳をしても、小さいころから彼女を見ていた小百合おばあちゃんにも本心は見透かされてしまいます。「何強がってるのよ、ちづる、素直じゃないわね。ふふふ」と、きっと笑われてしまうだけ。千鶴もそれが簡単に想像できてしまうから、「何笑ってるのよ」と天国の小百合おばあちゃんに返事しているわけですね。

 

一応、これもはっきりさせておきます。千鶴は、「お客さんに恋するのはダメ」と言っているのですが、本当にそれが理由で和也と恋人になれないと思っているわけではありません。そこは誤解しないでください。自分にとって都合のいい理屈をつけて本心を隠そうとしているだけです。あくまで、恥ずかしさを隠すために都合のいい理屈を捏ねているだけです。

 

千鶴が本当にレンタル彼女はお客に恋してはいけないと考えていたら、「あなた私の事好き」と和也の本心を確かめようとしたり(171話)、このハワイアンズにまで付いてきたり(186話)、お客の和也にキスをしたりはできなかったはずです(226話)。レンタル彼女としてお客に恋はしてはいけないという気持ちがブレーキをかけていたはず。そもそも、多くの利用規約を破って和也との関係を続けようとはしなかったはずです。また、千鶴は、恋人を持つことは悪くない、もし好きな人ができたらレンタル彼女はやめてずっと彼の傍にいたいと言っています(179話)。和也と恋人になるためには、レンタル彼女の仕事を止めてもいいと思っているわけですね。

 

なので、レンタル彼女として間違っているから恋人になれないとか、レンタル彼女の仕事を続けたいから和也と恋人になると言う決断ができない言うことではありません。そうではなく、都合のいい理屈を捏ねて本心を隠しそうとしているだけです。

 

千鶴が本質的に和也と恋人になれない最大の障害は、こうやってすぐに本心を隠そうとしてしまうことですね。和也の本当の彼女になるためには、好きだから付き合いたいと彼に伝えなければいけません。それができないから、千鶴は和也の彼女になれないし、これまで彼の告白から逃げて来たわけです(【190話】「和也が好き!」だからこそ彼女にはなれない…)。和也の彼女にならなきゃと痛感した今、そのプレッシャーに千鶴は苦しんでいるはずです。

 

 

 

  初めてセリフで説明された千鶴の「好き」

 

今回は、千鶴が和也のことが好きだと言うことが初めてセリフで説明されました。千鶴が言葉にしたから、彼女が自分の恋心を認めたとか自覚したと言うことではありません(千鶴が本心を言葉で語ることと、恋心を自覚することは全く別の話です)。千鶴が自分の恋心を自覚したのはもっと前、二人の合同誕生日会(86話)です(【解説】超重要回 水原千鶴が「私 和也が好き」と気づいた瞬間!)。

 

これまで、千鶴の和也への恋心は、セリフでは説明されてきませんでした。しかし、それは千鶴が恋心を自覚していなかったわけでも、気持ちが描かれていなかったわけでもありません。千鶴の気持ちは「状況」と「行動」で明確に描かれてきました(【解説】好きとは言わない水原千鶴の 状況と行動の間にある「好き!」)。

 

たとえば、3巻に海で和也に助けられた後の千鶴の気持ちを考えてみましょう。

 

まず千鶴の置かれている状況(和也との関係性も含む)を整理します。

 

千鶴はレンタル彼女としてお客の和也と出会ったばかりです。「恋の応援役」の仕事を気に入っている千鶴にとって、失恋から立ち直ろうとする和也は、またレンタルして欲しいと思うお客さんです。でも、まだまだ和也がどういう人か知らないので、彼を信頼しているわけではありません。

 

運悪くレンタル彼女の仕事が小百合おばあちゃんにバレてしまいそうになり、和也は本物の彼氏だと嘘をついてしまいました。和也とは、おばあちゃんたちに「別れた」と言ってしまおうと約束していました。この海でも「別れようと思っている」と周囲に言った和也を、「男らしいところあるじゃない」と言って褒めていました。

 

千鶴の行動を見てみます。海で溺れたとき命を張って助けてくれた和也。

 

レンタル彼女だって 言ってんじゃん!

