【195話】押しつけられた麻美との約束 | 恋心、お借りします

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【195話】押しつけられた麻美との約束

 

はいどーも!かのかり楽しんでますか?

 

193、194話と休載していた甲楽わんです。「水着回休載」でした。どうやら僕は水原千鶴の中身には興味はあるが、外身には興味がないようです笑。

 

キャラクターに何か新しい状況が与えられないと彼らの気持ちは変化しないので、物語は全く進まなかったですね笑。ブログで話せるとしたら、水着を堪能しろ!くらい。話すことがなく休載してました。

 

195話、まさかのミスド、麻美と千鶴の対決。めちゃめちゃ見ごたえありましたね。やっと話すことができたのでひさしぶりに更新します。

 

千鶴の状況は想像以上に深刻でした…。

 

 

 

 

  イイ感じの和也と千鶴

 

 

◆そっ そうですねっ 楽しそうー (194話)

 

プールに来た和也と千鶴はいい感じですね。海くんのパーティのときみたい。千鶴が今はだいぶ素直になれていて(和也が自分を好きでいてくれるという状況に慣れてきて?)、好き避けしてないのがいいですね。「嫌われるようなことは言わない」と決めているんでしょうか。そうならかわいいですね笑。ウォータースライダーに乗ったとき、和也の告白以前の千鶴なら「勘違いしないで。木部くんが強引だったから仕方なく」なんて理由を取り繕って、「好き」「一緒に楽しみたい」という気持ちを隠してしまっていたかもしれません。言い訳せずに和也と一緒にいられるというのは、いい感じです。

 

ハワイアンズに来る前は、瑠夏の言ったことが本当なのか千鶴はすごく気にしていましたが、和也の告白でその問題もおおよそ解決したでしょう。多少の不安は残しつつも、今ははっきりと和也と恋人になれる未来が見えているはずです(【192話】和也は私を選んでくれた 千鶴の高鳴る鼓動)。大勢の人がいるこのプールでは、和也が告白してくることもないですし、瑠夏も二人きりにはならないと安心してか牽制してきません。和おばあさんもここにいるので、麻美さんと接触することもない。ずっと気を張っていた千鶴が、少しリラックスしている感じですね。

 

 

◆和也とウォータスライダーに乗る千鶴 (195話)

 

それに、レンタル彼女ですが、今は和也の彼女でいてイイんです。もし本物の恋人関係だったら、千鶴は一緒にウォータースライダーなんて恥ずかしくて緊張してめちゃめちゃパニクッてしまいそうですよね。でも和也は、今はレンタル彼女の仕事だと思ってくれる。いくら仲良くしても、彼女らしいことをしても、和也に好きという気持ちがバレてるわけじゃない。だから戸惑うこともない。制服デートとか励ましデートのときと同じように、いやそれ以上に、千鶴は”彼女”でいられる時間を楽しめてます。ウォータースライダーを滑り降りると、「うん 平気」と答える千鶴ですが、この言葉を「うんっ 楽しい!」に変えても全然違和感ないくらいテンション高いですね。

 

束の間の彼氏と彼女の時間、嵐の前の静けさと言ったらいいでしょうか、これから怒涛の展開が走り始めそうな気がしますね。

 

 

そして、195話で描かれた、麻美と千鶴のミスド対決エピソード2が想像以上に深刻でした。

 

 

 

 

  どうにも動けない千鶴

 

ミスドでの麻美との攻防エピソード1(183話)で、千鶴は右にも左にも動けない状況に陥ってしまいました(【183話】まさに攻防! 麻美ちゃんの繰り出した5つのカード!)。

 

◆…うん でも だからこそ 騙されてるのは 可哀想って思っちゃうかな… 183話

 

だからこそ 騙されてるのは 可愛そうって思っちゃうかな…

 

麻美は、遠回しに「あなたの出方次第では嘘だとバラす」と千鶴にプレッシャーをかけてきます。さらに、

 

 

◆もう…終わりにしよ? 一緒に…何もかも 全部…! 183話

 

(和也のストーカー行為)ヤバいよね…

だから安心してっ 私はあなたの味方

面倒な客に掴まっても 守秘義務で何も言えなかったんでしょ?
 

