【181話】 【考察】 七海麻美の事情 実はイイ子なのでは?
こちらの記事にたどり着いていただきありがとうございます。215話で七海麻美の過去が明らかになり、より正確な情報を記事にしたので、こちらをご覧ください。
はいどーも。かのかり楽しんでますか。
181話、ついに登場!七海麻美!
◆こんにちは 水原千鶴さん 181話
麻美ちゃん、怖えぇぇぇという声が上がる中。今回は麻美ちゃん視点で、これまでのかのかりを振り返ってみたいと思います!
麻美ちゃんマジで怖えぇわ…と思いきや。
いや、この子の気持ち、普通に分かるんだけど…?
麻美ちゃんの見方がマジで変わるっ。
そんなレビューをお楽しみください。
小悪魔系?ヒロイン
麻美ちゃんと言えば、自ら振ったはずの和也をたぶらかし、そうかと思えば付き合う気もない。何がしたいのか良く分からないヒロインですね。
◆そっか ごめんね よしよし 6話
千鶴と出会った飲み会の帰り際、和也に気のあるようなことを言いながら、結局は「ごめん」と言って振ってしまいます。そして満足そうな笑顔…この子、人の気持ちをもてあそびたいだけなのか?と思ってしまいます。
◆ごめんね 和くん 10話
海に行ったときには和也に猛アプローチ。
それまで自分のものだったはずの和也を獲られてしまい、腹が立ったっていう感じでしょう。
その後は、千鶴に”恋人ごっこ”はやめるように忠告するも、彼の恋心に向き合う気はない。さらに、なにやら企んでいたりと、何を考えているか分からない分、怖さがあります。
ですが、これまでに描かれてきた七海麻美を振り返ると、別に全く理解できない行動ではないんです。
好き でも彼女になれない
七海麻美は和也に未練があります。彼と付き合った一か月は本気の恋だったのかもしれません。とりあえずまだ、和也が好きなんですよね。
◆なんで私 あの人に こんな執着してるんだろう 20話
誰でも良かったはずなのに、好きになってしまい、和也に未練があるんですね。
なんで私 あの人に こんな執着してるんだろう
そう言って、まだ消すことのできない和也への想いを語ります。
◆…もう バカッ 35話
お正月にたまたま和也の実家の横を通りかかった麻美は、彼の姿を探してしまいます。そんな自分に「…もうバカッ」と言い聞かせます。気づいたら彼の姿を追ってしまう。まだまだ和也のことが好きで、忘れられないってことですね。
麻美が千鶴に奪われそうになってから彼に未練を感じるようになったのか、本当は和也と付き合っていたときから彼を好きだったのか、それは判断が付きません。素直に読めば前者。 ただ今彼女が和也のことが好きだと自覚して、未練を感じていることは間違いないようです。
しかし、七海麻美は、彼と付き合うことができないんです。どうしても和也とは付き合えない事情があった。
◆恋なんかしたって 苦しいだけじゃないっ 20話
恋なんかしたって 苦しいだけじゃないっ
(【単行本】 もう恋なんかしないって 決めてるんだから)
そう語る麻美には大きな恋のトラウマがあるのは間違いないです。もちろん和也との恋の可能性は十分あります。そして、このシーンで麻美の弟が言った「あの人」の正体とは?理由はまだ明かされていませんが、のっぴきならない理由で、和也と付き合える状況ではないことは事実。
和くんが好き 彼の気持ちが離れていくのが嫌
でも 彼の恋心は受け取れない 彼女にはなれない
今麻美は、この二つの気持ちの間で、右にも左にも行けない状態であることは間違いないんです。
だから和也の気を引こうとしてしまうし、レンタルを止めさせたいと願ってしまう、でも結局彼女になりたいとは言えないんですね。気の利いた子を演じながら、相手をうまく相手を誘導するようなやり方をするので、ちょっと怖さがあります。でも、その気持ちだけは、普通に理解できてしまいますね。
彼女自身もこの和也を獲られたくないという気持ちが、恋心なのか、未練なのか、復讐心なのか、良く分かってない。でも、誰かに取られるのは嫌で、千鶴を攻撃したくなってしまう、という状態なのかもしれません。
そして、千鶴がレンタル彼女だと知った麻美は、和也とのレンタル関係を止めろと彼女に忠告しに行きます。
帰り際、和くんが好きで、もし叶うなら彼の恋心を受け取りたいと願っている麻美が
あなたは和也さんの気持ちに
本気で向き合った事が ありますか!?