 

そう言って千鶴は、ただの客である和也の命を危険にさらしてしまったと悔みます。そのとき、千鶴が脳裏をよぎったのはこの言葉です。

 

 

◆レンタル彼女だって言ってんじゃん!!! 3巻15話

 

あいつ悪いヤツじゃねーんだ

きっと あんたのこと 最後は幸せにしてくれると思う

 

我が孫を好きになってくれた女性に 何を怒ろうか

 

和也は命を張って千鶴を助けれくれました。千鶴は、木部くんの言った通り和也はきっと「いい奴」だと思ったんですね。また、彼のために和おばあさんを悲しませたくないという気持ちが動いてしまった。さらに、助けてもらった恩もあります。

 

だからその後、和也から「その ありがとな その…あそこまでして 助けてくれて…!」と言われたとき、千鶴はこういう行動に出ます!

 

 

◆当然でしょ 彼女なんだから 15話

 

当然でしょ 彼女なんだから

 

「彼女宣言」です。

 

おばあちゃんにも、和也の友達にも「別れた」と言う約束だったのに、和也の友達がいる前で自ら彼女だと宣言したんです!

 

そこにある気持ちは

 

和也との嘘の恋人関係を続けてみよう

 

もっと正確に言えば

 

レンタル彼女として和也の力になりたい

 

千鶴は、和也の力になりたくて(プラス、和おばあちゃんを悲しませたくなくて)、別れたことにするという選択を保留してしまったわけです。海で和也の力になりたいなと思ってしまったから、その後「借りたいんだ 君のこと」という和也に対して、「いいよ」「安心してっ 私が彼女でいる間は 放っておいたりしないからっ」と言ったわけですね。和也に本物の恋人ができるまで嘘の恋人を続けてあげると約束したんです(20話)。

 

千鶴は、和也に対してなかなか本心を語りません。でも、こういう「行動」(言葉を言うことも含む)で、千鶴の気持ちは明確に描かれているんですね。

 

これが「状況」と「行動」の間にある「気持ち」の表現です

 

(細かい解説は、こちら【解説】好きとは言わない水原千鶴の 状況と行動の間にある「好き!」

 

 

 

このハワイアンズに来ることを決めたことだって、もうほとんど和也のことが大好きだと言っているようなものです。

 

 

◆えっと…その… いえ…何でも 186話

 

レンタル彼女としてお客と泊りがけの旅行なんて絶対に行ってはいけません。一度は、ウィンクして和也に断るように指示を出していた。しかし結局、旅行に付いて行く決断をします。

 

もし、ここで千鶴が旅行に参加できないと和おばあさんに言ったら、瑠夏ちゃんと和也だけが参加してしまいます。きっと瑠夏は和也の傍にいられてとても幸せで、和おばあさんにも気に入られるでしょう。千鶴は、一人取り残されてしまう。

 

千鶴はそれが嫌だから、本当は断らなければいけないのに、旅行に着いていくことにしたんです。

 

和也の彼女として楽しい時間を過ごしたい

瑠夏と和也が仲良くしているなんて嫌だ

レンタル彼女の正しさよりも 和也と一緒にいる方が大切だ

 

千鶴は、和也に告白してもらい嬉しくて仕方がなかった(174話)。たとえレンカノとして間違いを犯してでも、和也と瑠夏が楽しく過ごしている姿なんて見たくなかったし、彼の彼女として家族旅行を楽しみたかったんです。

 

ちゃんと千鶴の置かれている状況を整理して、その行動で何をしたかったのか(目的)を捉えることができたら、千鶴の気持ちはおおよそ掴むことができるんです。むしろ、いくらでも嘘が付ける言葉(セリフ)より、正確に気持ちを表現できるものだと思います。