でも もう ちづるさんが振り回される必要なんてない

もう終わりにしよ? 一緒に…なにもかも全部…

助けてあげる 和くんから

 

「和也はレンタル彼女のあなたに本気になっている。あなたはその気がないんでしょう?迷惑でしょう?なら、和くんに付きまとわないようにって言うの、私が手伝ってあげる。」そう提案してきたわけです(183話)。

 

(1)和おばあさんに和也との恋人関係が嘘だとバラされてしまう

(2)和也に付きまとわれて迷惑だと伝える。好きじゃないと誤解させる。

 

千鶴は結局、この2択を迫られてしまいました。いや、ひとつ目を人質に、ふたつ目の提案を押しつけられたと言った方がいいかもしれません。

 

麻美の提案にYESと言ってしまえば、それは和也に「あなたなんて嫌いだ」と伝えることと同じです。今和也と恋人になりたいのに、彼を傷つけてほとんど振ってしまうようなことなんて、絶対にしたくありません。さらに、和也さんの家族にも和おばあさんにも、私はずっと和也さんを嫌いだったと言うことにされてしまう。そんな誤解生みたくありません。

 

しかし、この日千鶴は、麻美を怒らせないように、和也との間には何もない、映画を製作したのも女優とプロデューサーの関係なんだと言ってしまいました。麻美を怒らせたくない千鶴は、本当は自分自身が和也との繋がりを失いたくなくて嘘の恋人関係を続けて来たなんて、いまさら説明できません。NOという理由を説明できないんです。

 

麻美の提案にNOと言えるとしたら、嘘の恋人関係を続ける理由を、和おばあさんを悲しませたくないからと説明することくらい。しかし、そんな言い訳をしたら、「それは逆に和おばあさんが可哀想。分かった。私から本当のこと言ってあげる」と言われるだけ。

 

今の千鶴にとって和おばあさんはとても大切な存在です。将来家族になる人です。千鶴が大好きで、信頼してくれて、千鶴自身も和おばあさんが大好きです。嘘だとバレてしまえば、和也と自分が恋人ではなかったと悲しませ、和也の家族にも小百合おばあさんにも嘘をついて来たと嫌われてしまう。千鶴はこの言い訳さえ麻美に封じられています。

 

千鶴は、どちらの選択もできません。麻美と別れた後、千鶴はバッティングセンターに行きます(184話)。

 

麻美さんは私たちが嘘の恋人関係をつづけていることを

良く思っていないのは間違いない

 

麻美さんが本気になったら 和也との関係が嘘だとバレてしまう

和也との関係を終わらせると言っていた

 

でも どうやって?麻美さんは何を考えてるの?

もしそうなったら 私はどうしたらいいの?

 

 

もう麻美を止める手段はありません。このままでは、和也との関係が嘘だとバレてしまいます。麻美さんが何をしようとしてるのかは分かりません。和也を誤解せてしまう結果になるかもしれません。

 

和也は 私が好きだと伝えてくれたのに

 

千鶴が和おばあさんの信頼を失わない方法があるなら、和也を傷つけない方法があるなら、それは一つしかありません。嘘を真実に変えることです(【184話】恋のキューピット♡七海麻美)。

 

◆その時 私は(184話)

 

「バレちゃう、バレちゃう」。そう心配する千鶴を見て、僕は、千鶴の中では和也をストーカー扱いする(麻美の提案に乗る)なんて選択肢はなかったのかなと思いました。麻美が嘘だとバラしてくるのを受け入れる選択して、それを前提にして自分がどうすべきか考えていたんだと思っていました。

 

しかし実際にはそうではなかったわけですね。麻美に「和也とのレンタル彼女と客の関係を終わらせてあげる」と言われて、ほとんど二人で約束したような結果になっていた。だからこの旅の途中で千鶴は、嘘がバラされることに加えて麻美からの提案もすごく心配していたわけです。195話ではそれが描かれたわけですね。

 

 

 

  麻美さんとの約束

 

◆ヤバいよね…(183話)

 

(和也のストーカー行為)ヤバいよね…

だから安心してっ 私はあなたの味方

面倒な客に掴まっても 守秘義務で何も言えなかったんでしょ?
 