”恋心”を 真剣に
受け止めようとしたことは ありますかっ!?
たかが偽物の彼女に、こう言われるんです。麻美視点に立てば、めちゃウザいし、私の気も知らないで勝手なこと言ってんじゃねぇよって思いますよね?
◆うざ 私と和くんの問題でしょ? 49話
うざ 私と和くんも問題でしょ?
そう言って千鶴のもとを去った麻美の気持ちも良く分かるんです。
無駄なことというブレーキ
千鶴に自分のものだったはずの和也を獲られたのが腹立たしかった
確かに和也が自分と別れた後、千鶴を連れてきたときには、嫉妬心から千鶴を攻撃してしまいました。海では、行き場のない苛立ちをTwitterに吐き出し、二人を別れさせようと和也の気を引いたのも事実です。
和也と千鶴の視点で見たら、嘘の恋人関係を壊されそうだし、和也に近づいては離れる理解不能な元カノです。当然読者にも、何を考えているのか良く分からない怖いキャラとして映ります。
でも、だからと言って、その後の行動がすべて嫉妬心、復讐心であるとは限らないんですね。すくなくとも、海で行ったような嫉妬心にまみれた暴走かと言われたらそうではないんです。
千鶴がレンタル彼女だと知った後の行動を整理してみると、いたって当たり前のことしかしていません。
和也がレンタル彼女に本気になって貢いでいる。それを止めさせようとしているだけ。ふたりの本当の関係を探っているだけです。
麻美は、レンタル彼女水原千鶴が学内にいることに気づいてしまいます。
◆恋をする和也 三つ編みの子の正体は? 61話
麻美はこのとき、和也が三つ編みの女の子に恋をしていることに気が付きます。その子のことを見れば、一瞬でレンタル彼女水原千鶴であることが分かったはず。
つまり、和也がレンタル彼女水原千鶴に本気になっていることに気づいてしまったんです。
レンタル彼女、それはお金を払って得られる仮初の恋人。好きな人が、そんな偽物の”彼女”に本気になって、お金を貢いでいるのなら。
いや、コレはさすがに止めさせるでしょ?
◆本当の彼女作って遊ばなきゃ 損だよ! 62話
レンタルを止めるべきと和也を叱る麻美。和也をレンタル彼女に奪われたくないために、こういっているのは明らか。でも麻美のやってること自体は、いたって普通の範疇に収まることなんですよね。
◆まじ意味ないこと考えてんだろ… 76話
カラオケに和也の様子を見に行った麻美は瑠夏と遭遇。そのあと何か考え込みます。
まじ何 意味ないこと考えてんだろう…
彼女自身、ふたりの関係を探ったり、和也の気持ちを引き止めたり、苛立ちをぶつけたりすることは”意味のないこと”だと頭では理解しているんです。止めなきゃと思っていてはいるんですね。
◆和也のおばあさんと繋がる麻美 77話
読者からすれば、千鶴がレンタル彼女であることをバラすために和おばあさんに近づいたように見えます。怖いです。でもそれだって、やっていること自体は、全然普通なんですね。和おばあさんに近づいて、「あの子はレンタル彼女なの。和くんの目を覚まさせて」とお願いしようと考えているだけです。
頭では止めなきゃと思っているこの子が、今、どこまで千鶴と和也の関係を壊すために動けるのか、そこはまだまだ不確定。本当は、海のときと同じ過ちを犯したくないと、今は思っている可能性だってあります。
◆和也の部屋を訪れる麻美 60話
麻美が和也の部屋を訪れたシーン。確かにココを和也と千鶴目線で読むと、怖いです。でも、このとき、麻美が和也を心配して来たと読もうと思えば、そう読めるんですね。むしろ、そうにしか見えなくなる。麻美は”何か言ってやろう”なんて表情一度もしないんです。和くん最近どうかな?大丈夫かな?嘘の恋人関係止められたかな?って様子に見えます。
もちろん本音の部分では、自分のものだったはずの和也が獲られてしまうのが嫌だという嫉妬心からの行動でしょう。
しかし、だからと言って麻美ちゃんは、学内で千鶴や和也に何か嫌がらせをしてきたわけではないんですね。和也の気を引こうと何かをしたわけではありません。
なので、結構、こんなことしたって無駄っていうブレーキが効いているように見えるんですね。
和くんと水原千鶴の本当の関係は?
