どうしてそんな大事なことを、
俺が知るのはそんな後になってからなの?
と、息子に叱られた。
仕事が忙しいからとか、遠く離れているからとか、
気を使ってくれているのかも知れないし、
実際、何かあってもすぐに駆け付けるワケにはいかないけれど、
俺はこの家の長男なんだよ!
家族が悩んでいる時に知らないままだなんて、
外様みたいで気分が良くないよ。
これ以上なく、深く心に沁みる優しい叱りの言葉だった。
そう言い聞かせて育てたワケでもなく、
家とか関係なく、自分の人生を歩みなさいと言ってきたのに、
〇〇家の長男なんて、
いつの間にかそんな意識を持っていてくれたんだ。
行動制限がなくなってからも、息子が帰省することなく、
3年も会えていない。
知人がそのことを知ると、親のことを顧みない息子と思われるようで、
「いくら忙しいって言ったって、休みくらいあるでしょ?転勤は?」
そこのところが理解してもらうには難しく、何も言えないので、
世間的には私たちは息子に放っておかれている親みたいになっている
近くに居ていつでも会える人が羨ましい、
ちょっと離れていても、足を延ばせば会える人も羨ましい。
気持ちが弱るとね、東京までの距離が遠く感じてなおさらそう思う。