でも もう ちづるさんが振り回される必要なんてない

もう終わりにしよ? 一緒に…なにもかも全部…

助けてあげる 和くんから

 

ミスドで麻美は「和也はレンタル彼女のあなたに本気になっている。あなたはその気がないんでしょう?迷惑でしょう?なら、和くんに付きまとわないようにって言うの、私が手伝ってあげる。」そう提案してきたわけです(183話)

 

当然、そんな提案されても千鶴は困ります。麻美の言うようなストーカー行為なんてないし、迷惑だったなんて和也に言えるはずありません。麻美さんの誤解なんだと言って、なんとかこの提案を断りたい。

 

 

◆和也さんは「ストーカー」という程では… (195話)

 

少し誤解があるように思います

和也さんは 「ストーカー」という程では…

 

千鶴はミスドを出ると、その必要はないと麻美を説得しようとします。繰り返しになりますが、このとき千鶴は、単に和也がストーカー扱いされたことに腹を立てたからこう言っているわけではありません。和也さんはストーカーではないし、私は困っているわけじゃない。だから、麻美さんの提案は受け入れられません。そう麻美に反論してるんですね。

 

しかし、麻美は正論を並べます。

 

◆いや甘いって そんなだからつけ込まれるんだよ (195話)

 

いや 甘いって そんなだから つけ込まれるだよ?

他のお客さんへの「見え方」?もあるだろうし…

「特別扱い」はできないっていうか…

 

麻美が話しているのは、「レンタル彼女としてあるべき姿」です。お客さんが本気になっているのに、何も言わずにいるのは良くない。特定のお客さんだけ特別使いするのは間違っている。そういうことをしていたら千鶴さんにも危険が及びかねない。

 

 

いやっ…っ でもっ…っ (195話)

 

いやっ…っ

でもっ…っ

 

そういって千鶴は何とか麻美の提案を断ろうとします。そのときっ

 

好きなの? なんか ”好き”みたい

 

 

◆好きなの? なんか ”好き”みたい (195話)

 

あなたが”恋人ごっこ”を続けるのは

和君のことが好きだからなの?

どうなの?ハッキリ言いなさいよ?

 

そう言われると、千鶴は何一つ反論することができません。麻美が言っているのはまさに正論で、千鶴にはまともに反論できる理由がないからです。今こうやって麻美の提案を断ろうとしているのも、すべて、和也が好きだからです。恋人になりたいから、大切な人だから、「その気になられちゃ困る」「迷惑だった」なんて言えないからです。

 

千鶴は麻美に本心が知られるのは嫌でしょうし、ついさっき、麻美を怒らせないために二人の間には何もないと説明したばかりです。本当は私も和也が好きなんだ、なんて言えるはずもなありません。

 

言えない 言うべきじゃない

 

 

◆いえ…そんなの事は…(195話)

 

いえ…そんなの事は…

 

千鶴だって、何とかして和也さんは問題のある客ではない、だから何もしてもらう必要はないと麻美を説得したかったんです。でも結局、レンタル彼女として正当性のある理由がない千鶴は、なにひとつ反論できず。結果、麻美と約束したような形になってしまいました。

 

 

 

そしてハワイアンズ。そこに現れた麻美。

 

麻美さんは私たちが嘘の恋人関係をつづけていることを

良く思っていないのは間違いない

 

麻美さんが本気になったら 和也との関係が嘘だとバレてしまう

和也との関係を終わらせるってことになってしまった

 

でも どうやって?麻美さんは何を考えてるの?

もしそうなったら 私はどうしたらいいの?