最低限、和也のレンタルを終わらせたいとは考えているはずです。そのとき彼女がまず知りたいのは、水原千鶴は和くんをどう思っているかです。
水原千鶴も和くんを好きなら、和くんが実らない恋にお金を貢いでいることにはならないからです。彼女の嫉妬心からの行動を正当化できません。
◆どちらにせよ ”レンカノ”の距離じゃない 77話
水原千鶴も和也のことを好きなのか、ふたりは本当の恋人なのか、知りたい。麻美があれこれ考えこんでいるのは、ただ未練から行っている今の行動を正当化したいだけの可能性だってあるんです。
あの二人が本当に好き合っているなら 私の出番じゃない
本音では和也を奪われたくない、ふたりの関係を壊したい。でも、頭ではこう考えて、自分の嫉妬心にブレーキをかけていても全然不思議じゃないっす。なら181話、千鶴がレンタル彼女だと和おばあさんに伝える前に、まず一ノ瀬ちづるに接触したのも頷けます。水原千鶴が和くんと恋人になる気があるのか本人から聞きたいという訳ですね。そしてもし、その気がないのであれば、嘘の恋人関係をやめろと忠告するわけです。
あなたは和くんのこと どう思ってるの?
あの日と同じ言葉が聞けるかもしれませんね。
総合して考えると
千鶴と和也の恋人関係(?)を壊したい
でも、こんなことしたって無駄 和也への執着を止めるべき
この二つの気持ちの間で揺れているように見えます。
もし嫉妬心のアクセルが全開なら、千鶴がレンタル彼女であることを和おばあちゃんにバラすだけでなく、実質的な二人の関係性(具体的にはふたりの信頼関係、恋愛関係)を壊しに来るはずです。ま、それをやろうと思うと犯罪級のことをしないといけませんが。
逆に、こんなことしたって無駄っていうブレーキが効いているのなら、和也のレンタルを終わらせたい、くらいに終わるのかもしれません。
ブレーキがどれくらい効いているのか、作者にしかわかりません。
七海麻美を救済するストーリー
これまで悪役として描かれてきた七海麻美。でも、やっぱり最後は、どこか共感してしまうようなキャラクター、愛されるキャラクターとして描かれるんじゃないかなと期待しています。
そこで、彼女の嫉妬と復讐のストーリーを、恋の物語に変換する方法を考えてみます。
千鶴と対決したあの日から
「あの人」との恋に向き合い
和也への未練を断ち切ろうとしていた
千鶴と対決した後の半年間、和也への未練とそれを断ち切らなきゃという決意の間で、ずっと揺れていた。その間に、「あの人」との恋も少しずつ発展していった(妄想)。
麻美の過去も、「あの人」との関係も全く描かれていませんが、あの人が許嫁にような存在だと仮定すると、このルートでしか彼女を救うことはできないのかなと思います。
実際、麻美ちゃんに関しては情報が少なすぎて、いつまでたっても妄想になってしまいますね。そこが彼女の怖さの要因ではあります。
しかしその分、麻美の過去や「あの人」との関係性が説明された結果、まったく見えてこなかった七海麻美の恋物語が立ち上がるなんてこともあるんですよね。
今後の麻美ちゃんの活躍に期待しましょう。