 

泊りがけの旅行にまで着いてきて和也の彼女として彼と楽しく過ごす(186話)。和也のために選んだ水着を褒めて欲しくて(可愛いと言って欲しくて)水着の感想をねだってしまう。晴美さんと何かあったら相談すると約束し、指輪のプレゼントをしてしまう(206話)。嘘を守るために、キスまでしてしまう(226話)。まぁ、僕から見たら、千鶴は言葉では好きと言わないし、和也に対しては本心がバレないように上手く取り繕ってはいるものの、和也への恋心が止められず、利用規約(レンタル彼女の正しさ)なんて無視してやりたい放題やってるって感じです。

 

ただ、ここで誰にでも分かるように、分かりやすいセリフで千鶴の気持ちを説明したことには、何か作者としての意図があるのかなと言う気がしています。いつものように、曖昧なセリフや無言であっても、千鶴の気持ちとしては成立していた場面なんです。これまで千鶴は、「バカ」ばかり言っていましたからね笑。ハワイアンズ編が終わったこのタイミングで、「千鶴は和也のことが好きなのか」という読者の疑問にはっきりと答えを出すべきだと判断したのかなと想像しています。

 

もしそうならば、宮島さんは今後のお話を、「好き合っている二人がすれ違いを乗り越えて恋人になるまでのドラマ」として読んで欲しいのかもしれません。僕には「和也と千鶴は恋人になるから、期待しておいて!」という宮島先生の宣言に見えました。

 

 

 

  千鶴と和也の対話

 

千鶴は和也との対話で、相変わらず本心は見せられませんでしたが、今やるべきことをちゃんとできましたね。よかったよかった。千鶴がしたかったことは3つ。

 

①キスをしたときの本心を誤魔化すこと(本心を知られないようにすること)

②和也にだけ責任を負わせかねない状況を招いたことを謝ること

③嘘の恋人関係を続けること

 

 

①キスをしたときの本心を誤魔化すこと

 

和也への恋心を隠すために入念に演技プランを立ててきたと言う感じですね笑。あのキスは大したことではない、私はあなたとキスしても特に何も感じなかった。嘘がバレてしまうより、自分たちが「別れた」ことにした方が波風が立たないと思った。だから、和也にキスをした(本当の彼女だと嘘をついた)。他に方法がなかった。

 

千鶴はそういうことに、したいわけです。

 

 

◆初めてのことじゃないでしょ? 別に2回目…でしょ? 231話

 

初めてのことじゃないでしょ? 別に2回目…でしょ?

規約違反も 今更って感じだし

あの場でああするしかなかった

 

 

◆でも「別れた」で終わらせた方が穏便なのは事実だし 231話

 

正直カッコ悪いわよね 今更まだ”言い訳”なんて…

でも「別れた」で終わらせた方が穏便なのは事実だし

すぐには無理でも… こんなことがあったから 別れたいっていうのも 説得力にはなる…

 

冷めた顔でペラペラと理屈を並べる千鶴。話し合う隙も与えず、強引に話を進めてしまいます笑。

 

本当は和也の告白を逃げてきたことを後悔し和也の本当の彼女にならなきゃと思ったからキスをしたし、その時には好きな人とキスをして恥ずかしくてたまらなかったんです(【226話】ちづるのキス 本当の彼女になるための決断)。でも千鶴は、和也に自分の本心を知られたくないので、あのキスは自分にとって大したことではないと和也に思わせるような振る舞いをしてしまうわけです。

 

そのせいで和也は、自分だけが勝手にドキドキしていたんだ誤解してしまいます。あぁ、めんどくさい女笑。

 

 

②和也にだけ責任を負わせかねない状況を招いたことを謝ること

 

ただし、すべてがすべて本心を隠すための演技ではありません。続けて千鶴はこう説明します。

 

◆思っちゃったのよ 貴方だけのせいだなんて 冗談じゃないって 231話

 