 

麻美は何をしてくるのかは分かりません。でも確実に何かをしてくるはずです。そのために、この旅について来たに違いありません。

 

でも、麻美が具体的に行動を起こしたら、本当のこと(和也と恋人になりたくて、迷惑してるなんて言いたくないということ)が言えない千鶴には、彼女を止める手段はありません。「やっぱり和くんのこと好きなの?理由を説明して」と聞かれてしまえば、千鶴は何も反論できません。千鶴は、この旅で、ただ麻美の様子をうかがって、ふたりの嘘がバレないように注意を払うくらいしかできません。

 

 

 

  水原千鶴との約束

 

今度は、麻美の視点で約束を見てみます。

 

麻美は、千鶴が一年半以上もの間、和也と嘘の恋人関係を続けて来たこと知っています。さらに、半年前、恋人ごっこは止めるべきと忠告したときには、ただのお客のはずの和也のために千鶴は一生懸命になり、彼と向き合って欲しいと言ってきました(47-49話)。和也が千鶴のことが好きなのも明らか(61話)。麻美は、ふたりが協力してクラウドファンディングまで立ち上げ映画を撮ったことも知っている(183話)。

 

 

◆危ぶまれるようなことは何もありません (183話)

 

普通に考えて、ふたりの間に何もないと考える方が難しい。麻美は、ふたりの間には何かあるのは間違いないし、特別な関係なんだとかなり疑っているはずです。

 

そしてこの日、麻美は千鶴に和君とのレンタル関係を終わらせてあげると提案します。麻美は、千鶴に提案を飲ませることで自分の行動を正当化したかったのかもしれませんし、無理な提案をすることで和也のことが好きだと千鶴にはっきり言わせたかったのかもしれません。

 

いずれにしろ、両方にしろ、麻美は千鶴に、和君とのレンタル関係を終わらせてあげると提案します。一年半もの間嘘の恋人関係を続るなんてプライベートへの過干渉、明らかに利用規約違反です。レンタル彼女は、お客が近づいてくるなんて危険は絶対に避けなければならないんです。だからレンタル彼女として水原千鶴は「あなたの言う通りです。もう終わりにします」と言わなければならないんです。しかし

 


◆和也さんは「ストーカー」という程では… (195話)

 

少し誤解があるように思います

和也さんは 「ストーカー」という程では…

 

水原千鶴は、こう言って反対して来たわけです。は?止める気ないの?ならやっぱり和君のことが好きなんだ、だから断りたいんだ。千鶴が反対してきた瞬間、麻美は、どうして千鶴が反対するのか見当は付いたはずです。いや、麻美にとっては予想通りの反応だったはずです。

 

 

◆いや甘いって そんなだからつけ込まれるんだよ (195話)

 

真っ黒に染まる麻美の瞳。

 

その後も、正当な理由なく自分の提案に反対してくる水原千鶴。麻美の中で、疑いは確信へと変わったでしょう。彼女が反対する理由はたったひとつ。

 

好きなの? なんか ”好き”みたい

 

 

 

◆好きなの? なんか ”好き”みたい (195話)

 

あなたが”恋人ごっこ”を続けるのは

和君のことが好きだからなの?

どうなの?ハッキリ言いなさいよ?

 

 

好きなの?」この質問は、麻美が千鶴に与えたラストチャンスだったのかもしれません。和くんと”恋人ごっこ”を続けてきて、明らかに好きなのに好きだとは言わない。偽物の恋人であるレンタル彼女に好きな人を奪われ、傷つけられた。好きならはっきりそう言いなさいよ。好きだっていうなら、これまであなたたちがやってきたこともすべて、納得してあげるから。そいう言う気持ちだったのかもしれません。しかし、

 

 

◆いえ…そんなの事は…(195話)

 

いえ…そんなの事は…

 

麻美は不満げに(曖昧に)返事をする千鶴を見て、遅くともこのときには水原千鶴は和君のことが好きなんだと確信したはずです。

 

そして麻美の胸の中で何かの感情が動きます(右下のコマ)。

 

好きなんでしょ?和君のこと

なのに好きとは言わないんだ?認めないんだ?はっきりしなさいよ

それなら 私が…

 

水原千鶴は、和也との間には何もないと嘘をつき、和也のことを好きだとは認めない。レンタル彼女を辞める気もない。明らかに和君のことが好きなのに、いつまでも「恋人ごっこ」を続けようとする。そういう、はっきりしない態度が気に食わなかったんでしょう。

 

いずれにしろこの瞬間、麻美の決意は決まったんでしょう。力づくでも、千鶴さんと和君のレンタル関係を終わらせてやると。

 