ごめん これは こっちの問題

思っちゃったのよ 貴方だけのせいだなんて 冗談じゃないって

 

嘘の恋人関係を続けさせて欲しいとお願いした自分にこそ責任があるから、和也を嘘つきにはできなかった。だから、キスまでした。もし、嘘がバレてすべてあなたの責任になったら、そんなの間違っている。

 

千鶴はやっと自分の責任だと和也に伝えることができましたね。本当に和也に申し訳なく思ってるし、自分がやってきたことに責任を感じているはずです。めちゃめちゃ。

 

小百合おばあちゃんが亡くなる直前、和也は何度も「別れたって言おう」「嘘だって打ち明けよう」と言ってくれました。お客さんからそう言われたら、レンタル彼女の千鶴は受け入れなければいけないんです。しかし、小百合おばあさんを悲しませたくないし、和也との嘘の恋人関係(レンタル関係)を失いたくなかったから、和也にお願いしてこの関係を続けさせてもらってきた(91、148話)。彼の優しさに甘えて、かなり身勝手なことをしてきたわけです。

 

また、もし千鶴が和也の告白から逃げなければ、もう二人は本当の恋人になれていたんです。このハワイアンズで麻美に脅されることも、これまでの嘘をバラされることもなかった。千鶴はそれを後悔しています(223話)。

 

あの場面、もし千鶴が何もせず、和也が嘘を重ねたことが知られてしまっていたら、その後和也は木部くんや和さんにボロカスに言われるでしょう。そうなれば、それはすべて千鶴のせいです。千鶴は一歩間違えれば、自分のせいで和也を「最低の嘘つき」にしてしまうところだったわけです。マジごめんなさい、ですよ。ちづる、ちゃんと反省して。ちゃんと自分の責任だと言えたので褒めてあげたいです。

 

 

③嘘の恋人関係を続けること

 

そして、今千鶴がやらないといけないことは、この嘘の恋人関係を失わないことですね。「別れた」と言ってしまったら、和おばあさんを悲しませることになってしまいますし、木ノ下家の印象も悪くなってしまいます。できるなら和也と別れたことにせず、このまま嘘を真実に変えたいでしょう。

 

 

◆覚悟してよね 勝手に英雄気取りで強制終了なんて 押させないから 231話

 

覚悟してよね 勝手に英雄気取りで強制終了なんて 押させないから

 

嘘の恋人関係を続けていることは自分の責任だから、勝手に「別れた」ことにしないで欲しいと釘を刺します。二人の間では、和也に本当の彼女ができるまでの間、千鶴が彼女を演じるという約束になっています(20話)。その約束は果たすつもりでいるから、勝手に別れたことにしないで欲しいと言ってるわけですね。

 

千鶴はレンタル彼女ですから、本来ならお客の意志を確認してから、どうするか決めるべきですよね?しかし、和也に有無を言わせません。ぺらぺらと理屈を並べて、上手く和也を誘導してしまいました笑。これで和也に勝手に「別れた」ことにされるリスクは小さくなりましたね。

 

和也の恋人になることと向き合い始めたものの、まだ本心を明かすのは全然できないみたいですね。それでも、自分の責任だと伝えられたので、和也の千鶴への罪悪感は多少小さくなったでしょう。さらに、東京に帰ったら別れたことにする約束だったところを(219話)、上手く彼を誘導して嘘の関係を続けてもらうことに成功しました。やるべきことはできましたね。

 

東京へと帰った後、間違いなく和也の彼女を務めないといけない状況が訪れるはずです。クリスマスやお正月など、木ノ下家が千鶴を巻き込んでイベントを催したり、大学内で付き合っていることがバレたり、話のネタは僕でも簡単に浮かびます。ただし、千鶴が和也に「私の問題だ」とはっきり言った以上、もう彼からお金をもらうつもりはないんでしょう。和也も娯楽を目的とした無用なレンタルできないはずです。和也の宣言通り、レンカノライフは終わりですね。