麻美はこれまで、周りに批判されるようなことは一切してきませんでした。千鶴と和也の関係を知らない人から見たら、麻美の行動は一切批判される理由がありません。レンタル彼女が好きでもない客に付きまとわれているから、助けてあげているだけです。もし千鶴が「本当は恋人になりたいと思ってるんです」とハッキリ言うことがきていたら、恋人になりたい2人の間を割くなんて明らかに非道な行為は、麻美でもすることができなかったでしょう。

 

しかし、千鶴は和也のことが好きだからやめて欲しいとは言わなかった。麻美はこの対話で、表面上は千鶴に提案を飲ませることができたんです。だから麻美は、千鶴と和也の関係を終わらせるために強引な手段を使っても、「千鶴さんとの約束だから」で許されることになります。千鶴は、和也が好きだと言えなかったために、麻美を何でもできる状況にしてしまったという訳ですね。

 

 

 

  傷ついたヒロイン 七海麻美

 

麻美と千鶴の対話を整理しているうちに、僕の麻美像がはっきりしてきたので、それについて少し話したいと思います。麻美については情報が少なく、僕の想像と妄想でつなぎ合わせたイメージになってしまいます。今後僕の見方も変わると思いますが、現時点で僕が考えている麻美の物語を話しますね。一つの仮説だと思って楽しんでもらえたらいいです。

 

麻美は、和也と付き合って1か月で彼を振ります。理由は分かりません。「あの人」(20話)が原因なのかもしれませんし、単に和也みたいなモテない男と付き合っている自分が嫌だったのかもしれません。

 

別れて2週間後、和也が新しい彼女を作ったことを知ります(5話)。麻美はこれが許せなかったんですね。

 

付き合ってるときの和也は麻美にベタ惚れで、いつも可愛いと言ってくれて何でも許してくれて、自分のために一生懸命になってくれた。和也といるときは心地よくて、そういう和也が好きだった。普通に恋していたんだと思います。

 

 

◆そっか ごめんね よしよし (6話)

 

でも、別れた後、和也にはすぐに彼女ができた。飲み会で麻美は、和也がまだ自分のものだと確かめたかったんでしょう。千鶴に和也の悪口を言って「こんな男と付き合うのやめたら?」みたいなことを言います。さらに「ね?和くん」と、どんな悪口を言っても和也は自分の味方でいてくれることを、新しい彼女(千鶴)に見せつけようとします。「何言ってるの千鶴。俺そんなだから」そう自分をかばってくれた和也を見て麻美は満足そう。帰り道では、結局振ってしまうのに、「まだ好きなんだ」と言ってくれて安心したような顔をします。

 

ここまでは麻美の思いどおりでした。ところが、

 

◆水原は そんなコじゃないよ(6話)

 

水原はそんな子じゃないよ

 

自分が大好きなはずの和也が、新しくできた彼女の味方になって、自分の元を離れて行ってしまった。

 

そんなこと絶対にない。新しくできたばかりだから、今は新しい彼女に気持ちが向いているだけ。和也は自分を一番好きでいてくれるはず。麻美は自分のモノでなくなってしまったことが本当に嫌だったんでしょう。Twitterに、和也と千鶴の悪口を吐き出す麻美。

 

どうしても、和也の気持ちが自分から離れてしまったと信じたくない麻美は、海で和也を誘惑します。「俺たち 別れようって話になっていて」と周りの友達に話す和也。一時は、和也と千鶴を別れさせ、和也の気持ちを繋ぎ止められたかのように見えました。麻美は、プールで待ってるから来て欲しいと和也に伝えます。

 

しかし、和也はプールに来ることなく、海で溺れた千鶴を助けに行ってしまいました(15話)。

 

 

◆和也に約束を破られた麻美 (16話)

 

いつも可愛いと言ってくれて、何でも言うことを聞いてくれた和也。それはきっと変わらないと思っていた。でも、実際には、その相手は自分じゃなく、今の彼女になってしまった。麻美は、完全に和也に振られてしまいました。

 

強がりな麻美は、和也に振られてしまって辛い気持ちをなかなか認められなかったかもしれません。あんなくだらない男は私から願い下げ。これだから童貞はダメなんだ。そう言って、私は全然傷ついていないんだと自分に言い聞かせていたのかもしれません。

 

 

◆恋なんかしないって 決めてるんだから (20話)

 

恋なんかしないって 決めてるんだから

(恋なんかしたって 苦しいだけじゃないっ)

 

でも、本心はそうじゃない。和也が自分を見てくれなくなってしまったことが、嫌で嫌で仕方がない。

 

その後、麻美は和也の彼女、水原千鶴がレンタル彼女だという事実を知ります。

 

 

 

◆水原千鶴がレンタル彼女だと知った麻美(44話)

 

好きな人を、中途半端で、偽物で、好きでもなくて、実りもしない”彼女”に奪われてしまったわけです。恋でも何でもないものに、傷つけられていたんです。もし和也と千鶴が本物の恋人だったら、振られて傷ついたという現実を受け止めるのには時間がかかっても、麻美はただ何もせず、じっと耐えるだけだったと思います。

 

 

◆もう「恋人ごっこ」は やめて?(48話)

 

もう「恋人ごっこ」は やめて?

 

恋人でも何でもないレンタル彼女に傷つけられたことを知った麻美。このときから麻美の2人の関係を終わらせる物語は始まります。

 

 

和くん 人生は一回なんだよっ(62話)

 

しかし麻美は、素直に「レンタル彼女のせいで傷ついてしまった。嘘の恋人関係を続けているのが気に食わない。」とは言いません。それはほとんど、「本当は私は和君のことが好きで、振られてしまって傷ついた」と言ってることだからです。

 

 

あんなクソ童貞にどう思われようと気にしてない 私は平気

ただ向こうが付き合いたいって言うから 暇つぶしに付き合ってあげてただけ

 

和くん 人生は一回なんだよっ

「本当の彼女」作って遊ばなきゃ 損だよ (62話)

 

でも もう ちづるさんが振り回される必要なんてない

もう… 終わりにしよ? 一緒に… なにもかも全部 (183話)

 

 

私はもう和くんのことは何とも思っていないし、ふたりが嘘の恋人関係を続けていることに怒ってるわけじゃない。まるでそう主張するかのように、麻美は、恋人ごっこ(レンタル彼女と客の関係)を続けるのは良くないことだよという言い方をします。

 

僕には、麻美が本当はすごく傷ついて、辛い気持ちや苛立ちを千鶴と和也に真っ直ぐぶつけてしまいたいのに、それができないように見えます。傷ついてしまってるなんて自分でも認めたくないし、周りにもそう思われたくない。千鶴と同じく、麻美もすごく強がりで、あなたの味方だからと言い張ることで、一生懸命傷ついた心を隠しているように見えます。

 

もしそれが正しいとするなら、改めて千鶴と会って提案を押しつけ、約束のようなことをしたのも、本心を隠したかったからでしょう。

 

 

私は 2人が嘘の恋人関係を続けていることを 怒ってるわけじゃないの

もう 和くんに未練はない ただ 千鶴さんが心配なだけ

あなたのために 和くんとの関係を終わらせてあげる

 

 

麻美は平気という仮面の下に、傷ついた心を隠している。これが今のところの僕の麻美像ですね。

 

麻美の言動を見る限り、この旅での彼女の目的は和也と千鶴の恋人ごっこ(レンタル彼女と客)の関係を終わらせることに見えます。しかし、背景が描かれていないので行動の裏にある気持ちを想像することが難しい。実際には、千鶴と和也の本当の関係(相思相愛という状態)まで壊す気でいるかもしれないし、もっと別の目的があるのかもしれません。それは今後に期待しておきましょう。

 

 

 

 

という感じで、195話を振り返ってみました。まぁ、麻美と千鶴の会話を整理したと言った方が正しいかもしれません。183話でおおよそ描かれていたことですが、旅行で麻美が現れた後に、改めて麻美の提案が説明されました。何かこの後の展開に絡んでくるんでしょうね。

 

追い込まれた千鶴は大きな決断をしなればならないかもしれませんし、以前話したように和也のことが好きだと示さなければいけない状況になるかもしれません。麻美ちゃんの活躍に期待しておきましょう。

 

では、また次の記事で!