 

 

 

  すれ違いの縮図

 

今回の和也と千鶴の対話は、これまで描かれ続けた二人のすれ違いの『縮図』にしか見えなかったですね笑。

 

千鶴は、ことさら恋愛ごと(和也のこと)については、本音を漏らしません。それは彼女が本心を見せるのがすごく苦手だからです。千鶴は自分の弱さを見せるのが苦手な女の子として描かれていますが(58話)、それと同じく、彼への恋心も見せようとしません。本当は和也と一緒にいたかったり彼に近づきたかったりしても、なかなか本心を言葉にできないんですね。だからいつも、『レンタル彼女として協力してあげる』、『あなたはこうするのが正しい』、『私はこうしなければいけない』など、何か理由をつけて和也の傍にいようとします。正しい理屈で本音を隠しているわけです。傍にいたいから、傍にいさせて欲しいとは言えないんですね(【導入】水原千鶴の恋物語 千鶴は和也が好きなの?いつから?)。

 

 

 

◆初めてのことじゃないでしょ? 別に2回目…でしょ? 231話

 

初めてのことじゃないでしょ? 別に2回目…でしょ?

規約違反も 今更って感じだし

あの場でああするしかなかった

 

今回も千鶴は、和也に対する恋心を見せられず、何でも理詰めで説明します。それを聞いた和也は、水原はただ優しいだけで、自分の事なんてなんとも思っていない、自分一人が勝手にあのキスに興奮してしまっていただけだと勘違いしてしまいます。本当は千鶴も和也が心から好きで、キスにドキドキしてしてしまっていたし、恋人にならないといけないと思っているのに、その本心は全く伝わりません。

 

 

◆だ―っ!でもマジか!キスに関しては普通だったな! 231話

 

だ―っ!でもマジか!キスに関しては普通だったな!

 

 

◆そりゃー 業務としての逸脱は認めるけど あくまでそれ以上でも以下でもねーって話か 231話

 

そりゃー 業務としての逸脱は認めるけど

あくまでそれ以上でも以下でもねーって話か

 

和也が可愛そう。なのに、裏では和也とのキスを思い出し、恥ずかしさのあまり顔を赤らめているんです。まさに、すれ違いの縮図。マジでめんどくさいな、この女笑。

 

これまで千鶴が和也に対して、「好き」という気持ちを見せられたことはほとんどありません(せいぜい、好意を見せられたのは、「あなたっていい人ね(112話)」と「あなたと出会ったことに後悔したことなんて一度も無い(131話)」くらいですかね汗)。好きと言う気持ちがバレそうになると全力で隠そうとしてしまいます。普通のツンデレなら、ツンケンしながらも、バレンタインチョコをあげようとしたり傍にいようとしたり、ちゃんと好きな男の子に「好き」を伝えられるんですが、それが本当にできないのが千鶴ですね。ツンツンドライに言い訳ばかり。超ド級のツンデレ。鉄壁の女。

 

千鶴が恥ずかしさや戸惑いを乗り越えて、和也に好きだと明かせなければ、本当の彼女になることはできません。それをどう乗り越えていくのかが見所ですね。

 

 

 

と言う感じで231話を振り返ってみました。「楽園と彼女」もここで終わりです。次週からは東京へと帰り、ミニちゃんと墨ちゃんも復帰と言うことですね。ミニちゃんがふたりのキスのことを聞いたら、速攻千鶴に尋問しに行きますよね笑。間違いない。クラファンで返礼品を探していたときのような対話(122話)が見られるんでしょうか。千鶴はキスについて今回和也に話した通りの言い訳をしそうですが、和也は騙せてもミニちゃんは引き下がらないでしょうね笑。図星を言われ、それでも素直になれず、悩んでしまう千鶴の絵が浮かんできます、、、がんばれ、千鶴(妄想)。

 

では、また次の記事で!